全長5.2m超え! 最新「超・豪華ミニバンM8」に注目! もはや「アルファード超え」な「巨大グリル顔」×至れり尽くせりな装備を採用! 中国GACがベトナムで販売中のモデルとは

アジアを中心に絶大な支持を誇るミニバン市場ですが、新興メーカーも続々と新型モデルを投入しています。なかでも中国GACが販売する高級ミニバン「M8」を紹介します。

アルファードよりも大きく、安い

 今では国産高級車の代名詞のひとつとなった大人気のモデルといえば、高級ミニバンのトヨタ「アルファード」を思い浮かべる人も少なくないはず。その勢いは、今や海を越えたアジアでも大きな影響を与えていて、絶賛大ウケ中です。
 
 なんと正規輸入だけでなく、日本から中古のアルファードがガンガン輸入されているほど。そうなれば海外メーカーも黙っていません。
 
 近年は、“打倒アルファード”に燃える高級ミニバンが登場しています。今回は、筆者(大音安弘)がベトナム取材で現車をチェックした中国製高級ミニバン「GAC M8」を紹介します。

 まず開発製造を手掛けるGACモーターは、広州汽車集団(GACグループ)が2008年に設立した自動車メーカーのひとつ。グループ内には、EVブランド「AION」もあります。

 ベトナムには2024年8月に参入したばかりで、ミニバンとSUVを合わせて3車種を展開。いずれもピュア(純粋な)エンジン車となります。

 走行距離こそ15万kmまでという制限があるものの、7年間の新車保証と定期メンテナンスのパッケージに加え、24時間365日対応の無料ロードサービスも付帯し、安心して使える高級車であることをアピールしています。

 そしてベトナムでのフラッグシックモデルとなるのが、この「M8」なのです。

中国GACが販売拡大を目指す「M8」
中国GACが販売拡大を目指す「M8」

 エクステリアは、一目で高級ミニバンと感じらせるゴージャスなもの。アルファードのように押し出し感のある巨大なフロントグリルに、388個ものLEDライトを使った大型ヘッドライトを備えています。

 そのスタイルは、日本の高級ミニバンをよく研究したと見え、シンプルな造形ながら、海外モデルに多い商用車のワゴン仕様ではなく、重厚さのある高級車に仕上げています。

 アルファードほど凝った造形ではありませんが、その分ガラス面積を最大化し、視界の良さを重視したデザインとなっています。そして足元には、18インチの大径アルミホイールを装着。タイヤはミシュランのプレミアムタイヤ「プライマシー4」です。

 ボディサイズは、全長5212mm×全幅1940mm×全高1823mm。さらにホイールベースが3070mmと巨大。

 最新のアルファード(ガソリン車)のサイズが、全長4995mm×全幅1850mm×全高1935mm、ホイールベースが3000mmなので、一回り以上大きいことになります。

 インテリアでは、高級感と先進性を意識したデザインに。運転席周りのデジタル表示は、12.3インチのデジタルメーターパネルに存在感抜群の14.6インチのタッチスクリーンを装備。

 ステアリングとシフトレバーの回りなどは運転に必要なボタン以外をできる限り削除し、エアコンを含め、設定などの操作はタッチスクリーン上に集約。シフトノブには、クリスタル風の飾りも装着されています。

 後席エリアには、キャプテンシートとなる2列目とベンチシートとなる3列を備えています。おもてなし席となるキャプテンシートは、フル電動式となっており、中央側のアームレストに、静電スイッチの操作パネルを備えています。

 シートはワンタッチのフルリクライニング機能を始め、ベンチレーション、ヒーター、マッサージ機能と至れり尽くせり。

 2列目シートの頭上には大型のムーンルーフがあり、採光に優れるだけでなく、ガラスにもアンビエント機能があり、ガラス上にデザインが浮かび上がる凝りよう。3列目もワイドボディなので、窮屈ではなそう。

 さらに3列目シートを使用した状態でも、ラゲッジスペースには4つのゴルフバックを納めることができます。

 パワーユニットは、経済的な2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンを搭載。最高出力248HP・最大トルク400Nmを発揮します。トランスミッションは8速ATで、なんと日本のアイシン製だそう。

 先進安全運転支援機能は「レベル2」相当で、オートパーキングアシスト機能まで備えています。ただ駆動方式は、前輪駆動のみの設定です。

 グレード構成は、エントリーとなる「2.0T GXマスター」と最上級グレードの撮影車「2.0T GTマスター」の2種類。

 価格は前者が17億9900万ドンで、後者が21億9900万ドン。現在(2026年3月上旬)のレートだと、約1083万円と約1323万円という高価なもの。

 それでいてボディカラーは、白と黒のみに限定。おそらくフォーマルなシーンを想定した設定なのでしょうが、選ぶ楽しさは薄く思えてしまいます。

 さて、これを迎え撃つアルファードですが、ハイブリッド4WDとなるものの、その価格は、45億1000万ドンとなり、約2714万円と2倍以上の価格差が…。街中では、政府関係者のナンバーを付けたアルファードが多かったのも納得です。

 いっぽうGAC M8は、ベトナムの富裕層にとってはアルファードと比べるとお手頃と感じてもらえる戦略的な価格設定なのでしょう。

 ただベトナムの街中でも、高級車といえば日本車かドイツ車が多く見られるのが現状ですから、新規参入の中国メーカーの高級車GACにとっては、市場に認知されるための地道な努力が求められる時期といえそうです。

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Writer: 大音安弘(自動車ライター)

1980年生まれ。埼玉県出身。クルマ好きが高じて、エンジニアから自動車雑誌編集者へ。その後、フリーランスになり、現在は自動車雑誌やウェブを中心に活動中。主な活動媒体に『ナビカーズ』『オートカーデジタル』『オープナーズ』『日経トレンディネット』など。歴代の愛車は全てMT車という大のMT好き。

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