中央道の“地獄渋滞ポイント”「小仏トンネル」解消に1歩前進! 「トンネル2本立てにします」作戦で八王子まで超スムーズに! 「新小仏トンネル」工事はどこまで進んだ?
中央道の渋滞ポイントである「小仏トンネル」周辺が大きく変わろうとしています。最新の工事状況などはどうなっているのでしょうか。
小仏トンネル「2本立て」に
山梨や長野のメインルートで、関東〜中部の大動脈を担う中央道ですが、東京都と神奈川県の都県境にある「小仏トンネル」では年中大渋滞という様相です。
しかし、この渋滞を解消するべく、大規模な工事が行われています。一体どのような工事で、最新の進捗はどうなのでしょうか。

東京の高井戸から神奈川県を経由し、山梨と長野を横切り、岐阜を通って愛知まで向かう「中央道」は関東〜中部の大動脈を担っています。
東名高速とは異なるルートですが、所要時間は大きく変わらずに愛知に至ることから、名古屋方面への物流を支えるとともに、山梨県全域や長野県南部のメインのルートを担い、かなりの交通需要があります。
このうち小仏トンネルは、相模湖ICから八王子JCTの間に位置します。ちょうど「都県境」となるところです。
ここは関東各方面の高速道路のなかでも有数の「地獄渋滞ポイント」といえる、特に深刻に混むところで、特に上り方面(東京方面)で渋滞が発生しやすくなっています。
平日でも混むことがあり、さらに休日にもなると20kmを超え、連休では40kmという途方もない大渋滞が発生しています。
渋滞の原因は甲信方面から東京方面への交通量の多さもありますが、地形的な要因もあります。
小仏トンネルは「小仏峠」という山坂道にあり、クルマの速度が自然と低下していきます。そうすると車間距離が縮まっていき、ブレーキを踏むクルマが出てきます。
これが連続すると、さらに速度が落ち、やがて停止と発進を繰り返すことになり、渋滞となるのです。
さらに、相模湖ICから八王子JCT方面は2車線ですが、一部区間では3車線となり、比較的余裕があるものの、登り坂となる小仏トンネルの直前で3車線から2車線へと減少する構造となっており、ここが混雑に拍車をかけています。
さて、そんな小仏トンネル周辺ですが、大規模な渋滞対策プロジェクトが進行中です。このプロジェクトで最大の要となるのが「新しい小仏トンネルの建設」です。
既存の小仏トンネルはそのままに、山側にもう1本の「新小仏トンネル」を建設。混雑する上り線ではこの新小仏トンネル内に1車線分を別ルートで設け、3車線化します。
さらに、新小仏トンネルの前後区間も拡幅予定で、混むトンネルだけのピンポイントというアプローチではなく、八王子JCTにかけての約5kmにわたる区間が3車線化され、常に渋滞に悩まされていたこのエリアが大変貌を遂げそうです。
では、工事の進捗はどうなっているのでしょうか。NEXCO中日本は、SNSの「小仏トンネル建設・渋滞対策工事」公式アカウントで、最新情報を発表しています。
2025年12月19日の投稿では、新小仏トンネルの東京側の坑口となる部分の写真を投稿。岩石の硬さを測定したと報告しました。
すぐ脇には本線が通っているため、派手に発破してしまうと岩石が飛び散り、大事故に至ることから、慎重に掘削しているといいます。
ちなみに、新小仏トンネルは2300mあり、建設は2020年からスタート。2025年9月時点で2000mまで掘削を完了しています。
工事中は一時、地山の状態が悪く、崩落なども発生して手間取りましたが、ひとまず乗り越えて東工事部は2026年春に貫通する見込みで、西工事部の貫通は現時点では未定となっています。






























