ミシュラン「プライマシー5エナジー」「パイロットスポーツ5エナジー」に試乗!「energy」が付くと何が変わる?
ミシュランが手掛ける新世代タイヤ「プライマシー5エナジー」と「パイロットスポーツ5エナジー」は、スポーツ性能そのままに低燃費や耐摩耗性、ウエット性能を高めた“欲張り”なタイヤです。その実力をテストコースで確かめました。
スポーツとエコの両立?「パイロットスポーツ5エナジー」の実力は?
続いてパイロットスポーツ5エナジーです。パイロットスポーツはスポーツタイヤでありながら他の性能もバランスさせ、トータルパフォーマンスに優れます。パイロットスポーツ4以降は国産スポーツタイヤのような直感的なグリップ力とスポーツタイヤらしからぬ転がりの良さが特徴でした。
今回の進化は走りの楽しさを一切損なうことなく、さらに環境への貢献度を高めています。その意味では、パイロットスポーツEVの後継といえるでしょう。

パイロットスポーツ5エナジーの特徴は、ハンドリング性能に加えて燃費性能、耐摩耗性、そしてウエット性能を向上させてある点です。その実現のために「バイ・コンパウンド・テクノロジー」「スリムベルト」「ダイナミック・レスポンス・テクノロジー」「マックスタッチ・コンストラクション」「ピアノアコースティックテクノロジー」をはじめとする最新技術を惜しげもなく投入。その結果、低燃費性能はスポーツタイヤながらもタイヤラベリング制度で「AAA/AA」、ウエットブレーキ性能はパイロットスポーツEV比で3.3%向上(ウエットグレード:b)となっています。
試乗車は大幅改良されたトヨタ「bZ4X」です。発進時の軽さや転がりの良さに加えて、40〜60km/h付近の常用域でのロードノイズの小ささにはスポーツタイヤを感じさせる要素は少なく、思わず「君はプライマシーなのか?」とつぶやいてしまったほど。しかし、ひとたび旋回に入り横Gがかかると乗り味は一変しました。ただ、その切り替えは非常に自然でシームレスです。
操舵(そうだ)と同時にスッとノーズが入る回頭性の良さ、さらに荷重をかけてかじを入れていく際の手応え、粘り気のある力強いグリップ感などはスポーツタイヤのそれであり、あのbZ4Xが小さく軽くなったかのようにキビキビと向きを変えてくれました。印象的なのはフロントからリアへの力の伝達の早さで、即座に旋回姿勢に入れるため、より少ない舵角(だかく)で曲がれました。
運動性能は高いもののタイヤの限界が高いので、bZ4Xだとサスペンションやシートのホールド性が負けてしまうオーバースペックな感覚に陥りました。
どのタイヤでも感じるミシュランのタイヤづくりの「哲学」
ウエット性能については、ハンドリングコースで「パイロットスポーツ4 SUV」との比較試乗です。エコ性能を極めたタイヤは一般的にウエットグリップが厳しいのですが、パイロットスポーツ5エナジーはパイロットスポーツ4 SUVと同等、あるいはそれ以上にネットリと路面に張り付く高いグリップ性能です。

特に旋回状態からアクセルを深く踏み込んで加速していくような状況でも、横Gから縦の駆動へとつながるトラクションの伝達が極めてスムーズであり、雨の日でも「走る楽しさ」を全く妥協していない圧倒的なウエット性能を証明してくれました。
ただ重箱の隅を突くと、「グリップ限界ギリギリの領域は、パイロットスポーツ4 SUVのほうがわずかに粘り強いかな」と感じました。このあたりについて開発者に確認すると、「センター部はモータースポーツ由来のコンパウンドに対して、ショルダー部はエネルギー効率の良いコンパウンドを採用しているため」と教えてくれました。ただ、日常域ではそれほど気にするレベルではないのでご心配なく。
結論をいうと、プライマシー5エナジーはコンフォートタイヤでありながらスポーツタイヤのようなダイレクト感と高精度なハンドリングを得られ、逆にパイロットスポーツ5エナジーは鋭い運動性能を持ちながら優しい乗り心地と静粛性が備えられていました。
ちなみに両者を乗り比べると、キャラクターに見合った個性を感じる一方で、「過度なところがない」「連続性がある」といった基本の特性は共通しています。それはなぜか――ミシュランのタイヤづくりの“哲学”が共通しているからです。





































