ホンダの新型軽ワゴン「N-ONE e：」の純正パーツとして、ホンダと三菱ケミカルが共同開発した「ドアバイザー」が、2025年9月12日に発表されました。

　このドアバイザーは“世界初”というユニークな特徴を持っていることから、その技術革新に多くの関心が寄せられています。

　新型N-ONE e：に設定されたこのドアバイザーは、その素材にアクリル樹脂リサイクル材を用いていることが特徴で、自動車用品業界において、リサイクル材をドアバイザーに採用することは今回が世界初の試みとなります。

　アクリル樹脂は、熱分解によって原料に戻すことができるケミカルリサイクルに適した素材として知られています。

　しかし、使用済み自動車から回収されたアクリル樹脂は品質が安定しにくく、これまで製品への再利用は技術的に困難とされてきました。

　この壁を突破するため、三菱ケミカルはホンダおよび北海道自動車処理協同組合と連携し、実証実験を実施。

　異物混入を防ぐ回収方法と、新品と同等の品質を持つ再生技術を確立することで、ついに世界初のアクリル樹脂リサイクル材製ドアバイザーの商品化を実現したのです。

　この技術により、製造時や廃棄時に発生するCO2排出量の削減と資源の循環が可能となり、環境負荷の低減に大きく貢献するとのこと。

　その発表はSNSなどでも大きな話題となり、「日本が世界初とは誇らしい！」「素晴らしい取り組みですね～」といった称賛の声が多く挙がっています。

　一方で、「凄いのは分かるけどユーザー目線ではメリットが見えにくいな…」「エコと並行して価格も安くしてくれないと素直に喜べない」という、実利を求めるシビアな意見も見られます。

　しかし、メーカーが環境問題に対して真剣に取り組む姿勢自体を評価する声がなによりも多く、持続可能な社会の実現に向けた一歩として、多くの人々がその意義を認めているようです。

　さらに、この技術への期待はドアバイザーにとどまらず、「次は古くなっても黄色く曇らないヘッドライトを発明してほしいな」といった、他の樹脂パーツへの技術応用を望む声も上がっており、ユーザーが日常的に抱える課題に対する解決策としても、同社の技術力に熱い視線が注がれています。

　今回の世界初となるリサイクル材ドアバイザーの採用は、単なるパーツの変更ではなく、自動車産業における資源循環の新たな可能性を示す重要なマイルストーンとなるでしょう。