世界初公開のダイハツ「“軽オープン”スポーツカー」がスゴい! ちいさいけど「ちゃんと“FR”です」! 新型「コペン」示唆するJMS2025出展の「“K-OPEN”コンセプト」に「期待大」!
「ジャパンモビリティショー2025」でダイハツが公開した軽スポーツコンセプト「K-OPEN」。コペンの「走る楽しさ」を受け継ぎつつ後輪駆動(FR)を採用。小さなボディに本格スポーツの魂を宿した、注目の一台です。
みんな待ってた!「小さなFR」がついに登場
軽オープンの世界に、新たな風が吹きました。ダイハツが発表した「K-OPEN」。次世代コペンを示唆するモデルですが、軽乗用車として異例の後輪駆動(FR)を採用したのです。

1907年の創業以来、「小さなクルマづくり」を得意としてきたダイハツ。人々の暮らしに寄り添いながら、ワクワク感や親しみやすさ、高い利便性を兼ね備えたコンパクトカーを、お手頃な価格で提供し続けてきました。
今回の「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」でも、「わたしにぴったり」「暮らしがおもろくなりそう」という想いを込めたキーワード「ダイハツメイ」のもと、多彩な小型車を披露。その中でも注目を集めたのが、軽スポーツのコンセプトカーのK-OPENです。
コペンは、2002年に初代モデルが登場。この初代モデルは、軽自動車として世界初となる電動開閉式ルーフ「アクティブトップ」を採用し、話題となりました。
続く2代目は2014年に登場し、2025年の現在も販売が続いています。今回のK-OPENは、そのコペンの系譜を受け継ぐ「次世代モデル」を示唆するコンセプトカーです。
その最大の特徴は“後輪駆動(FR)”であること。
歴代コペンはいずれも前輪駆動(FF)でしたが、K-OPENでは「オープンエアの爽快感をより身近に、そしてFRならではのダイナミックな走りを気軽に楽しんでほしい」とし、スポーツカー好き待望のFRがついに採用されたのです。
もちろんエクステリアも、エンジンフードに熱を逃がすためのエアアウトレットが備わるなど、スポーツカーらしいディテールが光っており、デザイン面では、丸みを帯びたヘッドライトやテールランプ、低く構えたスタンスなど、初代コペンを思わせるタイムレスなデザインを継承。一方で、意志を感じさせるアイラインが新世代らしい個性も演出しています。
ちなみにボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1230mm、ホイールベース2265mmの2人乗りで、軽規格の大きさに収まっているのはいうまでもありません。
インテリアは、余計な装飾を排したスパルタンな仕立てが印象的です。
コンパクトなデジタルメーターやホールド性の高いスポーツシート、ステアリングセンターを示すレッドマーク入りの小径ステアリングホイール、球形のマニュアルシフトノブ、手引き式サイドブレーキなど、「走り」を意識したディテールが並びます。さらにドアの開閉は、内側から赤いベルトを引くレーシングカーのような構造となっているように見え、開発陣の本気度が伝わってきます。
「走る楽しさ」を軽規格の中で極限まで追求したこのK-OPEN。もしこのまま量産化が実現すれば、多くのクルマファンが待ち望んだ一台になることでしょう。
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JMS2025では、このK-OPENのすぐ隣に、現行コペンをベースとした後輪駆動のテストカーが展示されていました。
横置きだったエンジンを縦置きに変更し、トランスミッションも一新。プロペラシャフトをリアまで通し、リアデフを新たにレイアウトするという大規模な改良を実施。それでも、「軽自動車ならではの軽さ」や「低重心設計」「50:50の前後重量配分」といったスポーツカーの理想的バランスを実現しているようです。
ホンダのS660が生産終了となったいま、国内で2ドア軽スポーツを支えているのは、このコペンだけです。
もしK-OPENがこのまま量産化されれば、多くのファンが歓喜することでしょう。
軽量なボディ、適度なエンジンパワー、開放的なオープンエア、そして手の届きやすい価格。これらの魅力を兼ね備えた、“次期コペン”の誕生に大きな期待が集まります。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど




































































