トヨタ「斬新なGRヤリス」どうなった? 2Lエンジン×ミッドシップの魔改造!? 「GRヤリスMコンセプト」10月披露目指す! いまの課題は
話題の「GRヤリス M コンセプト」。7月26日-27日の「スーパー耐久オートポリス」でのデビューが予告されていましたが、諸事情で参戦を見送っていました。その理由とはなんだったのでしょうか。
話題の「GRヤリス M コンセプト」岡山での参戦に期待
TOYOTA GAZOO Racing(以下GR)は2025年1月に開催された「東京オートサロン2025」で「GRヤリス」をベースにしたミッドシップモデル「GRヤリスMコンセプト」を世界初公開しました。
その後、同年7月26日-27日の「スーパー耐久オートポリス」でのデビューが予告されていましたが、諸事情で参戦を見送っていました。
その理由とはなんだったのでしょうか。

GRヤリス M コンセプトは、GRヤリスの更なる可能性を追求するために、レースという極限の環境下で「壊しては直す」をくり返し、モリゾウやプロドライバー、ジェントルマンドライバーなどからのフィードバックを反映する「ドライバーファーストのクルマづくり」を実践していくためのモデル。
その特徴としては、2024年に「トヨタが新たなエンジンを開発」として話題となった開発中の2リッター直列4気筒ターボエンジンをミッドシップレイアウトで搭載すること。
また2025年5月30日~6月1日に開催された「スーパー耐久 富士24時間レース」でGRの高橋プレジデントは「内燃機関最高! モータースポーツ最高!という空気感も出したい」と意欲を示していました。
そんなGRヤリス M コンセプトの期待が高まっていたオートポリスですが、事前にSNSで以下のように参戦見送りの理由を明かしています。
「オートポリスでの出走に向けて開発チーム一丸となって取り組み、多くの課題を抽出し改善を続けてきましたが、止まる、曲がる、走る、それぞれにミッドシップならではの難しさがあり、よりよいクルマに仕上げるために今回の出場を見送ることとなりました。第6戦以降での出走を目指し、引き続き、モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくりを続けていきます」
そして迎えたオートポリス。改めて高橋プレジデントはGRヤリス M コンセプトの課題について次のように語ってくれました。
「開発中のミッドシップに関しては課題が2つあります。エンジンの熱問題と、4WDによる旋回性能です。
熱問題に関して、ミッドシップということで、エンジンを車体の中央に載せていることで冷却が上手く出来ていない、エンジンの出力を上げるには冷却性能をあげないと難しい部分があります。
またこのミッドシップと4WDの組み合わせが難しく、安定した旋回性能がまだ難しいという状況です。
現在は次戦岡山に向けて準備を進めていますが、2つの課題次第で、まずは安全第一で考えていきます」

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このように新たなエンジン、レイアウトということで簡単にはいかないのが現状だといいます。
一方でオートポリスの参戦を見送ったことに対して豊田章男会長(モリゾウ)は「今回走らないのは『こちらからやめよう』と言ったわけではなく、現場が判断して決めたこと。トップから言われて決めるのではなく、現場が『何が大事か』ということで決めたのはいいことだと思う」と話してくれました。
ファンとしてはいち早くGRヤリス M コンセプトを見たいものですが、着実に「良いクルマ」を作るには一歩一歩の積み重ねが重要なようです。

















