“無施錠・エンジンかけっぱなし”の「パトカー」盗まれた!? 逮捕された男「乗り心地が良さそうだと思って」 “車両の管理体制”に賛否両論
三重県鈴鹿市においてパトカーを盗んだ44歳の男が逮捕されました。盗まれたパトカーは無施錠でエンジンがかかっていたということで、管理体制を問う声やそれに反論する意見などが上がっています。
ネット上では「警察官にも問題がある」「エンジンかけっぱなしが必要な場合もあると思う」などの声
2025年12月2日の午後0時40分頃、三重県鈴鹿市にある商業施設の駐車場において、事故処理に当たっていたパトカー(ワンボックスタイプの事故捜査車両)が盗まれる事案が発生しました。
これは近くで事故対応に当たっていた警察官が、駐車場に停まっていたパトカーに何者かが乗り込み運転して出て行くのを発見し、現場にいた別のパトカー2台が追跡したものです。

カーチェイスの末、盗まれたパトカーは現場から約1km離れた国道交差点の赤信号で停止したため、警察官がパトカーに乗っていた伊賀市在住の無職の男(44歳)を窃盗の疑いで現行犯逮捕しました。
逮捕された男の呼気からは基準値を超えるアルコールが検出され、男は「乗り心地が良さそうだと思って盗んだ。自宅に帰ろうとした」などと話し、容疑を認めているということです。
なお盗まれたパトカーは当時、無施錠でエンジンをかけたままの状態で駐車されており、三重県警鈴鹿警察署は「盗難防止対策に努めたい」としています。
このニュースに対しては「犯人も悪いが、無施錠でエンジンをかけたままクルマから離れた警察官にも問題がある」「エンジンつけっぱなしの理由はあると思うが鍵はかけようよ」など、警察による車両の管理体制を問う声が上がっています。
その一方で、「事故現場でエンジン止めて施錠しろと言われても、実際難しいでしょうね。ハザードつけて、赤色灯も回しとかなきゃ危ないし」「パトカーって交番に停めてあるものでもエンジンかけっぱなしのものが多いと感じますが、直ぐに出るためとかそれが普通だと思っていました」など事案への対応上、仕方ないとする声も聞かれます。
加えて、「事故処理車は車道へ駐停車する必要がある場合、赤色灯をつけて、車両によっては『事故処理中』の電光掲示板を点灯する。現場によっては数十分以上要する事もあるので、バッテリーが上がらないようにするためエンジンかけっぱなしが必要な場合もあると思う」という意見もみられました。
ただし今回の事案の現場は駐車場であり、二次的な事故が発生する危険性は低いことから、エンジンを切り施錠をしておいた方が適切だったと考えられます。
また今年10月にはパトカーではないものの、東京都町田市の集合住宅において、無施錠でエンジンキーがささったままの救急車が盗まれる事案も発生しています。
この事案は119番通報を受けて救急隊員が活動している間に50代の男が救急車を盗んだもので、事故から約30分後、現場から約6km離れた八王子市内の路上で救急車が発見されました。
東京消防庁の内規では、救急車から離れる際はエンジンキーを抜いてドアをロックすることが定められていますが、活動に当たった隊員らは「施錠を忘れていた」と話しています。
幸い、この事案では救急搬送が必要ではなかったため傷病者に影響はありませんでしたが、このように人命にかかわる車両の盗難に対しては「窃盗ではなく殺人未遂のような、より重い罰則を科すべき」との意見が寄せられました。
加えて、「隊員がスムーズに活動できるような車両のシステムを開発してほしい」「隊員の方が各々ワンタッチで操作できるインテリジェントキーを持ってほしい」などの要望も上がっています。
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パトカーや救急車など緊急事案に対応する車両の中には、現場での車両管理が必ずしも適切とは言えないケースもみられます。
とはいえ、盗難防止対策に関しては職員による鍵の管理だけでなく、職員が活動しやすい仕様の車両・装置の導入も求められているといえるでしょう。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。
























































