「勝手にカーポートを建てたら違法だと言われました。」 意外と知らない法令… 「近所から通報された」例も 思わぬ“落とし穴”とは

マイホームを建てた後、家族の人数やライフスタイルの変化により、自宅のリフォームや増築などをおこなうケースは少なくありません。中にはクルマの購入がきっかけで、敷地内にカーポートを新たに建築するという人もみられます。

カーポートも法令上の「建築物」、増築する際には注意が必要!

 ライフスタイルの変化により、自宅のリフォームや増築などをおこなう人も少なくありません。

 中には必要な手続きをせずにカーポートを建てる人も散見されますが、これは法令に抵触するおそれがあるため、十分な注意が必要です。

カーポートも法令上の「建築物」、増築する際には注意が必要!(画像はイメージ/PhotoAC)
カーポートも法令上の「建築物」、増築する際には注意が必要!(画像はイメージ/PhotoAC)

 実は必要な手続きをとらずにカーポートを建てるケースは後を絶たず、インターネット上では「近所の人から違法建築だと役所に通報された」「カーポートを建てたら建ぺい率オーバーになって、住宅を売却できなくなった」など嘆きの声も上がっています。

 一般的にカーポートとは、柱と屋根だけで構成された壁のない簡易的な車庫のことをいいます。

 意外と知られていませんが、建築基準法では「土地に定着する工作物のうち、屋根および柱もしくは壁を有するもの」を建築物と定めており、たとえ簡易的なカーポートであってもれっきとした「建築物」に当たります。

 そのためカーポートの建築に際しても当然、建築基準法の適用を受けることとなり、必要な手続きをせずにカーポートを建築すれば、違法となるおそれがあります。

 では、一体どのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

 まず建築物を建築する際、都市計画区域などでは原則として「建築確認申請」という手続きが必要になります。

 これは、建築計画の内容が建築基準法や各市町村の条例などに適合しているかを確認するための手続きです。

 仮に自宅の敷地内に追加でカーポートを建築する場合は「増築」として取り扱われ、以下のような条件に当てはまると、必ず建築確認申請をしなければなりません。

ーーー
●自宅が「防火地域」または「準防火地域」に該当する
●自宅が防火地域・準防火地域以外の場合で、カーポートの床面積が「10平方メートル」を超える
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 上記の防火地域・準防火地域とは、「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」として指定されているエリアのことで、建物の階数や延べ床面積に応じて、家を耐火建築物や準耐火建築物(火災時に倒壊や延焼を防止する建築物)にするといった建築の制限があります。

 防火地域や準防火地域では火災の延焼リスクを低下させるため、すべての建築物について安全性をチェックしなければならず、自宅がこれらの地域内にある場合はカーポートの面積にかかわらず、必ず建築確認申請が必要となります。

 また防火地域・準防火地域に該当しないエリアでの増築の場合であっても、カーポートの床面積が10平方メートルを超えるときは建築確認申請をしなければなりません。

 基本的にカーポートはクルマ1台用であっても多くの場合、床面積が10平方メートルを超えることから、建築確認申請が免除されるケースは少ないといえるでしょう。

 カーポートの建築確認申請については、そもそも必要であると認識していない人が多いほか、代行業者に申請を依頼した場合の費用が数万円から数十万円程度と高額になることから、あえて申請をしないというケースが散見されます。

 しかし建築確認申請をせずにカーポートを建築すると建築基準法違反に該当し、自治体の行政指導や是正命令の対象となるうえ、悪質な場合には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金を科される可能性もあります。

 さらに手続きをしないことに加え、カーポート建築によって決められた建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)をオーバーしてしまったり、カーポート自体が防火・構造など性能面で基準を満たしていなかったりする事例もみられます。

 この場合も建築基準法違反に当たり、行政から是正や撤去を求められる可能性があります。

 また必要な措置をとらないままでいると、住宅を売却する際に違反建築物があるとして、売却に支障が出るおそれも想定されます。

※ ※ ※

 カーポートの建築に関しては「設置業者が申請なしで建てられると言っていた」「近所の人も申請していないから建てた」などの体験談が複数寄せられており、あいまいな理解のまま建築確認申請を怠るケースが多い状況でした。

 新しくカーポートの建築を検討する際は、自分の住んでいるエリアが防火地域・準防火地域に該当するか、カーポートの床面積はどれくらいかなどをきちんと確認することが大切です。

 そして困ったときには自己判断せず、自治体の建築指導課といった専門の部署に相談するようにしましょう。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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