買うなら定番のメルセデス・ベンツ「Gクラス」、それとも革新の「GLE」? 最新ディーゼルモデルで比較

ラインナップの拡充が目覚ましいメルセデス・ベンツ。そこで、似て非なるSUVモデルを2車種比べて、どちらがいま買うべきモデルなのかを検証してみます。ボディサイズと新車価格が近く、発売当初のスタイリングを維持したまま今なお人気のある「G 350 d」と最新の「GLE 400 d 4MATIC Sports」を比べてみました。ともにディーゼルエンジン搭載モデルです。

意外と狭いGクラスと7人乗りが標準のGLE

 メルセデス・ベンツのSUVラインナップの頂点には、「GLS」クラスがありますが、GLSは全長が5mを超えてしまうため、GクラスやGLEと比べると、ワンランク上の車格となります。
 
 駐車場の関係から全長5m以下のクルマしか購入のできない人も多く、全長が5m以下のボディサイズであり、同じ3リッター直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載した同価格帯のGクラスとGLEの2台を比べてみることにします。

SUVの定番であり王道であるGクラス
SUVの定番であり王道であるGクラス

 最初に車検証上のボディサイズで比べてみましょう。Gクラスは、全長4660mm×全幅1980mm×全高1970mmです。一方のGLEは、全長4940mm×全幅2020mm×全高1780mmです。
 
 Gクラスは、大きなボディというイメージがありますが、見た目のインパクトに比べて本当はスリークです。こうしたこともあり、自宅駐車場のスペースが狭い都内(とくに世田谷区、目黒区)などでの生息数が多いともいわれています。限られた駐車場に納まる、最も大きな、そして最も見栄えの良いクルマというわけです。
 
 ただし、もともとGクラスが設計されたのは1970年代ということもあり、現在の衝突安全基準に適合するために、さまざまな改良がなされています。
 
 また、本来は軍用車として開発されたので簡素な内装で良かったのですが、現在は高級車であるためドアパネルをはじめ、シートなども豪華に仕上げられています。そのため、車内空間はさらにタイトになってしまいました。
 
 一方のGLEは、ホイールベースが2995mm(Gクラスは2890mm)であり、もともと車室を広く取るように設計されています。シートは標準で3列となり、3列目シートは2名座ることができます。
 
 3列目シートはラゲッジルーム側からスイッチひとつで、電動で倒したり立てたりすることができます。また、3列目シートへアクセスするために、2列目シートは手動ですぐに倒すことができます。2列目、3列目シートを倒すと、最大で2055リッターのラゲッジルームスペースとなります。
 
 Gクラスのラゲッジは荷物を積載しやすいスクエアな形状で、高さがあるので非常に使いやすいのが特徴です。しかし、リアシートを倒してもフルフラットになるわけではありません。ちなみに、ラゲッジスペースは667リッターから1941リッターです。
 
 ステアリングホイールやペダル、ダッシュボードの1枚のガラスカバーで融合したワイドディスプレイ/コクピットディスプレイなど、GクラスもGLEも部品を共用していますが、運転席に座ったときの印象はまったく異なります。
 
 シート座面から天井までの高さは、Gクラスが1025mm、GLEが1074mmです。車高がそれぞれ1970mmと1780mmなので、Gクラスは乗降しづらくアイポイントも高いことが数値の上でもよくわかります。
 
 実際にGクラスはステップを使わないと、子どもや高齢者の乗降にはかなり厳しいといえます。一方のGLEはそれほど乗降が困難ではなく、ヘッドクリアランスもあることから、車内は広く感じます。
 
 ドライバーズシートに座ったときのそれぞれの異なった印象は、そのままドライビングの印象に繋がります。

定番のGクラスと最新のGLEを写真で徹底比較!(31枚)

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