当時140万円切り! 日産の「めちゃ小さい7人乗りミニバン」が凄かった! 全長わずか3.9mサイズに“カクカクデザイン”で「お手頃価格」実現! 斬新「キューブキュービック」とは
かつて日産が販売していた人気コンパクトカー「キューブ」。実は派生モデルとして3列シート7人乗りのモデルがありました。どのようなクルマなのでしょうか。
いざというときに「7人」乗れる安心感
3世代に渡って販売がされたのち、2020年に終売となった日産のコンパクトカーである「キューブ」。
特に2代目以降はそのスクエアなボディによる室内空間の広さや運転のしやすさ、高いデザイン性も相まって、未だに根強い人気を誇る1台です。
そんなキューブの2代目モデルに派生車として設定された「キューブキュービック」は、全長4mにも満たないコンパクトな5ナンバーサイズでありながら、7人分の座席を備えた3列シート車となっていました。

キューブキュービックは、2002年にデビューした2代目キューブからおよそ1年遅れの2003年9月に登場。
パッと見はベース車となにも変わっていないように見えますが、実はホイールベースを170mm延長して室内長を増やし、2名分の座席をプラスした3列シート車となっていたのです。
ボディサイズは全長3900-3920mm×全幅1670mm×全高1654-1650mm。
ただ、もともとがコンパクトなボディサイズであるため、常に3列シートを使うような人には不向きでしたが、3列シート分のスペースを活用すれば便利な使い方も可能。
シートはフロア下に格納できる構造で、使用しないときは広い荷室として使うことができたため、いざというときに2人乗せることができるという、心の余裕があるのが最大の魅力だったのです。
また7人が乗れる3列シート車でありながら、エントリーグレードは139万8000円からと、当時としても安価だったことも人気の理由のひとつとなっていました。
ちなみにグレード体系はキューブに準じたラインナップを設定。
専用エクステリアなどを備えた「アジャクティブ」や、イギリスのデザイナー、コンランとのコラボモデル「プラスコンラン」、オーテック(当時)が手掛ける人気カスタムカーシリーズだった「ライダー」や、クロスオーバーテイストをプラスした「トラビス」、福祉車両の「アンシャンテ」なども同様に設定されていました。
当初は1.4リッターエンジンのみのラインナップとなっていましたが、2005年5月のマイナーチェンジでは1.5リッターエンジン搭載車も追加され、フル乗車時のパワー不足の解消に一役買うことになっています。
このように非常にミニマムでありながら、7人乗ることができるコンパクトミニバンとして人気を博していたキューブキュービックでしたが、2008年11月に3代目キューブが登場すると、継続設定されることなく終売となってしまいました。
そしてそのまま2020年に3代目キューブの販売も終了。以後、後継モデルは登場していません。
現在、トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」といった、コンパクトな3列シート車は安定した人気を誇っています。
もし、キューブキュービックに新型が登場していれば、ひょっとするとある程度の人気が出たのではないかと考えるのは筆者(小鮒康一)だけではないのではないでしょうか。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。





































