1.5リッターエンジン搭載で「370馬力超え」! 斬新「“2人乗り”4WDスポーツカー」がスゴイ! 開放感ある“オープンボディ”&広い収納も魅力! わずか2年のみ販売されたBMW「i8ロードスター」って?
流麗なフォルムと開放感あふれるオープンスポーツカーが2018年に登場しました。その心臓部にはコンパクトカー並みの小型エンジンと電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを搭載。わずか2年で生産終了となったBMW「i8ロードスター」とは一体どのようなモデルなのでしょうか。
開放感あふれる革新のオープンスポーツ
先進的なフォルムとスーパーカーを思わせる迫力を兼ね備え、多くの視線を集めたオープンスポーツカーが、2018年に登場しました。
見た目からは大排気量エンジンを搭載しているかのように思われますが、実際にはコンパクトカー並みの小型エンジンと電気モーターを組み合わせ、環境性能と卓越した走行性能を両立させた革新的な一台です。
加えて、このモデルはメーカーの電動化の歩みを象徴するモデルでもありました。一体どのようなクルマなのでしょうか。

そのモデルこそ、BMW「i8ロードスター」です。
BMWが電動化の歴史を本格的に歩み始めたのは2010年のこと。独自開発の電気駆動システム「BMW eDriveテクノロジー」を搭載した「BMW i」シリーズを次々と投入し、その技術は現在、第5世代へと進化を遂げています。
そんな中で登場したのが、「サステナブルでありながらドライビングプレジャーを失わないクラシックカー」を掲げて開発された革新的モデル「i8」です。
そして2018年、そのi8にオープンモデルとして追加されたのがi8ロードスターでした。
i8の原点は、2009年のフランクフルト国際モーターショーで発表された「BMW Vision Efficient Dynamics コンセプトカー」にあります。
前輪を駆動する電気モーターと、後輪を駆動する直列3気筒BMWツインパワー・ターボ・エンジンを組み合わせた4輪駆動プラグインハイブリッドという、当時としては非常に先進的な構成を採用していました。
2014年にはクーペモデルとして市販化され、システム最高出力362PSを誇るハイパフォーマンススポーツとして注目を集めました。
そして2018年、i8ロードスターが追加され、開放感あふれる走りを楽しめる究極のモデルとして誕生します。
i8ロードスターでは、リチウムイオンバッテリーの容量を従来より13Ah増やした33Ahとし、モーターのみのEV走行でも50kmを超える航続距離を実現しました。
ガソリンエンジンは最高出力231PS、最大トルク320Nmを発揮し、電気モーターは143PS・250Nmへと進化。
システム総出力は374PSに達し、大排気量スポーツカーに匹敵する加速性能を見せます。
しかし、i8ロードスターの魅力は単なる数値性能だけではありません。
電動開閉式ソフトトップを開け放ち、風を感じながら走るその体験こそが、最大の特長です。
新開発のソフトトップは時速50km/h以下での開閉が可能で、突然の雨でも約15秒で閉じることができます。
さらに、屋根の収納スペース下には約100リットルの収納エリアを確保し、オープンカーとしては異例の実用性も備えています。
ボディサイズは全長4690mm×全幅1940mm×全高1290mm、ホイールベース2800mm。空力を徹底的に追求したフォルムは、美しさと機能性を両立させています。
シャシにはアルミ製のドライブモジュール、ボディの基本骨格には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製のライフモジュールを採用。
軽量かつ高剛性なボディにより、BMW伝統の50:50の理想的な重量配分を実現し、高い運動性能と安全性を両立しています。
なお、当時の新車価格(消費税込み)は2231万円。小排気量エンジンと電気モーターの組み合わせでパワーと環境性能、洗練されたデザインを融合させたi8ロードスターは、まさに電動化時代における“革新の象徴”と言える存在です。
2019年には全世界で200台限定の「アルティメット・ソフィスト・エディション」が登場し、2020年にはクーペ・ロードスターともに生産終了と、短い生涯を駆け抜けながらも、今なお一部ファンの心を魅了し続けています。
Writer: 青木一真
埼玉県生まれ。宅配ドライバーを経験した後に、車中泊関連の記事執筆を開始。現在はフリーライターとして、車メディアに従事している。自動車は輸入車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車の所有を経験。月間3000kmほどを走行している。





























