メルセデス-AMGが独自開発した「GT 4ドアクーペ」は、直列6気筒モデルが狙い目!
メルセデス-AMGのフラッグシップである「GTクーペ」の4ドアモデルともいえる「GT 4ドアクーペ」に、直列6気筒エンジンを搭載した「GT 53 4MATIC +」がラインナップされました。V型8気筒エンジンではないGTには、どのような存在意義があるのでしょうか。
見栄えもよくてちょうどいいのが「GT 53 4MATIC +」
メルセデス-AMG社の独自開発車両といえば、2シーターの「メルセデス-AMG GT」が思い起こされますが、そのセダン版ともいえるのが「メルセデス-AMG GT 4ドアクーペ(以下AMG GT 4ドアクーペ)」です。
AMG GT 4ドアクーペには、4リッターV型8気筒エンジンを搭載した「GT 63 S 4MATIC(以下GT 63 S)」と3リッター直列6気筒エンジンを搭載した「GT 53 4MATIC +(以下GT 53)」と「GT 43 4MATIC+(以下GT 43)」の3つのラインナップがありますが、AMGを積極的に購入検討している人には、じつはGT 53が狙い目です。
AMG GT 4ドアクーペでGT 53を推す最大の理由に、車両価格があります。3つのラインナップの車両価格(消費税込)は次のとおりです。
・GT 43:1198万円
・GT 53:1623万円
・GT 63 S:2397万円
上位機種になるにつれ、ハイスペック&豪華装備が標準装備になるため、エンジンの違いだけでの価格差ではありません。GT 43にGT 53と同程度の装備をオプションで追加すると、さらに200万円ほどプラスとなり、両車の車両価格の差は縮まります。
AMG GT 4ドアクーペを選ぶ人は、まずAMG独自のエクステリアデザインを気に入っている人たちです。AMGの4ドアクーペならば、「CLS 53 4MATIC」もラインナップにありますが、通常モデルのCLSとの差異は非常にわかりづらくなっています。
ロングボンネットとふたつのパワードーム、上下方向に細く、幅の広いデザインのマルチビームLEDヘッドライト、縦にルーバーの入ったAMG専用ラジエターグリルなど、あきらかにAMG GTファミリーであることがわかるAMG GT 4ドアクーペは、「AMGを所有している」という満足感を得やすいクルマです。
コストパフォーマンスでいえば、GT 43がもっとも優れているように思われますが、AMGモデルを積極的に購入しようという人には、そのネーミングにひとつ大きな落とし穴があります。
GT 43は直列4気筒エンジンを搭載したA45 Sよりも車格の上では格上ですが、直列6気筒エンジンを搭載したGT 43の方が、ネーミングでは格下に見えるという矛盾です。
A 45 Sは421馬力、GT 43は367馬力であるので、そもそもエンジン屋であるAMGとすれば当然のネーミングといえます。むしろA45 Sがいかに凄いクルマであるかという証明でもあります。
しかし、AMGのフラッグシップたるGTのセダン版として見ると、A 45 Sより格下に思われるのは心外です。AMGを積極的に選ぶ人にとっては、このAMGファミリー内でのヒエラルキーは非常に大切です。
じつはGT 43とは、同門ではメルセデス・ベンツ「CLS 450 4MATICスポーツ」(車両価格1079万円)やポルシェ「パナメーラ4」(1283万3333円)などを購入検討している人にとっての競合車種であって、最初からAMGを指名買いする人が選ぶクルマではないのです。
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