これぞニッポンの誇り! 世界の自動車メーカーに影響を与えた国産車5選
世界中で毎年何十台もの新型車が誕生しますが、少なからず開発やデザインに影響を与えたクルマが存在します。そこで、これまでに発売されたクルマのなかから、世界を変えたエポックメイキングな国産車5車種をピックアップして紹介します。
世界を変えた日本のクルマ5選
クルマの開発には様々な技術が注ぎ込まれ、その進歩も目覚ましいものがあります。また、デザインなどの意匠であったり、パッケージングも大きなウエイトを締めています。
これらの要素が融合して、なおかつユーザーが求めているものにつながると、ヒット作が世に出るわけです。売れるクルマがあると、他メーカーはその秘訣を研究し、開発を進めます。そしてライバル車をぶつけるということが繰り返されてきました。
つまり、他社の開発に大きな影響を与えたクルマが存在するということです。そこで、これまでに発売されたクルマのなかから、世界を変えたエポックメイキングな国産車5車種をピックアップして紹介します。
●ホンダ「シビック」
初代ホンダ「シビック」は1972年に発売されました。FFの2ボックスという優れたパッケージングで、現在まで続くコンパクトカーの先駆け的存在です。
この「シビック」が世界を驚かせたのはパッケージングだけでなく、エンジンにもありました。デビューの翌年の1973年にマイナーチェンジと同時に1.5リッターの「CVCC」エンジンを搭載したのです。
「CVCC」は“Compound Vortex Controlled Combustion”の略で、日本語では複合渦流調速燃焼方式になります。エンジンは燃料と空気を混ぜた混合気を燃やすことでパワーを得ますが、副産物として大気汚染物質が生成されてしまいます。CVCCは希薄燃焼により、後処理なしに汚染物質を軽減することができるというものです。
1970年、アメリカで1963年から施行されてきた大気清浄法を大幅に修正したいわゆる「マスキー法」が可決されました。当時、マスキー法をクリアするのは不可能と言われていましたが、ホンダのCVCCエンジンは世界で初めてクリアすることに成功します。
CVCCの技術をホンダは独占することなく国内外のメーカーにも提供されましたが、三元触媒が普及するとCVCCは廃れてしまいます。
しかし、ホンダはCVCCにより自動車メーカーとしての社会的責任を果たすとともに、早期の排出ガス対策技術の向上を業界全体に投げ掛けたという功績は大きいといえます。
●ユーノス「ロードスター」
バブル絶頂期の1989年=平成元年にマツダが展開したブランドのひとつユーノスから「ロードスター」が発売されました。
「ロードスター」の発売以前から日本でもオープンカーは少なからず作られていましたが、圧倒的に輸入車が多く、国産車では三菱「ジープ」やスズキ「ジムニー」などを除くと市場から撤退していました。
満を持して発売された「ロードスター」は、オープン2シーターという用途が限定されてしまうクルマでありながら、価格も安価で、軽量なボディで軽快に走ることができ、手軽に乗れるスポーツカーとして大ヒットします。
オープンカー先進国のアメリカでも大ヒットを記録するなど、世界的に「ロードスター」は受け入れられました。
「ロードスター」の成功によって、ポルシェやメルセデス・ベンツ、BMWといった欧州メーカーや、国内メーカーもオープン2シーターを続々と発売するという現象を巻き起こすことになります。