ミシュラン「プライマシー5エナジー」「パイロットスポーツ5エナジー」に試乗!「energy」が付くと何が変わる?
ミシュランが手掛ける新世代タイヤ「プライマシー5エナジー」と「パイロットスポーツ5エナジー」は、スポーツ性能そのままに低燃費や耐摩耗性、ウエット性能を高めた“欲張り”なタイヤです。その実力をテストコースで確かめました。
コンフォートやスポーツ性能はエコ性能と両立するのか
ミシュランの生業(なりわい)は「タイヤを売ること」ですが、彼らが目指すのは「たくさん売る」ことではなく、なるべく少ないタイヤで済むようなビジネスを構築することです。その証拠に、同社は2050年までに100%持続可能なタイヤを製造すると公言しています。

その実現のために、原材料の調達から製造、タイヤ使用後に至るまでのライフサイクル全体で環境負荷の低減に取り組んでいますが、その1つが“低転がり抵抗”タイヤです。その歴史は古く、1995年に「グリーンタイヤ(エナジーMXT)」を発売して以来、30年以上にわたって進化させてきました。
しかし、より厳しくなる環境規制に対応するためには、ブランド全体で環境負荷のレベルを下げていく必要があるということです。さらに自動車メーカーからは「スポーツカーや高級車であっても燃費や航続距離に貢献できるタイヤを作ってほしい」という強いニーズが寄せられていました。
そこでミシュランは従来の「エナジー」シリーズのようなエコタイヤの枠を超え、セグメント横断で環境性能(転がり抵抗や耐摩耗性)を向上させる必要があると考えました。そこで誕生したのが、今回紹介する「プライマシー5エナジー」と「パイロットスポーツ5エナジー」です。「コンフォートなのにエコ」「スポーツなのにエコ」という、二律背反する性能が本当に両立できるのでしょうか。
その実力を確かめるために、栃木県栃木市の「GKNプルービンググラウンド」で、日常域から非日常域までテストしてきました。
まずはプライマシー5エナジーです。プライマシーはプレミアムコンフォートタイヤに属しますが、その中でも環境性能を高めた「eプライマシー」の後継モデルとなります。現在は「プライマシー5」と併売ですが、ネーミングからも分かるように、将来的にはプライマシー5がこれに全て置き換わると予想されます。
その特徴は、優れた燃費性能に耐摩耗性、ウエット性能を兼ね備えたものですが、その実現のために「エナジーパッシブ2.0コンパウンド」「スリムベルト」「マックスタッチ・コンストラクション」「ピアノアコースティックテクノロジー」「サイレント・リブテクノロジー」をはじめとする最新技術を惜しげもなく投入。結果、低燃費性能はタイヤラベリング制度で最高グレードとなる「AAA」、ウエットブレーキ性能はeプライマシー比で4.5%向上(ウエットグレード:b/c)となっています。
「コンフォート」と「エコ」の性能を高次元で両立
試乗車はトヨタ「プリウス」で、ドライハンドリングは19インチ仕様です。走り始めのひと転がり目から抵抗感なくスッと動く感覚があり、転がりの良さはエコタイヤそのもの。純正タイヤよりもEV走行時の粘りが強く、EV走行の頻度が増すのを確信できました。
それでいて快適性はプレミアムコンフォートのそれであり、走行中の「コー」「ゴー」というロードノイズが確実に抑えられており、静かすぎて相対的にエンジン音がうるさく感じられるほど。路面からの入力のいなし方も極めて柔らかく、19インチながらまるでインチダウンして偏平率を落としたしなやかさがあり、突起を乗り越える際のインパクトノイズもそれほど響きませんでした。
ハンドリングは、ステアリングを切り込んだ時の応答性の良さは言わずもがなです。スッキリとした確かな手応えは、プレミアムコンフォートを超えスポーツタイヤの領域に入っています。操舵(そうだ)すると、機敏というよりはまるで薄皮を1~2枚剥いだかのようなダイレクト感が増した印象で、フロントからリアへの力の伝達の早さ、ギュッと路面をつかむグリップ感も相まって、ハンドリングの精度と正確さが増しています。

その結果、いつも通りの運転でもクルマはより滑らか、より素直に動いてくれるので、まるで運転がうまくなったかのような錯覚を覚えます。これは運転席だけでなく後席でも分かるレベルで、クルマ酔い防止にも効くはず。その意味では、「純正よりも純正らしいタイヤ」ではないでしょうか。
ウエットブレーキは80km/hからのフルブレーキングでチェックしました。試乗車はプリウス、タイヤサイズは17インチです。
第一印象は「転がり抵抗AAAを達成しながら、これほど止まるのか」というもの。さらにエコタイヤとは思えないネットリとした確実なウエットグリップで、急制動時でもタイヤ自体の高いキャパシティーの余裕と、確かな安心・安定感を強く実感しました。絶対的な制動Gはもちろん、ブレーキを踏んだ瞬間から遅れなくGが立ち上がるので、「止まれるかも?」ではなく「止まれる!」と直感できる安心感も頼もしいです。
今回はすり減った状態(残り溝2mm)でのテストも行いましたが、新品と比べ約2割の性能低下にとどまっており、「最後まで性能が持続」の主張にうそ偽りはありません。





































