トヨタ「ヤリスクロス」サイズの「ジュニア」に注目ッ!アルファロメオの末っ子だけど「いい塩梅の刺激」あり!絶妙な“個性ある味付け”が光る乗り味とは?【試乗記】

アルファロメオ「ジュニア」はブランドの伝統を受け継ぎながら、新時代のエントリーカーとしての役割を担う一台です。コンパクトでありながら存在感のあるデザインと、最新技術を取り入れた走りはどのような仕上がりなのでしょうか。自動車研究家の山本シンヤ氏が試乗し、その実力をレポートします。

“いい塩梅の刺激”あり―末っ子アルファの実力とは?

 パワートレインはEV走行も可能なストロング寄りのマイルドハイブリッドですが、兄貴分のトナーレよりもエンジンとモーターの協調がうまく、スムーズな印象です。

 このあたりは同じパワートレインを搭載するプジョー系モデルと似ていますが、ドライブモード(D.N.A)を「D(ダイナミック)」にすると、シフトのキレの良さや低中速域でのトルクの盛り上がりに、わずかながらアルファらしいドラマ性を感じます。

 ただし、エンジン回転の伸びやサウンドなどを含め、歴代アルファロメオに見られた高揚感はやや控えめです。

“いい塩梅の刺激”が味わえる走り。日常域でもスポーティさをしっかり感じられる。
“いい塩梅の刺激”が味わえる走り。日常域でもスポーティさをしっかり感じられる。

 フットワークはアルファロメオらしさを感じさせつつも、やり過ぎていない絶妙なバランスです。

 ステルヴィオやトナーレほど俊敏な初期応答ではなく、フロントタイヤを軸に鋭く曲がる感覚も控えめですが、ロールをうまく使いながら4輪にしっかり仕事を分散させ、アンダーもオーバーも抑えつつ、オン・ザ・レールのように素直で気持ちよく曲がります。

 そうした意味では、分かりやすさや刺激は兄貴分よりやや控えめで、人によっては“普通”に感じるかもしれません。

 しかし、日常域+αまで気負わずにスポーツ性を楽しめるセットアップで、アルファロメオらしい旨味はしっかり感じられました。

しなやかな足まわりで快適性にも配慮。実用性の高さも魅力。
しなやかな足まわりで快適性にも配慮。実用性の高さも魅力。

 ただし、これはアルファロメオのラインナップ内での話であり、同クラスのライバルと比べれば、分かりやすさも刺激も十分にあります。

 少し古い例えですが、個人的にはステルヴィオ/トナーレが「155スポーティバ」なら、ジュニアは「155スーパー」に近い乗り味だと感じました。

 乗り心地は兄貴分のトナーレよりも入力が穏やかで、やや時間をかけて減衰させる特性もあり、スポーツ系モデルとしては快適性も良好です。

 後席にも座って確認しましたが、低速域ではややバネ下のバタつきが感じられるものの、フラット感は高く、ファミリーカーとして使っても不満は出にくいでしょう。

小さくても妥協しない。“新世代アルファロメオ”の魅力が詰まった「ジュニア」
小さくても妥協しない。“新世代アルファロメオ”の魅力が詰まった「ジュニア」

 そろそろ結論です。ジュニアは、末っ子の特徴のひとつである洞察力の高さが活きた一台で、決して分かりやすいインパクトはないものの、絶妙なバランスと“いい塩梅”で成り立つアルファロメオだと感じました。

 また、「小さいけれど我慢しない」「小さいけれど誇れる」という点では、キャラクターは異なるもののレクサス「LBX」と通じる部分もあるのかもしれません。

 実際、ジュニア発売以降のアルファロメオの販売台数は、世界・日本ともに前年を大きく上回っています。

 つまり、新世代アルファロメオに共感する人が増えているということです。あなたも、その一人になってみませんか。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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