全長3.5m! ダイハツ渾身の「超軽量スポーツカー」がスゴイ! 車重わずか“700kg”ボディに「5速MT」搭載! 超楽しそうで「ロードスター」のライバルに成りえた「X-021」とは!
初代マツダ「ロードスター」の世界的な成功を受け、かつてダイハツも2シーターライトウエイトスポーツカー「X-021」の開発を進めていました。
全長3.5m! ダイハツ渾身の「超軽量スポーツカー」がスゴイ!
人気のライトウエイトスポーツカーといえば、多くの人がマツダ「ロードスター」を思い浮かべるでしょう。
ロードスターは1989年に初代モデルが登場し、1990年には世界で10万台近くを販売し大ヒット。
この世界的なロードスター人気を受けて、当時さまざまなメーカーが対抗モデルとなる新しいライトウエイトスポーツの開発に着手しました。

その中には、優れたモデルに仕上がっていたものの、市販化されないまま姿を消したクルマも存在します。
その一台と言えるのが、ダイハツが生み出した「X-021」です。
X-021は、ダイハツと童夢が共同で開発した2シーターライトウエイトスポーツカーで、1991年開催の「第29回 東京モーターショー」に参考車両として出展されました。
エクステリアには、ライトウエイトスポーツカーらしい「ロングノーズ&ショートデッキ」のスタイルを採用。
全長3585mm×全幅1660mm×全高1150mmと、初代ロードスターよりも若干コンパクトなサイズとなっています。
またフロントマスクは、リトラクタブルを採用するロードスターとは異なり、X-021はティアドロップ型ヘッドライトを採用。
全体的に丸みを帯びたデザインで、どこかポルシェ「911」にも似たスタイリッシュな雰囲気を漂わせていました。
パワーユニットには、最高出力140馬力の1.6リッター直4SOHC16バルブエンジンを搭載。
これをフロントミッドレイアウトに搭載することで、前後50:50という理想的な重量配分を生み出しています。
発表時のトランスミッションは5速MTで、駆動方式はFRと、これはロードスターに非常に似た設計となっていました。
ちなみにボディにはFRP素材を用いることで、車重は脅威の700kgを達成。
軽いと評判の初代ロードスターでも1トン近い重量でしたので、X-021が相当に軽いことが分かります。
そんなX-021は、東京モーターショーに出展された時点ですでに完成度が極めて高く、「市販化は間違いないだろう」と予想されました。
しかしその予想は大きく外れ、X-021はコンセプトカーのままで終了してしまったのです。
もし市場デビューを果たしていれば、ロードスターの強力なライバルに成りえただけに、非常に惜しい存在です。
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このように、X-021はスタイリッシュなデザインと優れた性能を備えたライトウエイトスポーツカーでした。
その魅力的なデザインを今見ると、後にダイハツが発売した「初代コペン」にも似ています。
駆動方式や普通車と軽自動車という大きな違いはありますが、コペンにはX-021のエッセンスもわずかながら入っていたのかもしれません。
Writer: 大西トタン@dcp
(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。
























