新車当時189万円! トヨタの「めちゃ安いプリウス」がスゴい! 超シンプル装備にボディカラー3色のみの! 異例の“新旧併売”でライバルに対抗した「EX」とは!

ハイブリッドカーの代名詞ともいえるトヨタ「プリウス」ですが、かつて、新型(現行)モデルと世代が古い旧型モデルを同時に販売したことがありました。どういうモデルなのでしょうか。

トヨタの「めちゃ安いプリウス」がスゴい!

 現在のトヨタのラインナップにおいて「プリウス」は、スポーティで洗練された外観と上質なインテリアを兼ね備えた、ワンランク上のハイブリッド専用車として不動の地位を確立しています。

 しかし、かつての新車ラインナップには、現在の物価高騰からは想像もつかない「200万円を切るプリウス」が存在していました。それが「プリウスEX」です。

「格安プリウス」がスゴかった(画像は通常モデル)
「格安プリウス」がスゴかった(画像は通常モデル)

 当時の自動車業界に大きな衝撃を与えたプリウスEXの始まりは、プリウスが上級路線へと舵を切った2009年に遡ります。同年5月に登場した3代目プリウスは、ボディサイズを拡大し、エンジン排気量も1.5リッターから1.8リッターへとアップさせることで、より余裕のある走りを目指しました。

 しかし、この進化は同時に自動車税の区分上昇や価格アップを意味していました。

 そこに立ちはだかったのが、ホンダ2代目「インサイト」です。インサイトは1.3リッターエンジンを搭載したコンパクトな車体で、当時のハイブリッド車としては驚異的な「189万円から」という低価格を武器に攻勢をかけてきました。

 この強力なライバルに対抗するため、トヨタが同年6月に投入した“秘策”がプリウスEXです。新型である3代目が発売された直後にもかかわらず、あえて一世代前の2代目モデルを継続販売するという異例の決断を下したのです。

 プリウスEXの最大の特徴は、徹底したコストダウンによる戦略的な価格設定にあります。

 ターゲットを主にビジネスユーザーやフリート需要に絞り込み、装備を極限までシンプル化。外観はフロントフォグランプやホイールキャップを廃止し、ボディカラーもホワイト、ブラック、シルバーの基本3色に限定されました。

 内装も実用性を重視した仕様に整理することで、ライバルと真っ向からぶつかる「189万円」という価格を実現したのです。

 この「旧型併売」という手法は功を奏し、2012年春ごろまで販売されたプリウスEXは、法人車両などの需要をしっかりと掴み、インサイトへの顧客流出を防ぐ役割を果たしました。

 SNS上でも今なお「200万円を切っていたのは安い」「インサイトに金額を合わせてきたのは驚きだった」と、その合理的な立ち位置を評価する声が見られます。

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 こうした新旧併売の手法は、その後の「カローラ」シリーズにも受け継がれ、現行モデルと並行して、あえてコンパクトな旧型を「カローラアクシオ/フィールダー」としてラインナップに残すことで、手頃な価格や扱いやすいサイズ感を求める層の期待に応え続けました。

 そして、長らく実用車として親しまれてきたカローラアクシオとフィールダーですが、2025年10月に生産が終了し、13年にわたる歴史に幕を閉じました。

 プリウスEXから始まった「旧型を賢く併売する」というトヨタの合理的な戦略は、ひとつの区切りを迎えています。

【画像】超カッコいい! これが「めちゃ安いプリウス」です!(30枚以上)

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Writer: くるまのニュース編集部

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