高速道路の無料化は実現する? 東名高速が誕生50年でも無料にならない理由とは
高速道路の無料化は、さまざまな問題を引き起こす可能性も
2009年から2011年にかけて民主党政権下では、高速道路無料化に向けた社会実験がおこなわれました。週末に限り、ETCを装着したクルマは、高速料金が1000円になるというものです。

割引した分は、税金で埋め合わせするという方法で実施されましたが、結果的には予想以上の交通量となり、渋滞悪化の原因になることが判明。最終的には、2011年に発生した東日本大震災にあわせて、実験が終了してからは、政治側の高速道路無料化の話は、下火になってしまいました。
また、全国に張り巡らされている高速道路や有料道路の老朽化が問題になっています。これらを維持・補修するためには、膨大なお金が必要です。そのため、通行料金を無料化すると財源が不足することから、道路を維持できません。
そうしたなかで、日本の高速道路が無料で公開されるのは、現在のところ2065年です。ただし、今後、新たに道路を建設するなど、大規模補修が追加されれば、当然、その追加の費用を返却するために無料公開の時期は先延ばしされることでしょう。
実際に、2005年の日本道路公団営化の時点では、無料公開の予定は2050年でした。しかし、その後、15年の先延ばしされています。
2019年の現時点でも、無料公開は46年も先。果たして、高速道路が無料公開されるのは、何年先になるのかは、本当のところ、誰もわからないというのが真実なのではないでしょうか。
【了】
Writer: 鈴木ケンイチ
1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。







