国産よりも日本サイズ? ドイツ製小型EVをヤマト便テストか 宅配業界にもEVの波!?

ベースは3代目フォルクスワーゲン「キャディ」

「Work L BOX」を紹介するスマートスクーター社の公式動画では、開発担当者が以下のように語っています。

ドイツ・DHLの子会社ストリートスクーター社製の小型EV「Work L BOX」の荷台にヤマト便の「クール宅急便」。ヤマト運輸と国内テストか?(写真:加藤博人)

「ベースはDHLでかつて使われていた3代目フォルクスワーゲン『キャディ』のシャシー(右ハンドル英国仕様)を流用しています。信頼性が高く、堅牢なボディは高い耐久性を誇り、また狭い道路にもマッチする構造です。

 また、大変シンプルな構造なので整備費やメンテナンス費用が掛からないことも特徴です。モーターやインバーターは外部調達して組み立てていますが、小型荷物を宅配することを想定して、運送会社それぞれのニーズに合ったクルマをゼロから作る体制が整っています。

 最高速度は85km/h、航続距離はハイパワー版(40kWh)で236kmと、市街地での小口輸送には十分でしょう。貨物室も無駄がなく、隅々にピッタリ荷物を積める設計になっています」(ストリートスクーター社開発担当者)

 では実際にこの車は日本で販売されることになるのでしょうか? ストリートスクーター本社にメールで問い合わせてみたところ、「現在、StreetScooterはまだ日本市場でご利用いただくことができません。正式導入が決まっていないため、メーカーとしてはまだ公式な情報を提供することができません。今後、新しいことが決まって発表できる段階になればお知らせいたします」という回答を頂きました。

 メーカーの回答からもこちらの3台はおそらく都市部での実地検証用として試験的に導入されるのだと思われますが、これから首都圏は高温多湿の灼熱シーズンを迎えます。「Work L BOX」が開発されたドイツ・アーヘンは年間平均気温9.8℃とかなり涼しい気候で7-8月でも20℃を超えることはほとんどありません。対する東京の7-8月は連日30度超になるケースも珍しくなく、降水量もアーヘンの2倍以上です。

 小型の純EVにとってはかなり苛酷な環境になりそうですが、東京の暑い夏を乗り切って無事、ヤマト運輸で本格採用となるのでしょうか?

【了】

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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