“10年ぶり全面刷新”のトヨタ「ハイラックス」! “ラダーフレーム”だけど乗り心地が超改善? 進化した9代目をオフロードで試す

2026年5月28日、トヨタは10年ぶりのフルモデルチェンジを遂げた「ハイラックス」を発売しました。そんな登場したばかりの新型ハイラックスにオフロードコースで試乗する機会を得たので、筆者(工藤 貴宏)がレポートします。

10年ぶりのフルモデルチェンジ…乗り心地が超改善?

 さっそく新型「ハイラックス」に悪路で乗ってきたのですが、その印象は「ドライバーの腕に関わらず悪路走破性は高い」。雨で濡れてぬかるんだ泥や滑りやすい石のオフロードコースで、ここまでイージーに走れるなんて…。 

 というわけで、10年ぶりのフルモデルチェンジを果たし、日本でも先日発売されたばかりの9代目ハイラックス。ハイラックスと聞けば、フレーム構造に強靭な4WDシステムを組み合わせた生粋と言っていいオフローダーじゃないですか。

 となればフルモデルチェンジによる進化、そしてオフローダーとしての能力が気にならないわけがありません。さっそく愛知県豊田市にある「さなげアドベンチャーフィールド」のオフロードコースでその能力に触れてきたわけです。

 早速コースへ……の前にまず、新型の進化のポイントを新型ハイラックス開発責任者の大矢賢樹さんに尋ねてみました。

「まずは約10年ぶりのフルモデルチェンジなので、デザインも刷新されたし先進安全装備も進化しています。

 メカニズムはEPS(電動パワーステアリング)とMTS(マルチテレインセレクト=電子制御により悪路走行時に路面に合わせて駆動力などを最適化する機構)の採用がトピックです。

 乗り心地も良くしました。新型は積載時だけでなく空荷でも乗り心地よくしたのです。サスペンションの設定だけでなく、キャブマウントなども改良して、クルマ全体として乗り心地をレベルアップしています」

 ちなみにラダーフレームは基本設計こそ従来型ハイラックスと同じですが、一部の板厚などを増した強化版。IMVシリーズに幅広く使われているもので、ホイールベースやリヤサスペンションは異なるものの「ランドクルーザーFJ」とも共用しています。

 大矢さんによると、「悪路走破性」は今回のフルモデルチェンジでもしっかりキープ。「そこはハイラックスとして守るべきもの」とのこと。さらに開発にあたってお客様の生活に寄り添うことを強く意識し、QDR(品質・耐久性・信頼性で“トヨタ車がクルマ作りにおいて大切にすべきもの”とされている)をしっかり守ることが「私たちに与えられたミッションだった」と教えてくれました。

「ハイラックスは日本だとレジャーニーズが多いかもしれませんが、ほかの国では生活を守るクルマでもあります。お客様の生活を共にしていくものですから、これまで築いてた信頼は確実に守らないといけない」とのこと。

 ちなみに先代の日本仕様ディーゼルは、排気量2.4リッターのエンジンを搭載していましたが、新型は2.8リッターに排気量が拡大されています(仕向け地によっては従来型も2.8リッターを積んでいた)。トルクが増えて乗りやすくなったのは言うまでもないでしょう。

10年ぶりのフルモデルチェンジでどう進化?
10年ぶりのフルモデルチェンジでどう進化?

 また、従来はドラム式だったリヤブレーキが新型ではディスク化したり、リヤデフを大型化したり、地味ながら基礎的な部分も強化されているのも見逃せないポイントと言っていいでしょう。

 それではオフロードに踏み入れてみましょう。その走破性はいかほどなのか、期待は高まるばかり。

 おさらいしておくと、ハイラックスに搭載されている4WDシステムはパートタイム式。運転席にあるスイッチの操作でトランスファーを切り替えて前後輪を直結にできるほか、副変速機による“4WDロー”も選択可能。

 この仕掛けはシンプルかつ強靭なのが特徴ですが、昨今ではランドクルーザーシリーズにおいてもパートタイム4WDを組み合わせるのは“70”と“FJ”のみ(“300”や“250”はフルタイム式)。そう聞くと、ますます悪路での期待も高まる。

 ただ、実際に悪路へ乗り入れまず感じたのは走破性の高さではありませんでした。何かといえば乗り心地。もうビックリです。想像よりもずっといい。そして、従来モデルよりもかなりいい。もはやピックアップトラックの乗り味とは思えない領域ですね。それがデコボコした悪路でしっかり感じられるのです。最初の凄い進化でした。

 それから、ハンドル操作感にも変化が。軽くスムーズにまわせるのです。これが電動パワーステアリングのメリットということなのでしょう。

 パワーステアリングに関しては、ハンドル操作のダイレクト感では油圧のほうがいいという声もあるかもしれません。

 でも、乗りやすいのは間違いなく電動の新型。そのうえ、キックバック(路面から受けた衝撃によりハンドルが瞬時に動いてしまう現象)もない。これも悪路走行における、油圧パワーステアリングに対する大きなアドバンテージです。

 もうひとつ、エンジン排気量拡大によるトルクアップも走り始めてすぐわかる進化ですね。上り坂はもちろん、ちょっとした路面の凹凸を乗り越える際でもアクセルを踏み込む必要なく軽いアクセルワークで難なく超えていく。これが扱いやすいんです。

 それから装備面は、前後左右4つのカメラで車両周囲の状況+車両下の様子まで教えてくれる、ランドクルーザー譲りの新装備マルチテレインモニターがとってもありがたい。

 アップダウンの険しいオフロードだと車両直前の様子が全く見えないこともありますが、センターディスプレイの映像で見えない部分も見えるようになるので心強いし、何より安全です。

 オフロード性能に関してわかったことは、筆者(工藤 貴宏)のようなオフロード素人レベルだと「ただただ凄い」ってこと。筆者が険しい上り坂で轍や穴を避けて走っていたところ、助手席に座るインストラクターからは「穴にタイヤを落としてみてください」とあえて過酷な状況に。

 それでも何事もないかのように涼しい顔をして進んでいくハイラックスはなんと頼れる存在か。

 今回の悪路走行時の天候は幸か不幸かパラパラと雨が降っていましたが、そんな状況だと濡れた泥や石がどれだけ滑りやすいか誰だって想像がつくことでしょう。

 試乗の環境はかなり過酷で、筆者としては「本当にここを走れるの?」と半信半疑。でも新アイテムMTSを「AUTO」に入れっぱなしのままで、なんのドキドキもなく走破できてしまいました。険しいオフロード故にタイヤの空転もありましたが、トラクションコントロールがしっかり機能するおかげで瞬時に空転を抑え、腕に覚えのないドライバーでも難なくクリアできてしまったことが新型ハイラックスでごく悪路を走ってもっとも凄い事だと筆者は感じました。しかも、これだけ滑りやすい路面なのにタイヤは新車装着タイヤのままなんですよ。

 というわけでまとめると、ハイラックスの悪路走行能力は高いと思っていたけれど、想像以上。腕がなくてもクルマが面倒見てくれるから、素人でも難なく悪路を走れることがわかりました。

 正直言えば今回の試乗体験だと「限界領域」までまだまだ届いていないと思います。でも、これ以上の世界は、なかなか踏み込めないでしょうね。だってクルマの能力の限界よりもドライバーの不安のほうが大きくなってしまうから。

 ちなみに今回の試乗車両は、さなげアドベンチャーフィールドのレンタル車両で、愛知県豊田市にある同施設へ行けば実際に乗ることができます。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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トヨタ ハイラックス
イメージ画像

中古車価格(税込)

128万円〜808万円

新車価格(税込)

407万円〜431万円

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