トヨタ「“4WD”スポーツカー」が進化! まるで「V6」な重厚サウンドと“快適性向上”で「オトナ仕様」に! “ニュル仕込み”で野性味と洗練を両立した最新「GRカローラ 25式後期」の実力とは?
2025年11月に登場したトヨタ「GRカローラ(25式後期)」は、ニュルブルクリンクで鍛えられたボディ剛性向上やサウンド機能追加などにより、“野性味”と“洗練”をさらに高次元で両立しました。一般道でその進化を自動車研究家の山本シンヤ氏が試乗しました。
“音”と“冷却”にもメス―大人のスポーツ4WDへ
2つ目は、性能に直接影響するわけではありませんが、ドライバーに伝わる「サウンド」の追加です。
今回、JBLプレミアムサウンドシステムにサブウーファーが追加され(8→9スピーカー)、単なるオーディオ音質向上―つまりエンジン音に負けない低音再生に留まらず、これらのシステムを活用して、エンジンの不快なこもり音を打ち消すANC(アクティブ・ノイズ・コントロール)の最適化に加え、ASC(アクティブ・サウンド・コントロール)も追加されています。
具体的には、アクセルやシフト操作による加減速、駆動力変化に応じたスポーツサウンドを、生音にミックスしているのです。
音量や音質はドライブモードによって変化し、ノーマル→スポーツ→スポーツ+EPSエキスパートモードの順で“派手”になっていきます(設定で大・中・小の調整も可能)。

ノーマルでは、1.6リッター直列3気筒ターボらしい軽めの生音に低音を加えることで、濁音気味だった音が上手く整えられています。
スポーツでは、3000回転あたりを境にV6エンジンのような重厚かつ勇ましいサウンドへ変化。
さらにスポーツ+EPSエキスパートでは、ヘルメット装着時でも聞こえるほどの音量となり、アクセルオフ時には“バリバリ”というバブリング風の音まで加わります(実際にはバブリングしていません)。
ASCについては好みが分かれるでしょうが、筆者としては、GRカローラのウィークポイントのひとつは「カローラの車格に似合わないエンジンサウンド」だと感じていたため、今回の採用は大歓迎です。
走行中のワクワク感や高揚感はもちろん、良い音のほうが走るリズムを取りやすいことはBEVでも実感済みなので、個人的には単なるギミックとも言い切れません。もちろん、好みでない人は完全OFFにもできるのでご安心を。
3つ目は「パワートレイン」です。もともと25式前期では冷却性能向上のためにフロントマスクのデザイン変更が行われていましたが、今回は長時間の全開走行でも安定したエンジンパフォーマンスを発揮できるよう、クールダクト(2次吸気ダクト)を追加。
フロントグリルから直接外気を取り込めるため、吸気温度を大幅に下げる効果があるそうです。
今回は一般道での試乗だったため、その効果を体感するには至りませんでしたが、より過酷な夏場に試してみたいところです。

そろそろ結論にいきましょう。今回のアップデートは、前回改良(25式前期:DAT追加、エンジントルク向上[370→400Nm]、冷却・空力性能向上、ジオメトリー変更を含むサスペンションアップデート、ABS制御アップデートなど)と比べると変更点は少なめです。
しかし、実際にステアリングを握ると、「野性味」と「洗練」のバランスが整い、ロードカーとしての魅力が確実に高まっています。
これまでGRカローラは、GRヤリスに対してサーキットを含むコンペティションシーンでの“懐の深い”走りが魅力でしたが、25式後期では、その魅力がロードでもしっかり味わえるようになりました。言うなれば、GRヤリスの兄貴分にふさわしい、“大人”のスポーツ4WDです。
ただ、“大人”を名乗るなら、内装のブラック×赤ステッチはやや子供っぽく感じる部分もあり、個人的にはGRヤリス同様のブラック×シルバーステッチ仕様があってもいいと思います。そして、26式GRヤリスに採用されたGRステアリングもぜひ欲しいところ。
すでにネット上では、国内外のサーキットでテストを行う偽装GRカローラの姿も目撃されています。26式、あるいは27式あたりでのさらなる進化に期待していいですよね。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。











































































