トヨタ新型「コンパクトカー」に注目! “内外装デザイン”大刷新&「センチュリーSUV」譲りの技術も搭載! 制御の見直しで「上質・スムーズ」に…試乗して分かった「アクア」の“深化”とは?
2011年に「ハイブリッドを身近に」のコンセプトで登場したトヨタ「アクア」。今回の改良モデルは、トヨタ最新の「ハンマーヘッド」フェイスで見た目を刷新。電動パーキングブレーキや「スムースストップブレーキ」を採用し、パワートレインとフットワークも徹底的に“深化”させました。その真価を、自動車研究家の山本シンヤ氏が試乗しました。
コンセプトが明確になった新型「アクア」
2011年に「ハイブリッドを身近に」というコンセプトで登場したトヨタ「アクア」は、5ナンバーサイズのコンパクトな車体にプリウス譲りのハイブリッドシステムを搭載。
手頃な価格設定も手伝い、年間販売台数で何度もトップを記録した実績があります。
2代目モデルは、ハイブリッド車が一般的になった2021年、コロナ禍の真っただ中に登場しました。同じコンパクトカークラスの「ヤリス」にもハイブリッドが設定されたため、アクアの存在意義が問われましたが、開発陣は「上質」「先進感」「スムーズさ」をテーマにTNGAを最大限に活用して刷新。
要するに、普及価格帯は「ヤリス」に任せ、アクアは少しだけ上級路線へとシフトしたのです。
しかし、外見上の変化が乏しかったことや、コロナ禍で十分なPRができなかったこともあり、その意図はユーザーに十分には伝わりませんでした。
そこで、2代目で掲げたコンセプトをより明確にするため、大幅に手が加えられたのが、今回ご紹介する改良モデルなのです。

今回最大の変更点はエクステリアです。従来モデルは初代のイメージを継承しつつ“いいモノ感”が加えられていましたが、市場の反応は「キープコンセプト(基本路線の維持)に過ぎる」「ヤリスと比べて個性が足りない」というものでした。
そこで新型では、フロントマスクをトヨタ最新のファミリーフェイスである「ハンマーヘッド」に変更し、一見すると「ミニプリウス」と思わせる顔つきになりました。
そもそもアクアはプリウスの弟分(北米ではプリウスCと呼ばれていた)として登場した経緯があるため、ある意味“原点回帰”と言えるかもしれません。
フルモデルチェンジとは異なり制約がある中での大胆な変更ですが、デザイナーの努力によって元のデザインに上手く溶け込んでいます。これにより、全長は30mm延長されました。
それ以外の変更はわずかですが、フロントとのバランスを整えるためにバックドアガーニッシュ(ピアノブラック塗装)の追加や、ブラック塗装のルーフアンテナ、さらにダーククリア切削光輝&ブラック塗装の16インチアルミホイール(Zグレードにオプション設定)などにより、質感を高めています。
ボディカラーには新色もいくつか加わっていますが、どちらかというとシックな色が多くなっています。
さらに細かな部分ですが、ドアミラーの形状変更によりミラーtoミラー(車幅)が30mm縮小され、取り回し性もさらに向上しています。

インテリアはエクステリアほどの変化はありませんが、メーターデザインの変更、大型マルチインフォメーションディスプレイ(10.5/8インチ)の追加、HDMI入力端子の標準装備などに加え、加飾の変更によりシンプルモダンな印象になりました。
特に注目すべきは、足踏み式から電子式パーキングブレーキ(EPB)への変更です。
これは従来モデルのユーザーからも待望されていた機能の一つで、操作性向上に加え、ブレーキホールド機能の追加や運転支援機能の充実も図られています。
走りの変更については公式リリースに記載がありませんが、実際に運転してみると「あれっ、何か違うぞ」と間違いなく感じられるものでした。
もう少し具体的に説明しましょう。












































































