なぜ日産には「コンパクトミニバン」がないのか!? 安くてちょうどいい“5ナンバー”サイズの「シエンタ」「フリード」は大人気なのに“モッタイナイ”! 復活を期待したい「キューブキュービック」に再注目
いま、ファミリー層に大人気の3列シート車「コンパクトミニバン」。ただ現在ラインナップされているのは、トヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」の2モデルのみ。日産は、かつての「キューブキュービック」のようなモデルを復活させないのでしょうか。
「“令和版”キューブキュービック」が欲しい!
2008年まで販売されていた日産の3列シートのコンパクトミニバン「キューブキュービック(キューブ3)」。
終売以降、日産から後継車種も現れないなか、他社ではいま、同クラスのトヨタ「シエンタ」などが大人気となっている状況です。
なぜキューブ3はなくなったのでしょうか。そして復活するならば、どのようなクルマであるべきなのでしょうか。
![日産の業績悪化を食い止める「コンパクトミニバン」再投入に期待大![画像は日産のコンパクトミニバン「キューブキュービック」]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/06/20250617_NISSAN_cube3-Trabis_001.jpg?v=1750152833)
ファミリー層に人気のコンパクトミニバンですが、現在販売されているのは、シエンタとホンダの「フリード」の2モデルのみ。
2024年の国内新車登録台数ランキング(軽自動車を除く)を振り返ると、シエンタは11万1090台で総合3位、フリードは8万4082台で総合5位を記録し、いずれもトップ5にランクイン。
このようにコンパクトミニバンは、依然として国内でかなり需要が高いカテゴリであることがわかります。
この状況を考えれば、日産も3列目シートミニバンを出せば売れること間違いなしですが、さすがにかつてのキューブ3のままではシエンタやフリードに勝つことは難しいでしょう。
2003年9月に登場したキューブ3は、コンパクトハイトワゴンの2代目「キューブ」(2002年10月発売)のホイールベースを170mm延長し、折りたたみ式の3列目シートを追加した派生モデルでした。
ヒットを続けていた2代目キューブをベースとしたことから、当時すでに人気モデルだったホンダ「モビリオ」やシエンタ(初代)に対抗するモデルとして大きな期待が寄せられていましたが、販売は思ったほど振るいませんでした。
キューブ3が終売してしまった理由として考えられるのは、全長がおよそ3.9mとライバル車(全長4.2m~4.3m)よりもコンパクトで、特に3列目シートの空間がミニマムすぎたことがひとつ挙げられます。
また人気だったキューブの存在感の陰に隠れ、知名度が十分に高まらなかったこともあるかもしれません。
そして何より、リアドアがスライド式ではなくヒンジドア式だったことが、もっとも大きかったと考えられます。
これら複数の要因が重なり、期待どおりの販売に至らなかったのでしょう。
現在のフリードやシエンタが圧倒的な支持を得ている理由には、両側にスライドドアを備えていること、小さな子供であれば車室内で立ったまま着替えができるほどの室内高があること、さらに3列目シートも「非常時であれば十分」と感じられるだけのスペースが確保されていることが挙げられます。
こうした条件を満たすため、両車ともに全長はおよそ4.3m、全高は約1.7mの5ナンバーサイズに設定されています。
日産がいま3列シートのコンパクトミニバンを開発するのであれば、まず必要となるのは「両側スライドドアの採用」、「全長4.2~4.3m」、「全高約1.7m」といった、基本的なパッケージングであることはいうまでもありません。
たとえ「シエンタやフリードの模倣」といわれたとしても、これはユーザーが求めている要件です。
まずは基本をしっかりとおさえることが、前提となります。








































