550馬力の「V6TT」搭載! 全長4.9m級の最新「4人乗り“V6クーペ”」! 「ズバッと切ればズバッと曲がる」高性能モデル”マセラティ グランカブリオ トロフェオ”どんなクルマ?
イタリアの名門ブランドに位置付けられるマセラティのGTクーペ「グラントゥーリズモ」。中でも高性能モデルとなるトロフェオはどのようなモデルなのでしょうか。
全長5m級のビッグクーペ
2023年、イタリアの名門ブランドに位置付けられるマセラティのGTクーペとして「グラントゥーリズモ」が長期の販売休止を経て日本市場に復帰しました。
2024年には、グラントゥーリズモ派生のオープンモデルとしてグランカブリオを投入。いずれにしても、基本的なフォルムは従来型と同様にエレガントでラグジュアリーです。
ボディサイズは大きめで、全長4966mm×全幅1957mm×全高1365mm。ホイールベースは、2929mmと上級サルーンに迫る長さになります。
それには理由があり、フロントの車軸を可能な限り前寄りに。その結果、新開発となる3リッターのV型6気筒ツインターボエンジンの搭載位置を後退させることが可能となり前後重量配分を最適化しています。つまり、エレガントでラグジュアリーなだけではなくノーズの重量負担が減りリアルスポーツ的な操縦性も期待できるわけです。
試乗車は、グランカブリオの高性能版でトロフェオになります。同型のエンジンはベースよりも最高出力を60ps、最大トルクを50Nm上乗せしそれぞれ550psと650Nmを発揮。
3リッターのターボエンジンとしては超高性能であり、それでいてシリンダーヘッドにプレチャンバー(予燃焼室)を設けて希薄燃焼を可能とするなどの高効率化も図っています。

とはいえ、気になるのはリアルスポーツとしての走りでしょう。走行モードには、コンフォート、GT、スポーツ、コルサを用意。デフォルトは、GTになります。エアサスペンションやエンジンと8速ATなどの制御をクルマ任せにするモードですが、すべての場面で満足できます。
サスペンションは引き締まっていますが、ストロークがスムーズなので突き上げなどの不快感とは無縁でいられます。しかも、ホイールベースが長いので前後方向の揺れが気にならずフラットな乗り味が維持されます。
ステアリング操作に対する応答性は、正確そのものです。つまり、スッと切ればスッと向きが変わります。ズバッと切れば、ズバッと向きが変わるわけです。ノーズが長いこともあり、視覚的にも動きの鋭さが強調されます。
走行モードがスポーツなら、ステアリングの手応えが増し応答性にダイレクト感が加わります。さらに、エンジンの音量が高くなり中回転域からはビート感も。それが高回転域にかけてコォーンという連続音に変わり、6000rpmから始まるイエローゾーンを赤い針が引き裂きます。
そして、レブリミットの6500rpmまで一気に吹け上がります。ソフトトップを開ければ、エンジン音が空気の振動として全身を包むため聴覚的な刺激により臨場感が際立ちます。
従来型は、フェラーリ製となる4.7リッターの自然吸気式V型8気筒エンジンを搭載。現行型は、マセラティ製のV型6気筒ターボに変わりました。
ですが、アクセル操作に対する応答性や加速の勢いと快音の響かせ方はむしろ優っています。走行モードにはコルサもありますが、横滑り防止装置の介入が制限されるので公道での選択はおすすめしません。
さて、エレガントでラグジュアリーなことはマセラティの伝統的な価値になります。モニターの表示をスワイプするとソフトトップが50km/h以下であれば15秒で閉じます。
その際の静粛性は、クーペボディのグラントゥーリズと変わりありません。ザラついた路面を通過する場面でゴーッと響くロードノイズは、ソフトトップなので音の反射がないためかグランカブリオの方が抑制されているほどです。
優れた静粛性を実現し、走行モードがGTなら乗り心地も快適。エレガントでラグジュアリーなインテリアに身を置くことで、マセラティならでは価値が実感できるでしょう。
Writer: 萩原秀輝
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。在学中からフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、同時期にツーリングカー・レースにも参戦。豊富なクルマの知識とドライビング理論を活かし、自動車メーカーなどが主催する安全運転教育の講師を数多く務めた経験を持つ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。




































































