これぞニッポンの誇り! 世界の自動車メーカーに影響を与えた国産車5選
クルマ作りの品質を変えた「セルシオ」と「NSX」
●トヨタ「セルシオ」
「ロードスター」と同じく平成元年に発売されたトヨタ「セルシオ」は、「クラウン」と「センチュリー」の間に位置する高級車として開発されました。
また、北米で始まる高級車ブランド「レクサス」の立ち上がりの1モデルとしても重責を担っていました。
トヨタは「セルシオ」を開発するにあたって、それまでのクルマ作りの概念を一新させ、部品一つひとつの設計から見直し、これまでにない静粛性と操縦安定性を目指しました。
結果、「セルシオ」はメルセデス・ベンツやBMWといった欧州高級車を上回るほどの品質のクルマになり、世界的にも大きな話題となりました。
「セルシオ」の誕生を驚異に感じた各国の高級車メーカーは、その後の新型車開発の考え方を変えざるを得なかったといいます。
●ホンダ「NSX」
トヨタよりも前にホンダは北米で高級車ブランド「アキュラ」を立ち上げていましたが、その「アキュラ」のフラッグシップとなるスポーツカー「NSX」は1990年に日本でも販売が開始されます。
和製スーパーカーとしてシャシを含めオールアルミのボディに、新開発の3リッターV6のVTECエンジンを搭載。ドイツのニュルブルクリンクで鍛えられたサスペンションと、高い空力性能により本物のスーパーカーに仕立てられました。
ちょうどバブル絶頂期ということもあって、日本での発売時にはすでに3年分のバックオーダーを抱えていたといいます。
「NSX」はスーパーカーでありながら、乗り心地や高い実用性も追求されていました。実際に、後部には2組のゴルフバッグを積むことができ、イージードライブが可能な4ATも選べ、誰もが運転することができるスーパーカーでした。
当時はスーパーカーに実用性や快適性は求められておらず、「NSX」を批判する意見もありました。しかしフェラーリやランボルギーニは「NSX」の品質を目の当たりにして、後のモデルでは大幅な品質向上に務めることになります。