「シーマ現象」に「六本木のカローラ」が誕生! バブル期に輝いた車5選
1980年代の中頃から1990年代の初頭にかけて「バブル景気」で日本中が湧いていました。この頃にひと際輝いていたクルマが数多くありましたが、なかでも印象的な5車種をピックアップして紹介します。
バブルを象徴するような名車たち
1980年代の中頃から1990年代初頭にかけては、いわゆる「バブル景気」と呼ばれ、日本中が好景気に湧いていました。
土地や建物、株などが高騰し、いまも語り継がれる名車も次々と登場しました。
そんなバブルを象徴するようなクルマを5車種ピックアップして紹介します。
●日産「シーマ」
いまから50年以上も前から、トヨタと日産は「クラウン」対「セドリック/グロリア」という国産高級車の覇権争いをしていました。
そして、日産は1988年にセドリック/グロリアの上級仕様として、初代「セドリック シーマ」と「グロリア シーマ」(以下シーマ)を発売します。
ボディは3ナンバー専用の4ドアピラーレスハードトップとして、エンジンは3リッターV型6気筒DOHCを搭載。自然吸気で200馬力、ターボモデルでは255馬力という高出力を誇りました。
バブル景気や、1985年頃からの「中流意識」の高まりから生まれた「ハイソカーブーム」という背景もあり、シーマは大ヒット作となります。
また、ライバルのトヨタをはじめ他メーカーからも高級志向と高性能を兼ね備えたセダンが続々登場するなど、国内の高級車市場が活性化し、この状況は「シーマ現象」とも呼ばれました。
なお、シーマはその後モデルチェンジを重ね、現行モデルで5代目となり、日産および海外のインフィニティブランドのフラッグシップセダンとして販売していますが、かつてほどの隆盛はありません。
●トヨタ「クラウン」
1955年の初代発売から、オーナードライバー向けの高級乗用車として代を重ねてきたトヨタ「クラウン」は、時代の流れとともにボディサイズや排気量を拡大してきました。
しかし、主力販売グレードは2リッターエンジン搭載車だったことから、5ナンバーサイズのボディに収められ、排気量の大きい3ナンバー車は前後のバンパーを大きくすることなどで外観上の差別化を図っていました。
1987年に登場した8代目クラウンでは、4ドアハードトップモデルにドアやフェンダーまで専用部品となった3ナンバー専用のワイドボディをラインナップ。
もともとクラウンを嗜好する層が高級志向であったことや、ひと目でわかる見た目の違いにより、3リッター直列6気筒DOHCエンジンを搭載する「ロイヤルサルーンG」が人気車種となりました。
1989年のマイナーチェンジでは、4リッターV型8気筒DOHCエンジンを搭載した「4000ロイヤルサルーンG」が追加され、後の「セルシオ」や9代目クラウンの「マジェスタ」に繋がる、トヨタの大排気量高級車路線を切り開きました。
前述のシーマがバブルを象徴するように報じられていますが、実際にはクラウンの販売台数が突出しており、1990年には約21万台を販売。2018年に日本で一番売れたホンダ「N-BOX」が約24万台ですから、どれほどクラウンの人気が凄かったのかがわかります。
●ホンダ「NSX」
ホンダのスーパースポーツ「NSX」は1989年に発表され、翌1990年9月に全国のべルノ店(当時の販売チャネル)を通じて発売。
バブル景気の真っ只中とあって、価格は800万円から(消費税含まず)と高額にも関わらず発売前から注文が殺到し、発売時ですでに3年分のバックオーダーを抱えていたといいます。
シャシは軽量なオールアルミ製モノコックとし、自然吸気ながら280馬力を達成した3リッターV型6気筒DOHCエンジンをリアミッドシップに収め、低い車高に「くさび」のような鋭いデザインと、まさに和製スーパーカーというべきクルマに仕上がっていました。
開発に現役F1ドライバーのアイルトン・セナや中嶋悟氏を起用していたことも、当時は大きな話題となりました。
「NSX」は卓越したハンドリングとハイパワーというだけでなく、普段使いも問題なくできる高品質のスーパーカーとして開発されました。このことは後に、フェラーリやランボルギーニといった老舗のスーパーカーメーカーの開発方針に大きな影響を与えたといいます。
2016年に新型NSXが発売されましたが、初代NSXのピュアなスポーツカーとしての評価も高く、中古車市場では高値安定が続いています。
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