スズキ「快適軽ワゴン」が“偉業”達成! 31年で「1000万台以上」も売った「ワゴンR」は何がスゴい? 今では「ママさんに大人気」な“元祖・軽ハイトワゴン” 支持される理由とは
世界累計1000万台を販売したスズキ「ワゴンR」。日本でもヒットを記録したモデルですが、どのようなモデルが人気で、どんな人が購入しているのでしょうか。
日本が誇る偉大なクルマ「ワゴンR」
2025年8月4日、スズキは軽ハイトワゴン「ワゴンR」の世界累計販売台数が1000万台を達成したと発表がありました。
軽自動車に革命を起こしたモデルいえるワゴンR。
日本における最近の売れ筋のモデルについて、ディーラーに問い合わせてみました。

今から32年前の1993年9月、スズキから1台のユニークな形をした軽自動車が発売されました。それが初代ワゴンRです。
初代ワゴンRは1993年9月に発売されたのですが、実は1987年にはすでにプロトタイプが完成しており、市販化する時期を探っていたのです。
当初「ZIP」という名前でデビューする予定でしたが、「セダンはあるけどワゴンもあーる=ワゴンR」の語呂の響きがよく、車名は「ワゴンR」となったのです。
発売当時は「クルマより楽しいクルマ」というフレーズでデビューし、Rには「Revolutionary=画期的」と「Relaxation=くつろぎ」の意味が込められています。
デビュー当時の月販販売台数は4000台ほどを想定していましたが、「低い車高で狭い」「安いが乗り心地が劣る」という、それまでの軽自動車の概念を覆したことで発売直後から予想を上回る人気モデルとなり、1994年には軽自動車で初となる「RJC カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するまでに至りました。
これがきっかけで、軽自動車なのに車内が広い「トールワゴン」の市場が開拓。ダイハツ「ムーヴ」などの背の高いモデルが続々デビューのするともに、スズキを代表するモデルのひとつとなりました。
また、2006年~2011年までの5年間にわたっては、年間軽自動車の販売台数第1位の記録を達成。
そして2025年8月4日には、ワゴンRシリーズの世界累計販売が同年6月までに1000万台を達成。1993年9月から数えて31年9か月での達成となりました。
ちなみにワゴンRは、日本だけでなく、インド、欧州をはじめとする世界75カ国・地域で販売する人気車種であり、「アルト」シリーズに次ぐ主力車です。
名実ともにスズキの、というよりはもはや日本の軽を代表するモデルのひとつとなったワゴンRの現行型は、2017年2月に登場した6代目。
マイルドハイブリッドの設定や進運転支援機能「デュアルセンサーブレーキサポート」を採用するなど、順当に進化しています。
そのいっぽう、スライドドア付きの「ワゴンRスマイル」や精悍なカスタム仕様「ワゴンRカスタム」「ワゴンRスティングレー」など、多彩なタイプや派生モデルが販売中ですが、売れ筋のモデルは果たしてどれなのでしょうか。
8月中旬のある日、首都圏にあるスズキディーラーに問い合わせてみました。
「ワゴンRシリーズで人気なのは、2021年9月に発売されたワゴンRスマイルですね。やはり両側スライドドアが人気の理由だと思います。
人気のグレードは最上級モデルである『ハイブリッドX』ですね。
ハイブリッドX、ハイブリッドS、Gという3つのグレード構成なのですが、最上級モデルのハイブリッドXだけが両側電動スライドドアなのです。
ちなみに、2WDおよび4WDともに、ハイブリッドXとハイブリッドSの価格差はおよそ15万円。それであれば…ということで、ハイブリッドXをお選びになるお客様が多い印象です」
また、別のスズキディーラーに問い合わせてみたところ、同様のコメントをいただきました。
「ワゴンRのなかではワゴンRスマイルがダントツの人気です。
我々セールスとしても『ワゴンRにスライドドアがあれば…』といったお客様のご要望にお応えできるモデルが発売されて嬉しい限りです。
年齢層としては20代半ば〜40代くらいの女性、子育てママの方にご支持いただいております。
ご夫婦でスズキのクルマをご愛用いただいている方が多く、奥様はワゴンRスマイルで、ご主人様がジムニーやスイフトスポーツといった趣味性の高いクルマをお持ちです。
売れ筋のモデルは両側電動スライドドアが標準装備のハイブリッドXですね。
他のグレードはメーカーオプションの設定すらないので、両側電動スライドドアを重視するならハイブリッドX一択になってしまいます。
また、スタイリッシュなボディカラーも豊富に用意されていますので『ボディカラーが気に入ったから』といった理由で購入を決められる方もいらっしゃいます。
衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能などの安全装備も充実しているので、安心してお乗りいただけますよ」
ほぼ“完熟”の域に達したワゴンR。多彩なバリエーションで、クルマのパッケージとしては申し分なしであるだけに、ボディカラーや可愛さに一目惚れして購入を決めたといった買い方も「あり」な1台といえそうです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。











































































