安いクルマより絶滅が危惧される? 1000万円以上のMT車5選
日産「GT-R」にホンダ「NSX」、フェラーリ、ランボルギーニはすべてAT車です。欧州ではとくに高級スポーツカーのAT化が進んでおり、MT車の絶滅が危惧されています。そこで、今回は1000万円以上のMT車5車種をピックアップして紹介します。
絶滅の可能性が高い1000万円以上のMT車5選
日本で販売される新車の98%以上はオートマチックトランスミッション車(以下、AT)です。マニュアルトランスミッション車(以下、MT)は、いまや全体の2%に満たない台数しか売れていません。
一方、海外はというと、欧州とアジア圏、アフリカ、中東などはMTがまだまだ売れています。
しかし、欧州でも近年はMT車のラインナップが減っており、おもに高額なクルマでは顕著です。例を挙げるとスポーツカーの代表格である「フェラーリ」や「ランボルギーニ」では、いまやMT車がありません。日本でも日産「GT-R」やホンダ「NSX」はATのみです。
いろいろな理由がありますが、ひとつはATの性能が良くなったことがあります。ひと昔前、ATといえばトルクコンバーターを用いたものが主流でしたが、いまではデュアルクラッチトランスミッション(以下、DCT)が、高性能車に多く採用されています。
DCTは人間よりはるかに早くギヤチェンジを行なうことができ、シフトアップ・ダウンを制御するプログラムもどんどん優秀になっています。
つまり、高額で高性能なクルマほど、AT化のスピードが早く、安価なコンパクトカーなどよりもMT車は絶滅の危機に瀕しています。そこで、日本で1000万円以上するクルマからMT車を5車種ピックアップして紹介します。
●シボレー「コルベット Z06クーペ」1467万9900円
ご存知の通りシボレー「コルベット」はアメリカを代表するスポーツカーです。一時期DOHCエンジンを搭載したモデルもありましたが、伝統的にOHVの大排気量V8エンジンをフロントに搭載し、リアを駆動するレイアウトは普遍です。
また2シーターのクーペとコンバーチブルがあるのも2代目「コルベット」から続くラインナップとなっています。
現行モデルは「C7型」と呼ばれ、2014に発売。今回紹介する「コルベット Z06クーペ」は6.2リッターV8エンジンにスーパーチャージャーを装着した高性能モデルで、最高出力659PSを誇ります。
搭載されるミッションは7MTで、もともと大排気量で大きなトルクを発生するエンジンなので、頻繁にギアシフトをしなくても走れます。
しかし、この7MTには「アクティブレブマッチング」という、シフトダウンの際に自動でエンジン回転数を合わせてくれる機能もあり、ブレーキに集中できスムーズかつ安定した減速が可能で、スポーツドライビングをより楽しむことができるでしょう。
●ジャガー「Fタイプ Rダイナミック クーペ」1132万円
ジャガーはもともと安価で高性能車を作るメーカーとして台頭しましたが、いまでは高級車メーカーとして名を馳せた存在です。
戦前からスポーツカーとサルーンを作り続けており、最新の2シーター・パーソナルクーペ(オープンもあり)である「Fタイプ」にはジャガーで唯一となる6速MT車がラインナップされています。
「Fタイプ」には300PSの2リッター直列4気筒ターボエンジンから、575PSの5リッターV8スーパーチャージャー付エンジンまで選択できますが、MTは380PSの3リッターV6スーパーチャージャー付エンジンのみとなっています。
日本での販売は2013年からで、「Fタイプ Rダイナミック クーペ」はスポーツサスペンションや、LSD付きトルクベクタリングシステム、スイッチ機能付きのスポーツエキゾーストシステムなどを装備した、よりスポーティなモデルとなっています。