ミシュラン「プライマシー5エナジー」「パイロットスポーツ5エナジー」に試乗!「energy」が付くと何が変わる?
ミシュランが手掛ける新世代タイヤ「プライマシー5エナジー」と「パイロットスポーツ5エナジー」は、スポーツ性能そのままに低燃費や耐摩耗性、ウエット性能を高めた“欲張り”なタイヤです。その実力をテストコースで確かめました。
ミシュランが目指す「サステナブル」な未来
ミシュランのタイヤラインナップは大きく「スポーツ」「コンフォート」「スタンダード」の3つに分類されます。このあたりは他のタイヤブランドと同じですが、他社と決定的に異なるのは、ミシュランとして必要な総合性能を実現したうえで、「より注力したい性能を高める」という考え方に基づいている点です。

これをミシュランは「トータルパフォーマンス」と呼んでいますが、今回の2つのタイヤはそれに環境性能も妥協なく盛り込んだ、ある意味“欲張り”なタイヤといえるでしょう。走行シーンや状況に応じてタイヤの特性がシームレスに変化するタイヤであり、少しおおげさに表現するならば、「AIのようなタイヤ」と呼びたくなります。
ここからうかがえるのは、ミシュランが目指す「トータルパフォーマンス」の究極はこれら全ての性能を高次元で完全に融合させ、プレミアムコンフォートもスポーツもエコも、全ての性能を「1つのタイヤ」で賄ってしまおうという思惑なのではないか、ということです。
プライマシー5エナジーとパイロットスポーツ5エナジーは、そんな“タイヤの未来”を明確に予感させるモノだと感じました。
ミシュランが目指すサステナブルな世界
2026年6月中旬に開催された、世界の三大自動車レースとして知られる「ル・マン24時間レース」では、TGR(トヨタガズーレーシング)改めTR(トヨタレーシング)が4年ぶり6回目となる総合優勝を果たしました。

同チームの「TR010 HYBRID」をはじめとするハイパーカークラスのマシンにはミシュランのレーシングタイヤが供給されていますが、実はすでにサステナブル素材を50%以上使用しており、「トータルパフォーマンス」を極限まで追求したプロダクトとなっています。
レースの世界におけるトータルパフォーマンスとは、「より速く、より快適に(=ドライバーの疲労軽減)、より遠くに、そしてより長く(=タイヤ交換頻度の低減によるエコと、タイム短縮の両立)」であり、それを愚直に実行することこそが勝利への近道です。これらは量産車に求められる要素と全く変わりません。だからこそ、過酷な24時間を1分の隙もなく戦い抜くために磨き上げられたこの思想と最先端技術は、ストリート用タイヤにもしっかり受け継がれています。
モータースポーツを未来のサステナブルなモビリティ社会に向けた「走る実験室」と位置づけるミシュラン。ル・マンで勝利を重ねることで証明された「環境と走りの高次元での融合」は、プライマシー5エナジー、パイロットスポーツ5エナジーの進化として、今まさに目の前で実を結んでいるのです。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。





































