スバルが「20万キロのインプレッサ」を実車展示! 「サビあり・塗装ハゲ」の30年落ち“GC8”なぜ展示した? 「名車」を後世に残す取り組みをスタートへ
スバルは、「第17回 Nostalgic 2days 2026」に出展し、「インプレッサ WRX STI」を展示しました。
スバルが「旧車の価値」を見直す展示
スバルは2026年2月21日・22日にかけ、パシフィコ横浜(横浜市西区)で開催された「第17回 Nostalgic 2days 2026(以下、ノスタルジック2デイズ)」にブース出展を行いました。
ブースでは、20万キロを走行した「インプレッサ WRX STI」(GC8型)が展示されています。
スバル「インプレッサ」は1992年に登場しました。ミドルセダン「レガシィ」の下位に位置する世界戦略コンパクトモデルとして、4ドアセダンを軸に、5ドアステーションワゴン、2ドアクーペなど、さまざまなバリエーションを展開します。
そのいっぽうスバルはモータースポーツを積極的に行っており、当時力を入れていたWRC(FIA世界ラリー選手権)に向け、インプレッサをベースにしたハイパフォーマンスモデル「インプレッサWRX」も設定。
コンパクトなボディに、長年培ってきた水平対向エンジンにターボを搭載した「EJ20型」エンジンで武装。これに高性能4WD「シンメトリカルAWD」を組み合わせ、卓越したパフォーマンスを誇ります。
WRCをはじめとするラリー競技で輝かしい活躍を見せ、幾度もチャンピオンシップを獲得。熱狂的なファンを獲得するとともに、国産スポーツカーの黄金時代をつくりあげ、スバルを代表する車種となっています。
登場から20年以上が経過した現在もなお、初代(GC型)と2代目(GD型)のインプレッサWRXは特に人気で、国内・海外問わずに熱く支持し続けるファンがいます。

今回スバルでは、「過去を修復することではなく、未来へと絆をつなぐ」をテーマに、8年ぶりにノスタルジック2デイズに出展。スバル車を長く乗り続けるユーザーに向け、スバルとしてサポートする姿勢を示しています。
展示されたのは、初代インプレッサのうち、1995年シーズンのWRC総合優勝を記念した1996年式「タイプRA STiバージョンII Vリミテッド」です。
旧車を中心としたノスタルジック2デイズでは、レストアされた車両が多かったなか、このインプレッサは未レストアの状態となっており、20万キロを走行したそのままの状態となっています。
このクルマはレストア予定があるのでしょうか。またどういった経緯で展示をしているのでしょうか。スバルの担当者に聞いてみました。
「まず、私たちはレストアという言葉は使っておらず、『ヘリテージサービス』と呼んでいます。レストアはクルマをお預かりして修復してお返しするものですが、私たちが考えているのは『パーツの供給』です。
本日(2月21日)から『SUBARU HERITAGE SERVICE』のサイトを開設し、GC8(初代インプレッサ)のパーツリストにある一部部品の再販を開始します」
通常、新車から10年以上が経過すると、内外装の補修部品はもちろん、走行に必要な消耗パーツも徐々に製造終了するものが出始めています。
なかにはメーカー純正ではなくても、サードパーティ(社外)製の互換パーツが用意されるケースもありますが、いわゆる旧車と呼ばれるような30年以上前のモデルになると、そうしたサードパーティパーツも販売終了となり、部品の不足が深刻化します。
結果として、長く乗り続けたくてもパーツがないため修理できず、泣く泣く手放すという事例も多くあります。
そうしたなか、スバルではSUBARU HERITAGE SERVICEとして、初代インプレッサ用に供給するパーツの再販を決定しました。
それにあたり、20万キロ以上走ったインプレッサを分解し、走行距離の増加と経年劣化を調査しているといいます。
「30年経ったクルマがどこが錆び、どう劣化するのかを社内で自ら調べているところで、今回、この車両を展示することにしました。
車両開発時の耐久試験(1年で10万キロなど)では見えない、30年という歳月がもたらすリアルな劣化を学ぶことが目的です」
そのいっぽうで、こうした研究は新型車の開発にも役立たせることができるといいます。
「同じ部品を使っていれば活かせますし、耐久性の基準を見直すきっかけにもなります。
また、設計者が自分の設計したものが30年後にどうなるかを直に見ることは、非常に重要な学びになります」
では、今回の展示にはどのような意味があるのでしょう。先出の担当者は以下のように話します。
「普段は販売店(ディーラー)が窓口になるため、メーカーが直接お客様の声を聞く機会は少ないのですが、今回は8年ぶりの出展ということもあり、直接(インプレッサのような旧車を持つユーザーと)対話することを重視しています。
人口減少や保有率低下の中で、1980〜90年代の日本車を大切にする市場は無視できない存在です」
1980年代から2000年代初頭にかけての国産スポーツカーは、漫画や映画などの影響で海外に中古車として輸出されることもあるほど、世界的に人気が高まっています。
そのいっぽうで、自動車の進化を物語る「ヘリテージ」としての価値も見出されており、このインプレッサのようなモデルを自動車文化のひとつとして後世に残していく動きも活発になっています。
ノスタルジック2デイズでも、自動車メーカー本体が旧車のパーツ再販を行ったり、販売店の熟練のメカニックによりレストアが施されたクルマが多数出展されており、なかには「アルシオーネSVX」など、スバルが1990年代に販売したモデルも姿を現しています。
「まだスタートラインに立ったばかりですが、お客様の反響を見ながら、一歩ずつ進んでいきたいと考えています」(スバル担当者)
今回のノスタルジック2デイズでも、当時のスバル車に興味があるユーザーも多数来場しており、なかには同型の初代インプレッサを所有するという会話もところどころで聞こえていました。
次回のイベントでは、さらに一歩進んだサービスも期待できそうです。
Writer: くるまのニュース編集部
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