トヨタ「進化型の“さらに進化型”GRヤリス」登場! 「25式」は何が変わった? 新仕様「エアロパフォーマンスPKG」も設定! 「たった1年」で大進化の最新モデルを試乗!
コーナーもアクセル全開でいける「エアロパフォーマンスパッケージ」
続いて、エアロパフォーマンスパッケージに乗ります。スーパー耐久シリーズや全日本ラリーでの課題をフィードバックしたリアル機能パーツで、空力性能だけでなく冷却性能も向上させていると言います。
具体的にはダクト付きアルミフード(冷却効果アップ)、フロントリップスポイラー(フロントのリフト低減)、フェンダーダクト(ノーズダイブ時のステアリングフィール)、燃料タンクアンダーカバー(空力性能アップやコーナー入り口での操縦安定性向上)、可変式リアウイング(高速域での操縦安定性向上とブレーキング時のスネーキング現象を抑制)、リアバンパーダクト(パラシュート効果抑制)の6点セットで構成されています。

実際に乗ると、「空力で走りがここまで変わるんだ」と実感。
特に中・高速コーナーの落ち着きと安定感は絶品レベル。袖ヶ浦で言えば、エアロ無しかつ筆者レベルだとビビッてアクセルを少し戻してしまう2コーナーですが、エアロパフォーマンスパッケージは躊躇せずにアクセル全開で行けます。
更に5-6-7コーナーは前後バランスの良さや路面に吸い付くフィーリングがあり、クルマをより信頼できるので、より高いスピードで進入が可能でした。
エアロなしだとこのコーナーはDATのDレンジ完全自動変速制御は「4→3速に落ちてほしい」と思いますが、エアロパフォーマンスパッケージ付は4速のままでOK。つまり、それくらいコーナーリングスピードが違います。
ちなみにどちらのシーンもダウンフォースで押さえつけられている…というよりも、前後のリフトバランスが整えられたい印象のほうが強いかなと感じます。
その結果、4つのタイヤの能力を使い切れる接地荷重が生まれ、外乱に強くヨー(クルマを回転させる動き)の発生を最小化することにより、GRヤリスのアジャイルでキビキビした走りを損なうことなく、安定した走りを可能にしたのでしょう。
個人的にはホンダアクセス・モデューロの実効空力理論のエアロパーツ車に乗った時の印象と良く似ている気がしました。
筆者の愛車(24式)は現在GRパーツのエアロに「GRMN」のボンネット&リアウイングが装着済みですが、エアロパフォーマンスパッケージを装着すべきかどうかは非常に悩んでおります。機能を選ぶか、カッコ良さを選ぶか…。
ただ、ここまでエアロで安定するならば、サスペンションはもう少し攻めたセットでも良いのかなと思う所も。逆を言えば1スペックではなく走るステージやユーザーの好みに合わせたパーソナライズが求められるフェーズに来ているのかもしれません。
そろそろ結論に行きましょう。24式のユーザーとしては「1年でこんなに伸びるの?」と複雑な思いがないと言えば嘘になりますが、自動車ジャーナリズム的にはその進化度合いと進化の方向性は、ワインが熟成して味わい深くなっていくような感覚に近いと感じました。
ちなみに山田氏は「24式のユーザー(約4000~5000台)にも何らかの手段でアップデートをできるようにしたい」と語っていますので、そちらも期待です。
Writer: 山本シンヤ
自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。















































