国道1号「信号ゼロのフル“高架”」まもなく完成! “大渋滞”の「最後の地上区間」清水立体が26年度に開通へ 静岡市内への「最速快適ルート」上り線で大工事が終了

国土交通省 中部地方整備局 静岡国道事務所は2025年12月2日、国道1号「静清バイパス」で行っている清水立体事業の進捗を報告。令和8年度(2026年度)に開通する見込みとなりました。

事故で工事ストップしていた「未高架化区間」ようやく開通へ

 2025年12月2日、国土交通省 中部地方整備局 静岡国道事務所は国道1号の「静清バイパス」で実施している「清水立体事業」の進捗についてまとめたレポートを公表し、同時に令和8年度(2026年度)に上り線(東京方面)の開通見通しが立ったことを発表しました。

 清水立体事業の完了によって、周辺の交通にどのような効果が期待されているのでしょうか。

渋滞する静岡市の国道1号(画像:国土交通省)。
渋滞する静岡市の国道1号(画像:国土交通省)。

 静清バイパスは、東京〜大阪を結ぶ“東海道”のルートをたどる国道1号のうち、静岡市清水区から同市駿河区にかけて敷設された延長24.2kmのバイパスです。

 市街地の合間を縫って走る国道1号本線の交通を迂回させることで混雑緩和を図り、市内の道路ネットワークの円滑化などを目的に計画されました。

 6車線または4車線の十分な広さがあり、清水IC西から静岡方面は信号のない自動車専用道路となるなど、非常に走りやすい道路であり、東名高速や新東名高速、中部横断道などの高速道路にアクセスが容易というメリットがあります。

 しかし、物流拠点の増加や清水港の取扱貨物量の増加などを受けて、静岡市内の交通量は増大の一途を辿り、各所で渋滞が頻発するようになりました。

 そうした背景があり、より円滑な交通を実現するべく持ち上がったのが、静清バイパス全線を高架化する計画です。

 地上の平面道路と高架道路の“二刀流”によって、増大した交通量に対応しようという狙いです。

 2006年に、唐瀬IC~千代田上士IC間の4車線化を皮切りに、2008年に鳥坂IC~清水IC西交差点間、2012年に羽鳥IC~唐瀬IC間、2015年に牧ケ谷IC~羽鳥IC間と千代田上士IC~鳥坂IC間、2018年に丸子IC~牧ケ谷IC間で4車線化の工事を終えています。

 そして、最後に残された平面区間が、現在工事中の清水立体事業区間です。東名の清水IC〜清水JCT周辺を高架化する工事で、2016年に着工、2026年春の開通を予定していました。

 しかし、2023年7月に工事現場で橋桁が落下し、8人が死傷する事故が発生。これにより工事は一時中断となりました。その後、国土交通省によって「安全最優先」の方針が掲げられ、工事が再開されました。

 そして2025年11月27日、ついに上り線すべての橋梁上部工の工事が完了。当初の開通予定からやや遅れを取ったものの、なんとか2026年度内に開通する見通しとなりました。

 同省は「引き続き、安全最優先で事業を進めて参りますので、ご理解、ご協力をお願いいたします」とコメントを発表しています。

 清水立体事業が行われている区間は現在、地上を走行する平面区間であるため、多くの信号交差点が存在します。

 現状、静清バイパスを直進したいクルマと、清水駅方面を結ぶ県道54号線や県道75号線などに曲がりたい右折車が高密度に集中してしまい、交通の流れがせき止められるボトルネックとなっています。

 全線高架化によって混雑が解消され、静清バイパスの交通は円滑に流れるようになる見込みです。

 また、静清バイパス周辺は多くの物流センターが拠点を構えている地域でもあり、貨物コンテナを積み下ろしする清水港へのアクセス改善によって、国内外の物流ネットワークに対しても好影響をもたらすと期待されています。

 現在工事が進められているのは上り線のみ。現時点で下り線の整備については未定となっています。

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Writer: 春山優花里

フリーランスの編集記者。WEB媒体を中心に15年以上メディア業界で働くなんでも屋。幼少期に叔父の書斎で見た膨大なミニカーコレクションに圧倒され、クルマやバイクに興味を持つ。漫画やアニメ、ゲームが好き。

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