2025年7月10日、マツダは新型「CX-5」を欧州にて世界初公開しました。

　今後、日本への投入も予想される同車ですが、現行モデルと比較してどのような変化が見られるのでしょうか。

　CX-5は、2012年に初代モデルが誕生した中型SUVで、マツダの世界戦略モデルでもあります。

　都市でも扱いやすいサイズと、マツダらしく躍動感あふれるデザイン、そして「人馬一体」を実現した爽快な走行性能などを両立し、一躍マツダの人気車種へと駆け上がりました。

　現在では世界100ヶ国以上の地域で販売され、累計販売台数は450万台を超えを記録し、現行ラインナップにおける最量販車種にまで成長。

　マツダというメーカーの経営を支える主力モデルを担っています。

　そんなCX-5の現行型は2016年11月に発表された2代目モデル。

　マツダ車に共有するデザインコンセプト「魂動デザイン」や独自の「SKYACTIVテクノロジー」によって磨き上げられた同車は、登場から9年が経過した現在も改良を重ねつつ、マツダのSUVにおける中心的な役割を担っています。

　そして今回、3代目となった新型CX-5が発表されました。

　新型CX-5の開発コンセプトは「新世代エモーショナル・デイリーコンフォート」。

　デザインや走りをさらに深化させ、また車内空間の広さや使い勝手、乗り心地、静粛性を進化させることで、日常の多様なシーンにおける快適な移動をサポートするといいます。

　具体的には、内外装の一新にくわえて新開発のパワーユニットを搭載。さらに通信・アプリケーションの拡充による最新のコネクティッド機能を採用したほか、先進運転支援機能も強化するなど、時代の変化に合わせた進化を遂げています。

　公表された欧州仕様のボディサイズは、全長4690mm×全幅1860mm×全高1695mm。

　現行型は全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mmなので、全長＋115mm、全幅＋15mm、全高＋5mmと、とくに全幅の拡大は運転感覚や駐車場の制約に大きく影響を与えるため、この点について既存ユーザーがどのような反応を示すのか気になるところ。

　そして発売当初にラインアップされるパワーユニットは、最高出力141馬力・最大トルク238Nmを発揮する2.5リッターのガソリンエンジンにマイルドハイブリッドシステム「Mハイブリッド」を組み合わせた、「e-SKYACTIV G」を搭載。

　これに6速ATを組み合わせ、燃費向上にくわえてスムーズな走りを実現しているといいます。

　現行CX-5では、2リッターおよび2.5リッターのガソリンエンジンと、2.2リッターのディーゼルエンジンを搭載していますが、現在確認できる情報を見る限りでは、新型モデルではディーゼルエンジンの設定が無くなっているようです。

　エクステリアデザインは、現行型のテイストを大きく引き継いだ、いわゆるキープコンセプトのフルモデルチェンジ。

　もちろん、より力強さを高めた筋肉質でボクシーな造形が施されていますが、とくにサイドビューにおけるウインドウ形状は、CX-5らしい個性として色濃く継承しています。

　一方で、リアのテールライトなど細かなディテールは最新のマツダ流に仕上がっており、フロントマスクのヘッドライトとグリルが融合するようなデザイン処理は、上級モデルの「CX-60」や「CX-80」とも異なる斬新なもの。

　バンパー下部が末広がりに前方に張り出す形状とあわせて、一目で新型CX-5だと認識できる、同車だけのユニークなポイントと言えるでしょう。

　さらにインテリアは大きく進化が見られる部分で、CX-60やCX-80に通じる水平基調のデザインを採用。

　明暗のハッキリした2色の内装色を使い分け、シンプルでありながら上質感と広さを感じられる演出を取り入れています。

　ハンドルの中心には、従来の「M」エンブレムに代わって「MAZDA」ロゴを配したほか、インパネは大画面のセンターディスプレイが備わり、物理ボタンはハザードなど必要最小限にまとめられました。

　あわせて、従来センターコンソールにあったダイヤル類も廃していること確認でき、エアコンの調整をはじめとした操作系は、先述のセンターディスプレイ内に集約されている様子です。

　この点については、これまでのマツダが推し進めてきた運転席周りの設計思想と若干の違いも感じられる部分。

　今回の新型CX-5を切り口にして、マツダの新たなインターフェースが順次採用されていくのかについても注目です。

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　新型CX-5は、2025年末の欧州投入を皮切りとして、2026年中には世界の各市場で発売される予定です。

　また、これら以外の詳細については、今後発売時期が近づくにつれて、あらためて発表されるとみられます。