「WRC参戦車」や「最新BEV軽バン」を体感! ダイハツが自動車大学校の学生とサーキットで“交流” 現場の技術と楽しさを共有するイベントを開催

ダイハツが富士スピードウェイで、自動車大学校の学生を対象とした交流イベントを開催しました。最新BEVの試乗やプロによる同乗走行を通じ、リクルート目的を超えた「クルマの楽しさと整備士の魅力」を伝えています。一体どのようなイベントなのでしょうか。

「採用」より「体験」を重視した異色イベント

 自動車メーカーと販売会社が自動車大学校の学生を招き、クルマやモータースポーツの魅力を体感できる機会を提供する交流イベント「Future Mechanic Experience in FUJISPEEDWAY」が、2026年3月6日に富士スピードウェイ(静岡県)にて開催されました。

 主催は静岡ダイハツ販売とダイハツ沼津販売、そこにダイハツ工業が協力する形で実施。参加したのは、静岡工科自動車大学校の3年生38名、中央メカニック自動車大学校の1年生15名、東海工科自動車大学校の1年生7名の総勢60名です。

 「Future Mechanic Experience in FUJISPEEDWAY」
「Future Mechanic Experience in FUJISPEEDWAY」

 このイベントは企業と学生が一堂に会して行われるものですが、「リクルート目的ではない」という点が大きな特徴。就職先が内定している3年生も参加しており、ダイハツ以外の自動車整備士(メカニック)になる学生もいます。

 その目的は、普段なかなか味わえない“本物の自動車の魅力”に触れることで、ダイハツ車の走行性能や技術的なこだわりを実際に感じてもらうこと、そして現場で働くスタッフやエンジニアとの交流を通じて企業としての魅力を感じてもらい、自らの将来像を考えるきっかけとダイハツというブランドの価値を実感できる機会を創出することです。

 初回は2025年6月の大分。同年12月の沖縄を経て、今回は3回目の開催となりました。

ダイハツ工業 コーポレート統括本部 ブランド推進室の野田美和子氏

 ダイハツ工業 コーポレート統括本部 ブランド推進室の野田美和子氏は下記のように話します。

「私たちは、“モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり”をミッションに掲げるダイハツのモータースポーツ部門・DAIHATSU GAZOO Racing(DGR)として活動しています。

 2023年からは全国数か所で、サーキット走行イベント『D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup』を行っていますが、その開催地で各エリアの販売会社さんと一緒に何かできないかというところからスタートしています」

 近年、少子化や若者のクルマ離れ、職業選択や働き方の多様化により、自動車整備士の数は減少傾向にあります。販売会社が抱える課題を解決するため、メーカーやモータースポーツが役に立てることはないかと考え、このイベントの企画に至ったのだそうです。

 静岡ダイハツ販売の井上和宏社長によれば、「会社説明会のような就職関係のイベントや、教材に使っていただくためのエンジンなどを寄贈するために学校へお邪魔した際に触れ合うことはありますが、今回のようなイベントは本当に初めてです」とのこと。

 続いて「ダイハツは家庭的というかフランクというか、風通しがいいという部分を評価して入ってきてくださることが多いので、そういった雰囲気を学生さんにも感じていただけると嬉しい。軽自動車を主体にして、お客様に寄り添い暮らしをサポートするというのが我々のブランドの使命、役割なので、そのような特徴を知ってもらいたいと思います」と語りました。

 ダイハツ沼津販売の池原勉社長は「販売店のスタッフも総勢20名くらい来ているので、動きを見てもらったり両社のスタッフの雰囲気とかを感じてもらいたい。今日参加されている学生さんはメカニックを志す方たちなので、きっとクルマが大好きなはず。でも、こういったサーキットを走るような経験はなかなかないと思います。ぜひ楽しんでほしい」と話し、参加者を見守っていました。

静岡ダイハツ販売の井上和宏社長
ダイハツ沼津販売の池原勉社長

最新のモビリティや技術も体験できるプログラムが満載

 富士スピードウェイのショートコースを舞台に用意されたのは、5つのプログラムです。

「Future Mechanic Experience」というイベント名に合わせ最新の電気自動車(BEV)や小型電動モビリティなどを使用した競技、予防安全機能の体験、DGRの取り組み紹介やモータースポーツの楽しみを実感できる同乗試乗など盛りだくさんの内容です。

「ターゲットタイム」では、全長約900m、最大下り5%、最大上り8%の勾配や複数のコーナーを有する本格サーキットで先月発売されたばかりのBEV「eハイゼットカーゴ」を使い、設定タイム1分に近いタイムで走行できるかを競います。

 チームに分かれクルマの説明を受けた後、5台が連なってスタートを切ります。前の車につられて速くなってしまったり、慎重になりすぎて遅くなってしまったりと、一筋縄ではいかない様子。

 学生からは、「電気自動車は普段乗ることもないし、サーキットで走ることも学生の自分からしたらなかなかない体験。すごい組み合わせで良い経験でした」という感想が聞かれました。

「eスニーカー走行タイムアタック」では、ピット内に設定された8の字の短いコースをパーソナルモビリティ「eスニーカー」で走行し、タイムを競います。

 eスニーカーは2025年8月に発売された近距離移動をサポートする1人乗りの電動車両です。最高速度を1~6km/hの6段階で調整することができ、前進だけでなく後退も可能。大径のエアータイヤやアームサポート一体型シートを採用し、走行性能や快適性にも配慮しています。

 学生たちは初めて触れる最新の小型モビリティに興味津々。「プログラムの中で一番面白かった」「(eスニーカーのような)あそこまで小さいのは学校になくて、(トヨタ車体の)「コムス」くらい。学校でできないことができて良かったです」「今後こういった小型モビリティの整備もきっとやっていくことになると思うので、こういう場所で乗車体験できたのは貴重」と話していました。

「先進安全技術体感」では、「タフト」に乗車し、予防安全機能「衝突回避支援ブレーキ機能」と「スマートパノラマパーキングアシスト」を体感しました。

eハイゼットカーゴでの「ターゲットタイム」
「eスニーカー走行タイムアタック」
タフトで「先進安全技術体感」

過酷なモータースポーツは「未来のクルマ」への実験場

 もう1つ、参加した学生から「面白かった」「関心が湧いた」という声が多く上がったのが、DGRのトークセッションです。

 このセッションでは、世界最高峰のラリー競技「WRC(世界ラリー選手権)」への挑戦を通じて、ダイハツがどのように「もっといいクルマづくり」と「人づくり」を推進しているのか、DGRチーフエンジニア兼ラリードライバーの相原泰祐氏を中心にその熱い想いが語られました。

 ダイハツにおけるモータースポーツ活動(DGR活動)は、モータースポーツを起点とした「もっといいクルマづくり」を実現するため、「モノづくり」と「コトづくり」の両輪でダイハツらしい活動を推進するという考え方に基づいています。

 DGRの活動の目的は、単にレースで勝利することではありません。ラリーという競技は、田んぼのあぜ道や砂利道といった「日常の延長線上にある過酷な公道」を舞台にします。ここで得られるデータや課題は、ダイハツが目指す「もっといいクルマ」や「未来のアフターパーツ」づくりのための貴重な材料となります。

「モノづくり」の観点では、TOYOTA GAZOO Racingのカウンターパートになることを最終目標に掲げています。まずはモータースポーツで得られた知見を、アジャイルに技術部門へフィードバックし、「もっといいクルマづくり」に貢献することを目指しています。

 例えば、エンジンの冷却性能の最適化や、バイオ燃料への対応、レーシングサスアームの開発、さらには「FRコペン」のコンセプト車両に繋がる「低重心化」の試みなど、レース現場でのトライ&エラーが市販車への技術フィードバックに直結しています。

 1mmでも重心を下げるための工夫や、過酷な状況下でパーツが破損した際の分析が、次世代の設計をより強固なものにしていきます。

DGRのトークセッション
ラリーの経験を開発に活かす

販売会社からメカニックが集結! WRCの現場で腕を磨く

 この活動の大きな特徴として注目したいのが、全国4か所(埼玉、静岡、富山、北九州)の販売会社から出向してきたメカニックたちの存在です。出向メンバーの多くは入社8〜13年目の中堅で、普段は地元のディーラーで整備を行っていますが、DGRのメカニックとして15か月間の「出向プログラム」に参加し、世界最高峰の舞台で腕を磨いています。

 これは「コトづくり」の考え方に基づくもので、モータースポーツ活動を通じて、ダイハツの「人づくり」に活用することを目指しています。

 ダイハツ沼津から出向している池田祥馬氏は、「ラリー中に発生した不具合に対して、どう対処すれば一番良くなるのかを考えるのは非常に難しいですが、そこで得た知見は必ず一般車の整備にも活かせると確信しています」と語り、現場での課題解決が技術向上に繋がる手応えを口にしています。

 また、富山ダイハツから出向している松田直樹氏は、ディーラー業務とのギャップについて「正直、出向というより『転職』したくらいの衝撃がある毎日です」と表現し、全く異なる環境での挑戦が自身の成長を促していることを明かしました。

 北九州ダイハツから出向中の中山拓実氏も、北海道から沖縄まで全国を飛び回る生活を「大変ですが、楽しんで取り組んでいます」と振り返り、現場で身を以て体験することの重要性を強調しています。

 埼玉ダイハツから出向している関村一斗氏は、地域ごとのメカニックやユーザーの違いに触れ、「全国各地でさまざまな人たちと触れ合うことで、視野が大きく広がりました」と語りました。

 現場では技術習得のみならず、チームを円滑に動かすためのコミュニケーション能力も重視されており、池田氏は「どう伝えれば相手に伝わるのかを日々考えて動くことは、職場に戻っても店舗を良くするために不可欠なスキルだと感じています」と、人間力の向上についても触れました。

 ダイハツでは、このように極限状態での段取りの重要性やコミュニケーション能力を学び、他ではできない経験を積んだメカニックたちが各地域の販売会社に戻ることで、顧客に「WRCを経験したプロが自分のクルマを見てくれる」という大きな安心感を提供することを目指しています。

 松田氏は「ここでできたダイハツ工業の社員との繋がりを活かし、戻ってからもすぐに相談できるパイプを大事にしたい」と述べ、中山さんは「地元でもクルマの楽しさを伝えるイベントを開催し、もっと多くの人にクルマを好きになってもらえたら嬉しい」と将来の展望を語りました。

 前出の野田氏は「販売会社も人手不足という事情がある中で、『将来のために』といってメカニックの方をこの出向プログラムに参加させてくださっているので、感謝しています。今後も全国に広げていきたい」と話します。

 なお、「コトづくり」においては、広くダイハツファンを増やすことを目指すと同時に、トヨタグループのモータースポーツ活動の一端を担うべく活動も推進中。

 モータースポーツを楽しむ方の裾野を広げるため、ダイハツ車ユーザーであれば誰でも気軽にモータースポーツを楽しめるサーキットイベントとして「D-SPORT&DAIHATSU Challenge Cup」や「D-SPORT & DAIHATSU Circuit Trial」を開催しています。

(左から)北九州ダイハツの中山拓実氏、富山ダイハツの松田直樹氏、ダイハツ沼津の池田祥馬氏、埼玉ダイハツの関村一斗氏

サーキットで同乗走行 プロの走りに大興奮!

 そして、この日一番の盛り上がりを見せたのは、DGRの相原氏と殿村裕一監督がドライバーを務めるレース参戦車両の「コペン」「イース」での同乗試乗でした。

 サーキットでレース車両に乗ってプロの走りを体感できる貴重な機会に、助手席に乗っている学生はもちろん、ピットロードから見守るメンバーも大興奮。クルマがストレートをトップスピードで走り抜けるたびに、大きな歓声が上がります。

レース参戦車両の「コペン」で同乗試乗
レース参戦車両の「イース」も

 同乗した学生からは 「なんで喋りながらあのスピードで運転できるんだろうと不思議でした」「軽自動車だけど、第1コーナーから動きが全然違った。市販車では味わえないような体験でめちゃめちゃ楽しかったです」「ずっと叫んでました。『うわー!』って(笑) 何も考える暇がなかった」と驚きや興奮の感想が多数聞かれました。

 また、「ブレーキの離し方とか、シートから伝わってくる感覚とか、プロはこうやって車を動かすんだなっていうのを学べました」「軽自動車ってここまで突き詰めれば速くなるし、こういう性能があるんだ、軽さが命っていうのが分かりました」という冷静な分析も。

 イベント全体の印象や今後に向けては、「これからBEVとか電気の車が普及してくると思うので、知識も必要ですし、今回走ってみてガソリン車と比べても体感が全然違う。それを実際に体験できたのは整備する面でもメリットになると思いました」「今日はレースカーから大衆車、商用車まですべて体験できた。そのすべてでオーナーさんに満足してもらえる整備ができる整備士になりたいです」「チューニング系が好きなので、そういうショップで働いて、いつかは自分でオートサロンに出せるような車を自分で作りたい」「ラリーのメカニックなどチャンスがあるなら挑戦したいです」と語ってくれました。

中央メカニック自動車大学校の学生
東海工科自動車大学校の学生
静岡工科自動車大学校の学生

※ ※ ※

 堅苦しい雰囲気は一切なし。「Future Mechanic Experience in FUJISPEEDWAY」は、参加者全員の笑顔と共に幕を閉じました。

 ダイハツでは、これからも“クルマ好きが集い、楽しみながら自動車メカニック業界を盛り上げるきっかけづくりをするイベント”を販売会社と協力しながら各地域で開催していきたいとしており、今後の展開に期待が高まります。

【画像】大盛り上がり! 「Future Mechanic Experience in FUJISPEEDWAY」の様子を画像で見る(30枚以上)

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Writer: くるまのニュース編集部

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