トヨタの「“2人乗り”スポーツカー」! まさかの「MTのようなAT」搭載!? 「タテ目」&オープントップも採用の「GR HV スポーツ」とは
2017年10月の第45回「東京モーターショー2017」で、トヨタが世界初公開した「GR HVスポーツコンセプト」。スポーツカーの技術を継承し、環境性能と走る楽しさを両立させた同車は、どのような特徴を持つモデルだったのでしょうか。
「環境性能」と「走る楽しさ」を両立
モーターショーなどの自動車イベントでは、世界各国の自動車メーカーが、次世代の技術やデザインを体現したコンセプトカーを発表しています。
2017年10月25日から11月5日まで東京ビッグサイトで開催された第45回「東京モーターショー2017」。トヨタは「世界を、ここから動かそう。BEYOND THE MOTOR」をテーマに、新たなクルマの楽しさを提案するコンセプトカー「GR HVスポーツコンセプト」を初披露しました。

全長4395mm×全幅1805mm×全高1280mmというコンパクトなボディサイズながら、2人乗りのFR(後輪駆動)レイアウトを採用。
エクステリアデザインは、「TS050 HYBRID」を想起させるLEDヘッドランプやアルミホイール、リヤディフューザーを採用。ボディカラーには力強さと迫力を感じさせるマットブラックを纏い、モータースポーツの血統を感じさせる仕上がりとなっています。
更に、トヨタの伝統的なスポーツカー「トヨタスポーツ800」(通称・ヨタハチ)や「スープラ」にも設定された脱着式のオープントップ「エアロトップ」を採用。オープンエアの爽快感も味わえる2WAYボディを実現しました。
インテリアは、センタークラスターにオートマチックのギアポジションスイッチを配置し、レーシーな雰囲気を演出。遊び心のある仕掛けとして、プッシュ式のスタートスイッチを開閉式のシフトノブ内に設置しています。
GR HVスポーツコンセプトの特徴は、TOYOTA GAZOO Racingが世界耐久選手権(WEC)で使用する「TS050 HYBRID」のレーシングテクノロジーを市販車向けに最適化したこと。レースで培ったハイブリッド技術「THS-R(TOYOTA Hybrid System-Racing)」を搭載し、環境性能と走りの楽しさを高い次元で実現しました。また、ハイブリッドバッテリーを車両中央付近に搭載することで、重量バランスを最適化しています。
操作系では、ボタン一つでマニュアルモードへの切り替えが可能なHパターンシフトを採用。オートマチック車でありながら、6速マニュアル車のような操作感を実現し、ドライバーの意のままに操る楽しさを体験できます。
GR HVスポーツコンセプトは、環境技術とスポーツカーの魅力を高次元で融合させました。更に、マニュアル感覚の操作性やオープンエアの開放感など、多彩な楽しみ方を提案したモデルとなりました。
環境性能と運転の楽しさを両立させる新しいスポーツカーの方向性を示したGR HVスポーツコンセプト。環境規制が厳しくなる中で、トヨタの未来のスポーツカーに対する取り組みは、今後の自動車業界において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。
Writer: 青木一真
埼玉県生まれ。宅配ドライバーを経験した後に、車中泊関連の記事執筆を開始。現在はフリーライターとして、車メディアに従事している。自動車は輸入車、スポーツカー、SUV、ミニバン、軽自動車の所有を経験。月間3000kmほどを走行している。























