浜松〜長野の「最短・快速ルート」開通までもう一息! “技術の敗北”経験した「世紀の難工事」乗り越え! 新東名と中央道を“直結”三遠南信道「青崩峠トンネル」いよいよ完成間近
静岡県と長野県の間を貫く「青崩峠トンネル」の工事が終盤を迎えています。
地盤に負けた「断層直上の難所」をクリア
静岡県と長野県の間を貫く「青崩峠トンネル」の工事が終盤を迎えています。
開通したらどう便利になるのでしょうか。
青崩峠トンネルは、静岡県浜松市の新東名から北上し、愛知県を経由して長野県飯田市の中央道をつなぐ約100kmの高規格道路「三遠南信道」にあります。
愛知県東部の「三河」、静岡県西部の「遠江」、長野県南部の「南信」からそれぞれ文字を取った三遠南信道は、JR飯田線と並行して愛知県と静岡県の県境沿いに縦断するように敷設される道路です。

同様なルートを結ぶ高速道路としてはすでに中央道がありますが、愛知県の小牧JCTから岐阜を経由する遠回りになっており、しかも途中にある岐阜・長野県境のトンネル「恵那山トンネル」はかなりの長大トンネルであることから、危険物積載車両の通行が禁止され、下道を通るしかありません。
下道も、国道151号・152号があるものの、いずれも極めて狭隘でクネクネ道が続く「酷道」で路面の状態も悪く、しょっちゅう通行止めになるほか、落石により長らく不通となっている区間もあります。
そこに最短で直結を果たすのが三遠南信道になります。大型車も難なく通行できる「まともな道路」として、早急な開通が求められています。
現在、三遠南信道は、新東名の浜松いなさ北ICから飯田方面、飯田方面から浜松方面に向かってそれぞれ徐々に延伸開通しており、2026年3月には長らくブツ切れとなっていた浜松いなさIC〜佐久間川合ICの28kmが開通。徐々に工事が進んでいます。
しかし、このなかで“難所”となっているのが静岡・長野県境に立ちはだかる「青崩峠」です。
標高1082mの青崩峠は、日本最大級の断層である「中央構造線」が付近にあることで、地盤がもろく、崖崩れが頻発しています。ここを通る国道152号は車道の敷設が端から諦められた地点で、車両通行ができない“点線国道”となっています。
1990年代初頭には、青崩峠を回避する三遠南信道に含む予定の「草木トンネル」が完成しましたが、その先の区間の厳しい地盤条件に阻まれ、高規格化に失敗した経緯があり、「日本のトンネル技術が敗退」とも称されました。
2013年になると、4998mの長大トンネルで青崩峠をスパッと通過する「青崩道路」計画が事業化。2019年に青崩峠トンネル工事が着工し、2023年5月26日に貫通を迎えました。
トンネル工事中は幾度となく崩落やトンネルの変形に悩まされており、トンネルを数m掘るだけで、トンネルに覆いかぶさる土圧の影響で手前100m近くの変形を招くなど、類を見ない難工事となりました。
2023年の開通時には「土木の勝利」とSNSで大きな話題になり、いよいよクルマを通す最終段階に来ています。
2026年3月の段階では、トンネル内部をコンクリートで覆う「覆工」がすでに完成。路面を整える「インバート」などの作業も概ね完成しており、残すのは舗装や照明工事などの仕上げのみとなります。なお、開通めどについてはまだ発表されていません。
ちなみに飯田側では、中央道「飯田山本IC」から分岐して伊那山地を抜ける7.5kmの「飯喬道路」東側「3工区」の工事が進行しています。
飯喬道路から青崩峠トンネルにかけては比較的走りやすい線形になっており、国道152号の現道を改良する工事を行えば、晴れて浜松と飯田が結ばれることになります。
全区間が開通すれば、三遠南信地域の交流が促進されるだけでなく、観光アクセスの向上や、災害時に緊急輸送として使えるなど、非常に大きな効果が期待されます。
Writer: くるまのニュース編集部
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