超パワフルな“2リッターエンジン”搭載! マツダの「“新”2ドアスポーツカー」! “761万円”でMTのみの「MSRロードスター12R」の実力とは
「ついに来た!」そんな声が聞こえてきそうな1台が、マツダの特別モデル「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」です。“軽さ×気持ちよく回る自然吸気エンジン”という魅力を突き詰めた1台に仕上がっているようですが、その気になる実力はいかなるものなのでしょうか。
2リッター&特別装備の「スペシャルモデル」
マツダの特別モデル「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R(マツダ スピリットレーシング ロードスター 12R)」は、国内では長らく望まれてきた2.0リッターエンジンをソフトトップに搭載したモデルです。
マツダ スピリットレーシング ロードスター 12R(以下、12R)は、2025年10月に予約受注が開始された特別なモデルです。2.0リッター直列4気筒エンジンを搭載し、自然吸気ながらリッター100馬力を発生するチューニングが施されています。
吸気ポートの形状変更に加え、匠のエンジニアによって手作業でポート内を研磨するなど、細部にまでこだわった仕上がりとなっているのも特徴です。
最高出力は200馬力/7200rpm、最大トルクは215Nm/4700rpmを発揮。トランスミッションは6速MTのみの設定で、価格(消費税込)は761万2000円です。

今回は、この12Rに実際に試乗する機会を得ることができました。速さと質感にこだわった特別なロードスターの乗り味をお伝えしていきます。
まず、12Rとそのベースモデルであるマツダ スピリットレーシング ロードスターについて簡単に紹介していきます。両車ともに最大のポイントはエンジンです。これまで国内市場では、ソフトトップモデルに搭載されるエンジンは1.5リッターのみでした。
しかし海外市場では2.0リッターエンジンを搭載するモデルも存在しており、「国内にも2.0リッターのソフトトップを」という声が長年ありました。そうした日本のロードスターファン待望のモデルが、限定車という形で登場しました。
ロードスターRFに搭載される2.0リッター直列4気筒エンジンをベースに、各種専用制御と内外装が与えられたモデルが2200台、そしてそれをベースにS耐マシン譲りの専用チューニングが施されたハイパワーエンジンを搭載する12Rが200台限定で販売されています。
今回試乗した12Rは純正状態でもスペシャルな1台ですが、さらにスポーツ走行に適した仕様を求めるユーザーに向けたアフターパーツ「MAZDA SPIRIT RACING SPORTS PACKAGE(マツダ スピリットレーシング スポーツパッケージ)」がすべて装着された車両です。開発陣がこだわり抜いて厳選したパーツ類が、どのようなフィーリングをもたらすのかにも注目していきます。
まず市街地を中心としたフィールドで試乗をスタートしましたが、ここでは2.0リッターへ排気量が大きくなった恩恵を強く感じることができました。低回転からトルクフルで、少しラフに表現すればズボラなシフトチェンジでも楽に街乗りをこなすことができます。
楽だと感じたのは高速巡行でも同様です。6速で流れに乗って走るときも1.5リッターモデルより余裕を感じますし、追い越そうと思ったときもシフトダウンせずにアクセルを踏むだけでスムーズに速度を高めてくれます。高速巡行での楽さは、多くの人が確実に感じられるポイントだと感じました。
また専用チューニングのエンジンであるにも関わらず、通常の使用シーンで扱いづらさを感じなかったのも印象的です。太くなった実用トルクを生かして、1.5リッターモデルよりもリラックスして移動することも可能です。
その一方で、大型化されたフレッシュエアダクトとFUJITSUBO製チタンマフラーが吸排気の主張をしているため、エンジンの存在感を大きく感じさせてくれます。日常シーンでの移動は快適でありながら、「特別なクルマに乗っている」と思わせてくれる時間でした。
低いギアで加速すると、エンジンの存在感はさらに大きくなります。最高出力発生回転である7200rpmのポイントには三角の印がつけられていますが、そこへ向かって徐々にパワーが出てくる自然吸気エンジンならではのフィーリングは、近年では貴重な存在です。チタンマフラーからのサウンドも相まって、つい回したくなるエンジンであることは間違いありません。
ワインディングで際立つ“12Rの真価”
ワインディングに入ると、さらにこのエンジンは気持ちいいと確信させてくれます。その背景にあるのは専用のスロットル制御と、デュアルマスからシングルマスに変更されたフライホイールです。
軽やかな吹け上がりでバシバシとヒール&トゥが決まり、回転を感じながらのシフトチェンジが楽しくてたまりません。

また1.5wayの機械式LSDが装着されており、コーナー立ち上がりでリアタイヤを感じながら、このトラクションを緻密に制御できる専用スロットル制御も好印象です。機械式LSDを存分に生かせるスロットル特性となっています。
スポーツパッドの入ったブレーキもコントロール性が高く、ブレーキリリース時のフィーリングもドライバーの意図をしっかりと反映してくれます。荷重移動を楽しみながら走ることができ、コーナーの侵入から立ち上がりまで、エンジンの気持ちよさとアフターパーツ選定のこだわりが強く感じられる仕上がりとなっていました。
スペシャルなロードスターとして満足度が高い12Rですが、気になるポイントもありました。それがショックアブソーバーです。ビルシュタイン製のダンパーが採用されていますが、路面への追従性に難を感じるところがあり、一言でいえばしなやかさに欠ける印象です。
強化ブッシュを含めたスポーツアライメントキットも今回の試乗車には装着されていますが、それが影響している部分もありそうです。せっかくスペシャルなアフターパーツを展開するのであれば、サスペンションキットも展開してほしかったというのが、今回の試乗での唯一の心残りとなりました。
すでに限定200台を大幅に超える予約が入った12R。この反響を受けてスペシャルなロードスター第2弾も計画されているとのことなので、第2弾ではサスペンション周りの進化にも期待したいところです。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。
























































