NEXCOが大激怒「告発も考えます!」 「4年で21回も“不正通行”」した超・悪質事業者を名指しで発表! ルール“完全無視”で「規格外車両」を何度も運行 是正指導を公表

NEXCO西日本および日本高速道路保有・債務返済機構は、高速道路における車両制限令違反者に対する是正指導の内容を公表しました。

一部の悪質事業者で繰り返される「車限違反」 ひどい事業者は「計21回」

 NEXCO西日本および日本高速道路保有・債務返済機構は2025年12月1日、高速道路で、「車両制限令」違反者への是正指導の内容を公表しました。

 ここで社名が挙げられている事業者のなかには、何度も繰り返し車両制限令を違反している悪質なものも存在します。一体どういうことなのでしょうか。

重量物をはこぶ車両のイメージ(画像:写真AC/イメージです。今回の事案とは無関係です)
重量物をはこぶ車両のイメージ(画像:写真AC/イメージです。今回の事案とは無関係です)

「車両制限令」とは、道路法第47条に基づき、1962年(昭和37年)2月に施行された政令です。

 道路の構造を保全し、交通の危険を防止するため、道路を通行する車両の大きさや重さなどの最高限度(一般的制限値)を定めています。

 一般的制限値は、車両の大きさとして長さ12m×幅2.5m×高さ3.8m(高さ指定道路は4.1m)まで、車両の重さとして総重量20t(高速自動車国道または指定道路は25t)、軸重10tまでと定めています。

 長さや幅、高さの制限値を超えると、そもそも道路が許容するサイズを超えているので、カーブなどで周囲のクルマや道路設備にぶつけたり、料金所のゲートや道路の上部に設置されている看板、信号などの設備を破壊するおそれがあります。

 また重量オーバーは、物理的にブレーキが効きづらくなるほか、バランスを崩しやすく横転や転覆など重大事故のリスクが高まり、事故に至れば積荷が散乱し、道路ネットワークの寸断を招きます。

 そこまでならなくても、道路の舗装や構造物をじわじわと傷めつけ、やがて車線規制や通行止めなどを伴う補修工事を強いられます。近年は道路の建設から月日が経ち、すでに劣化していることがあり、重量オーバー車はさらに追い打ちをかけることになります。

 そのため、基本的には一般的制限値を超えるクルマは通行してはいけません。

 ただし、大型資材・貨物の輸送で数十トン積みのトレーラーを通行させるときや、建設現場で使用するオールテレーンクレームなどを運行するときはどうしても一般的制限値をオーバーします。

 この場合は、「特殊車両(特車)」の扱いとして、運行経路や道路管理者からの許可、車検証や車両の詳細を記した説明書などの書類を集め、「特殊車両通行許可(特車通行許可)」を受ければ、「特例」で通行することができます。

 走行時、条件によってはグリーンの誘導灯を取り付けた誘導車を伴走させ、必要以上に道路に負荷をかけていないか、周囲の交通や道路設備などに危険を与えていないかをチェックする必要があります。

 なお、この特車通行許可申請はオンライン上で行え、比較的容易な手続きができるようになりましたが、未だに重量・サイズオーバー車による無許可走行はなくなっていません。

 そうしたなか、NEXCO各社や各道路管理者は、車両制限令の違反車両に対する取り締まりを強化しています。

 組織には「車両制限令等違反車両取締隊」を配置し、サイズや重量オーバー疑い車両を見つけては停車させてチェックし、もし違反していれば、その場で「措置命令書」を交付しています。

 措置命令書は、即座に安全な場所に移動させて停車し、積荷を減らして軽くさせたりするほか、危険な場合は「今すぐ高速を降り、許可を下すまで停車しなさい」という通行の中止を命じることもあります。

 さて、NEXCO西日本では、日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)のサイト上で、何度も違反を繰り返す事業者の名称を公表しています。

 2025年12月1日時点の最新のものでは、20の“悪質事業者”を公表。

 なかでも埼玉県秩父市の事業者Kでは、2022年に6件、2023年に7件(しかもそのうち2件は同じ日)、2024年に4件、2025年に4件と、4年間で計21件もの度重なる是正指導を受けています。

 違反の内容としては、「特車通行許可の許可証を持っていない(許可証及び回答書無し)」、「許可証のルートとは違う道を通った(通行経路違反)」、「車両制限令を異常にオーバーする状態で運行した(重大な諸元違反)」、さらには「許可証の有効期限が切れていた(有効期限切れ)」とさまざまです。

 この事業者Kに対しては、「再び違反行為が行われることのないよう改善措置を講じること」と「その具体的内容を報告すること」が課せられています。

 また、千葉県市川市の事業者Yも、2020年から2024年にかけて12件の是正指導を受けています。やはり許可証を持っていなかったり、有効期限切れ、通行経路違反などを犯していました。

 同様に、愛知県半田市の事業者Aや千葉県長生郡の事業者Sは直近で8件の是正指導、千葉市の事業者Oと千葉県茂原市の事業者Sも6件の是正指導を受けており、これらの事業者は「車両制限令をまったく守る気がない」といった悪質ぶりがうかがえます。

 NEXCOは「引き続き高速道路機構および各高速道路会社と連携し、高速道路における道路法(車両制限令)違反者に対する指導取締りを実施するとともに、悪質な違反者に対しては告発等も視野に入れた関係機関への情報提供をおこなってまいります」と、断固として許さない考えです。

【画像】「えっ…」 これが「4年間で21回も不正通行」した事業者の内容です!(29枚)

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: くるまのニュース編集部

【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

トヨタ プリウス月1.3万円台〜(外部サイト)

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー