マツダ「新型SUV」詳細判明!? 9月発売の「EZ-60」新仕様とは? 光るグリルがかっこいい! BEV版、中国工信部から明らかに
2025年4月に開催された上海モーターショー2025にて正式発表されたマツダ新型SUV「EZ-60」。新仕様の詳細が中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトで明らかになりました。
マツダ新型SUV「EZ-60」、新仕様の詳細判明
マツダが2025年中に中国で発売を予定している「EZ-60」のBEV(電気自動車)に関する詳細が判明しました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。

EZ-60は2025年4月に開催された上海モーターショー2025にて正式発表された中国専売EVです。
開発は現地合弁相手でもある「長安汽車」と共同で行なわれ、実際に製造と販売は合弁会社「長安マツダ」が行ないます。
長安汽車と共同開発した中国向けEVは2021年の「CX-30 EV」が最初ですが、既存のマツダ車をベースとしないモデルとしては2024年の電動セダン「EZ-6」が第一弾となり、EZ-60はEZ-6の流れをくむ共同開発モデル第2弾となります。
EZ-6は先立って2024年11月に発売、2025年6月時点でこれまでに9821台を中国市場にて販売しています。
また、2025年中には欧州市場でも「マツダ6e」として発売を控えており、初めて中国製のマツダ車が国外へ輸出されて販売される事例となります。
EZ-6の中国でのメーカー希望小売価格は、発電用1.5リッター直列4気筒エンジンを搭載するEREVモデルが13.98から17.18万元(約288.2から354.1万円)、純電動のBEVモデルが15.98から18.18万元(約329.4から374.8万円)で販売されています。
これに続くEZ-60は、2024年にEZ-6が発表された際、同じ場にて発表された「創(ARATA)コンセプト」の市販モデルとなります。
また、EZ-6は長安汽車の「ディーパル」ブランドから販売されているセダン「L07(旧名:SL03)」をベースとしているように、EZ-60では同じディーパルのSUV「S07」をベースとしています。
ベース車種が存在する一方、どちらもマツダのフィロソフィーに沿って独自の内外装デザインが与えられており、走りのチューニングに関してもマツダ車らしい仕上がりとなっています。
EZ-60ではEZ-6よりもさらに細部を進化させており、先進性と上質感を高めています。
新たにデジタルアウターミラーを採用したり、インストルメントパネルを廃止して助手席までカバーする約27インチのセンターディスプレイに集約したりと、中国市場の消費者が好みそうな内装に仕上がっています。
ボディサイズは全長4850 mm x 全幅1935 mm x 全高1620 mm、ホイールベース2902 mmと、日本でも販売されているCX-60よりも少し大きいサイズ感となります。
EZ-60のデザイン要素でユニークな点が空力性能を意識した設計です。グリル上部からボンネットの前1/3までが空洞となっており、空気の通り道となっています。
同じ設計はDピラーにも見られ、これによりEVにとって重要となる航続距離や電費を向上させています。
そんな中、マツダが2025年中に発売を予定しているEZ-60に関して、BEVの詳細が判明しました。
この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトです。
工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。

EZ-60の詳細に関しては先行してEREV(レンジエクステンダー付き電気自動車)の詳細が同じ手法で判明していましたが、BEVの詳細が判明するのは初めてです。
公開された情報によると、EZ-60のEREVもBEVも、エクステリアに大きな違いはありません。
同じくEREVとBEVの両方を取り揃えるEZ-6ではグリル周りの造形に違いが見られましたが、EZ-60ではどちらもグリルの穴は開けられておらず、グリルレスな雰囲気のフロントマスクを持ちます。
リアに関してもBEVでは「EV」のエンブレムが装着されている以外、基本的にEREVと同一です。
パワートレインに関しては長安マツダが製造する出力254 hpのMSED08型駆動用モーターを1基搭載すると記載されています。
EZ-6に搭載されているモーターと名前は異なりますが、一方で出力の数値は同じですので動力的にはあまり変わりは無いと見られます。
参考までに、EZ-6のBEVのトルクは320 Nmとなります。EZ-6の駆動方式は後輪にモーターを1基搭載する後輪駆動のみでしたが、EZ-60でも同じく後輪駆動になると見られ、四輪駆動モデルが投入されるかは不透明です。
また、搭載バッテリーに関しては容量は明らかとなっていないものの、車載バッテリーにおいて「CATL(寧徳時代)」「BYD」「LGエナジーソリューション」に次ぐ世界4位の規模を誇る「CALB(中創新航)」が製造するリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載するとしています。
EZ-6ではCATLが製造する容量56.1 kWh/68.8 kWhのものを搭載していたので、電池のメーカー自体が変更される形となります。
EZ-60は2025年9月下旬に中国市場での発売を予定しています。
4月に予約開始した際には開始48時間で1万件の予約を受け付けたとしており、すでに発売前から大きな注目を集めています。
販売中のEZ-6と比べてより上質になった内装も高く評価されており、実際の発売が待ち遠しいとの声が中国のネット上では多く見受けられます。
価格は中国勢に対抗すべくかなり抑えて販売されるとみられ、販売中のEZ-6よりも安い200万円前半からとなる可能性もあります。
Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。




































































