「リッター111キロ」走れる! “燃費最強”な「市販スポーツカー」に大注目! まるで「スーパーカブ」な“低燃費”を「2気筒ターボエンジン」搭載で実現! “石油の貴重性”を見通していたVW「XL1」ドイツ仕様とは!
化石燃料の貴重性が高まる現代だからこそ、振り返って注目したい低燃費モデル。それこそが、かつてフォルクスワーゲンが販売した究極のエコカー「XL1」です。
「リッター111キロ」走れる! “燃費最強”な「市販スポーツカー」に大注目!
現在、新聞やニュースなどでガソリンや石油関連の話が出るたびに、ため息をついてしまうドライバーも少なくないでしょう。
政府の補助金制度によってなんとか値上がりは抑えられているものの、中東情勢などの外的要因によって石油燃料の価格が安定する様子はありません。
そんな化石燃料の貴重性が高まり、世界中の自動車メーカーが電動化や燃費向上にしのぎを削る現代だからこそ、振り返って注目したい低燃費モデルが存在します。
それこそが、今から10年以上も前にフォルクスワーゲンが「1リットルの燃料で100キロ走るクルマ」を本気で開発し、実際に市販までこぎつけた「XL1」。
2013年に量産モデルとして正式に発表された、究極のエコカーです。
XL1最大の特徴は、その常識を覆す燃費性能にあります。
欧州の複合モード燃費で「0.9リットル/100km」、つまり日本で馴染みのある数値に換算すると「約111km/L」という、まるで二輪車の「スーパーカブ」のような数値を叩き出したのです。
この燃費を実現するために、フォルクスワーゲンは採算を度外視した技術をXL1に注ぎ込みました。
パワートレインは、排気量わずか800ccの直列2気筒ディーゼルターボエンジン(最高出力48馬力)に、27馬力を発揮する電気モーターを組み合わせたPHEV(プラグインハイブリッド)システムを採用。
トランスミッションには高効率な7速DSG(デュアルクラッチトランスミッション)が組み合わされ、限られたエネルギーを無駄なく駆動輪へと伝達します。

そして、XL1を語る上で欠かせないのが、徹底した軽量化と空力性能の追求です。
ボディやシャシには、レーシングカーやスーパーカーに使用されるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)をふんだんに使用。
さらに、ウインドウガラスにポリカーボネートを採用するなど、グラム単位の軽量化を重ねた結果、車両重量は軽自動車よりもはるかに軽いわずか795kgに抑えられています。
外観デザインも、空気抵抗を極限まで減らすための異形のフォルムとなっています。
車体後方に向かって絞り込まれるようなティアドロップ(涙滴)型のボディシェイプを持ち、空気抵抗係数(Cd値)は0.189を記録。
空気の巻き込みを防ぐためにリアタイヤはスパッツ(カバー)で覆われ、ドアミラーの代わりに小型カメラを採用するなど、当時としては極めて先進的な装備が与えられていました。
また、前面投影面積を減らすため、後輪のトレッド(左右のタイヤの間隔)が前輪よりも狭く設定されているのも特徴的です。
これだけのエコカーでありながら、乗降用のドアには斜め上方に跳ね上がるガルウィングドアが採用されており、その佇まいは完全に近未来のスポーツカー。
室内は空気抵抗を減らす車幅に合わせるため、運転席と助手席を前後に少しずらして配置するタンデム風の2シーターレイアウトとなっており、タイトな空間ながらも快適性が確保されていました。
このXL1は、まるでコンセプトカーのように思われますが、実際に250台限定で市販化されました。
しかし、CFRPの多用や専用設計のパーツばかりで構成されていたため、新車の販売価格は約11万ユーロ。
当時の日本円にして1500万円を軽く超える高級車でした。
燃費で車両価格の元を取ることは到底不可能な価格設定でしたが、フォルクスワーゲンが持つ技術力の高さを世界に示すシンボルとして、その役割を十分に果たしたのです。
石油燃料の価値が再び見直されている現在、もしこのXL1が現代のバッテリー技術やモーター制御技術で蘇ったとしたら、一体どれほどの性能を発揮するのでしょうか。
効率を極限まで追求し、スーパーカーと同じようなアプローチで作られたこのクルマの思想は、これからのモビリティのあり方を見つめ直すうえで、色褪せない魅力を持っています。
Writer: くるまのニュース編集部
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