クルマのデザインは「かっこいい」が当たり前!? 80年代のイケてるクルマ5選

スタイリッシュなSUVに、一世を風靡したコンパクトカー

●日産「テラノ」

日米でヒット作となったミドルクラスSUV「テラノ」

 日産には「パトロール」という「ジープ」タイプの4WD車が1950年代から存在していました。その流れを汲んだクロスカントリーSUVの「サファリ」が1980年に発売されます。

「サファリ」は無骨なデザインで、機能的ではあったものの、一般的には受けるデザインとはいえませんでした。

 そこで、日産は「サファリ」よりも小型でスタイリッシュなSUV「テラノ」を1986年に発売します。

「テラノ」は「ダットサントラック」のフレームを流用し、ワゴンタイプのボディを載せたモデルで、この手法は当時のSUVとしては一般的でした。

 発売当初の「テラノ」は2ドアのみでしたので、使い勝手は決してよいとはいえませんでしたが、それを払拭してしまうほど優れたデザインが評価されました。

 折しも「RVブーム」「スキーブーム」が始まろうとしていた時代背景もあり、「テラノ」はヒット作となります。

 なお、当時の日産ディーラーで販売を担当していた人が、発売前に「テラノ」の写真を見た瞬間「これは売れると確信した」と語っていました。

●ホンダ「シティ」

コンパクトカーはこうあるべきという姿を具現化した「シティ」

 ホンダは、1963年から4輪自動車を生産していましたが、本格的な自動車メーカーとして世界的に認められたのは1972年の初代「シビック」発売からです。

 その「シビック」がモデルチェンジによって大きくなり、ホンダは初代「シビック」クラスの「リッターカー(1リッターエンジンを搭載したクラスのクルマ)」を企画します。

 それが1981年発売の初代「シティ」です。「シティ」はそれまでのコンパクトカーにはなかった高い車高と、短いフロントノーズ、全体を台形イメージとしたデザインで、非常にユニークなものでした。

 一般的には奇異に映る「シティ」でしたが、限られたサイズのなかで人が乗る空間は広く、エンジンなどが収まる空間は小さく、という設計思想により機能美ともいえるデザインは、ユーザーから絶大な支持を受けます。

 また「モトコンポ」という原付バイクが同時に発売され、これをトランクに積めるというのも斬新なアイデアでした。

「シティ」は「シビック」とともに大ヒットし、後に「シティ ターボ」「シティ カブリオレ」、さらにハイルーフの「シティ マンハッタンルーフ」とラインナップを拡充していきます。

 なお、「シティ」が2代目にモデルチェンジすると、低くワイドな初代とは真逆のデザインとなり、この時も大きな話題となりました。

【了】

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