トヨタ「ヤリスクロス」サイズの「ジュニア」に注目ッ!アルファロメオの末っ子だけど「いい塩梅の刺激」あり!絶妙な“個性ある味付け”が光る乗り味とは?【試乗記】
アルファロメオ「ジュニア」はブランドの伝統を受け継ぎながら、新時代のエントリーカーとしての役割を担う一台です。コンパクトでありながら存在感のあるデザインと、最新技術を取り入れた走りはどのような仕上がりなのでしょうか。自動車研究家の山本シンヤ氏が試乗し、その実力をレポートします。
小さいボディに凝縮された“アルファロメオらしさ”
アルファロメオの末っ子SUVとして登場した「ジュニア」。当初は「ミラノ」と呼ばれていましたが、イタリア政府が同名称の使用を認めず(ポーランドで製造されるため)、発表からわずか5日後に名称が変更されました。
ジュニアの名は1960年代に登場した「GT1300ジュニア」に由来します。このモデルは「ジュリア スプリントGT」の弟分として、若者向けの手軽な入門スポーツモデルでしたが、コンパクトなボディサイズはもちろん、アルファロメオの“入り口”という意味でも、筆者(山本シンヤ)としてはミラノよりふさわしい名称だと思います。
今回、進化した「トナーレ」の試乗とあわせて、改めてMHEVモデルにも試乗しました。その印象は、ヤンチャな兄貴たちに対して、落ち着きのある末っ子といった感じです。

エクステリアは「新しいのに懐かしい」デザインです。ボディサイズは全長4195mm×全全幅1780mm×全高1585mmとトヨタ「ヤリス クロス」とほぼ同等ですが、兄貴分の「ステルヴィオ」やトナーレのシルエットを踏襲し、低いルーフラインや、タイヤの存在感を強調したグラマラスなフェンダー、コーダトロンカ形状(歴代アルファロメオが採用)のリアなどにより、小さいながらも実に堂々としたスタイルに仕上がっています。
インテリアは、アナログとデジタルを上手に融合したインパネまわりにトナーレとの共通性が見られますが、インパネ内蔵のインフォテインメント(デザイン的にはスマートですが視認性は今ひとつ)やシフトまわり(プジョー系との共通部品)は異なります。
なお、「国産車と比べて装備面が…」と心配する人もいるかもしれませんが、安全装備や運転支援機能など、現代のクルマに必要な装備はほぼ揃っています。
居住性については前席優先なのは言うまでもありませんが、前席が身長170cm以下の人のシートポジションであれば、後席も足元・頭上ともに十分なスペースが確保されており、見た目に反して実用性も高いです。
メカニズムは、パワートレイン/プラットフォームともにステランティスグループの技術をフル活用しています。
パワートレインは1.2リッターターボ(136ps/230Nm)にモーター内蔵(22ps/51Nm)の6速DCT(48Vマイルドハイブリッド:e-DCT)を組み合わせ、プラットフォームはCMPを採用。
プジョー「208」やジープ「アベンジャー」、フィアット「600」と共用していますが、いずれもアルファロメオ向けに最適化されています。
これは筆者の私見ですが、「クルマづくりは制約があるほど“味付け”の重要性が際立つ」と思っています。つまり、ハードよりもハートが大事ということ。
そんなジュニアの味付けは、アルファロメオ開発陣の中でもエース級のエンジニアが担当しているそうです。































