買うなら定番のメルセデス・ベンツ「Gクラス」、それとも革新の「GLE」? 最新ディーゼルモデルで比較

同じ直6ディーゼルを搭載しても、まったく違うキャラクターの走り

 今回、比較試乗したGクラスとGLEに搭載されているエンジンは、3リッター直列6気筒クリーンディーゼルエンジン(OM656)です。ただし出力は異なっており、Gクラスが286馬力/600Nm、GLEが330馬力/700Nmです。
 
 この出力の差がそのまま、「G 350 d」と「GLE 400 d 4MATIC Sports」という車名に表れています。両車の乗り味はどのように違うのでしょうか。

メルセデス・ベンツ「G 350 d」のシャシと3リッター直列6気筒クリーンディーゼルエンジン(OM656)の相性はいい
メルセデス・ベンツ「G 350 d」のシャシと3リッター直列6気筒クリーンディーゼルエンジン(OM656)の相性はいい

 これまでGクラスにはさまざまなエンジンが搭載されてきました。現在ではG 350 dのほかに、422馬力の4リッターV型8気筒ツインターボ搭載の「G 550」と、585馬力の4リッターV型8気筒ツインターボ搭載の「メルセデスAMG G 63」があります。かつては6リッターV型12気筒ツインターボ搭載の「メルセデスAMG G 65」というモデルもありました。
 
 Gクラスは基本設計が古いということもあり、高出力エンジンだとシャシとのバランスが非常に難しい特性があります。その点、コンパクトなディーゼルエンジンのOM656だと、出力特性など含めてトータルでのバランスがとれています。車高の高いSUVを、ゆったりとした所作で走らせるのには過不足ないベストなエンジンといえます。
 
 一方のGLE 400 d 4MATIC Sportsは、セダンである「Eクラス」よりもアイポイントが高くなった程度で、セダンに近い感覚で走らせることができます。また日常で使用している限り、ガソリン車に比べて遜色を感じることはまずないでしょう。
 
 両車ともまったく違うキャラクターなので、同じ基準でオンロードでの性能を比較することはできません。ただし、オフロード性能となると話は別です。
 
 管理キャンプ場に行く程度ならば、どちらを選んでも失敗することはありません。ただし本格的なオフロードでの使用を想定しているならば、G 350 dに軍配が上がります。
 
 G 350 dは、前後トルク配分が40:60のフルタイム4WDとなりますが、センター/リア/フロントの順でディファレンシャルのロックが可能となっています。急勾配や一輪しか接地していないような過酷な地形での走行が可能です。
 
 GLE 400 d 4MATIC Sportsは、前後トルク配分が100:0から0:100までの連続可変となっていて、一般的な使用状況では、オンロードでその恩恵を受けることが多そうです。
 
※ ※ ※
 
 価格は、G 350 dが1192万円(消費税込、以下同様)、GLE 400 d 4MATIC Sportsが1109万円と、その差は83万円です。
 
 どちらを選ぶかは、ライフスタイルの違いによるところが大きいでしょう。就学児のいる家庭で、さらに両親をクルマに乗せることのある場合だと、いざというときの7人乗りであるGLE 400 d 4MATIC Sportsが有利です。
 
 流行にとらわれないデザインのG 350 dは、愛車を長く乗り続けたいという人や、ミドルからシニア世代の家庭には、一生の愛車となる1台です。
 
 ただし、どちらを選んでも、頼もしいメルセデス・ベンツSUVのある暮らしには変わりがないことだけは確かなようです。

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Writer: くるまのニュース編集部

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