約210万円! トヨタ最新「コンパクトカー」がスゴい! 全長4m級の「手ごろなサイズ」! 「リッター約35キロ」走るもっとも“低燃費”な「アクア X」に注目!
トヨタのハイブリッド専用コンパクトカー「アクア」の最廉価グレードは214万円という手頃な価格が自慢です。いったいどのような仕様となっているのでしょうか。
トヨタ「アクア」最安グレードは“買い”なのか!?
全グレードがハイブリッド車であるトヨタの「アクア」。最廉価な「X」グレードは214万円(消費税込み、以下同)とハイブリッド車としてはかなり手頃な価格を実現しています。
上位のグレードと比べて、どういった点が異なるのでしょうか。

2021年7月に登場した、通算2代目となる現行モデルのトヨタ「アクア」。
同じコンパクトカーの「ヤリス ハイブリッド」や、コンパクトSUV「ヤリスクロス ハイブリッド」と同じ、1.5リッターダイナミックフォース」エンジンとリダクション機構付の「THS-II(トヨタハイブリッドシステム)」を搭載し、プラットフォームは同社のコンパクトカー「ヤリス」と同じGA-Bを採用します。
ただしバッテリーについては、高級コンパクトSUVのレクサス「LBX」にも採用される高出力な「バイポーラ型ニッケル水素電池」を搭載することで、アクセル操作の応答性を高めるとともに、電気だけで静かに走行できる速度域を拡大することができました。
また骨格結合構造の最適化や、超高張力鋼板を用いて軽量化と高剛性化を実現し、ヤリスよりもちょっと上質な走りのコンパクトカーといえるでしょう。
ボディサイズは、全長4050mm×全幅1695mm×全高1485mmの5ナンバー規格に収まる大きさです。
ハイブリッド専用モデルであることから「コンパクトカーとしては価格が高めなのでは」という印象を持っている人も少なくないようですが、アクアには214万円というかなり手頃な価格の「X」グレードが設定されています。
デビューした時点では、社用車やレンタカーなどのビジネス用途に向けた198万円の「B」というエントリーグレードがありましたが、2024年4月に行われたアクアのマイナーチェンジのタイミングで廃止となりました。
2025年6月現在のグレード展開は、ベーシックなXに加え、「G」(229万4000円)、「Z」(256万5000円)の3グレードが基本となります(価格はすべてFF、4WDのE-Fourはそれぞれ19万8000円高)。
加えてスポーティな「GR SPORT」(FFのみ)と、Zをベースにした特別仕様車「Z“Raffine(ラフィネ)”」も設定されています。
そのなかで今回は、ベーシックなXグレードと上級グレード「G/Z」との主な違いについて比較してみましょう。
2トーンカラーを含む全10パターンあるボディ設定色ですが、Xグレードでは、モノトーンの8色のみとなります。
フロントのグリルガーニッシュやグリルモールがブラック塗装となり(Zはピアノブラック塗装)、ホイールも15インチのスチールホイールに樹脂フルキャップのホイールカバーとなるなど、加飾がやや簡素化されるのが外観上の大きな違いです。
また2灯式LEDヘッドランプもマニュアルレベリング機能となり、ターンランプとクリアランスランプはバルブ式(ZはLEDランプ)、テールランプも、ライン発光機能のないLEDランプとなります。
さらにフロントドアガラスは高遮音性が外され、スーパーUVカット・IR(赤外線)カット機能もオプションとなります。
インテリアでも、Z/Gグレードでは自動防眩インナーミラー(ドライブレコーダー付)が標準装備ですが、Xグレードでは防眩インナーミラーとなるほか、ステアリングホイールはウレタン製に(Z/Gグレードは本革巻き)。
シフトノブもピアノブラック加飾(Z/Gグレードはサテンメッキ)となります。
フロントドアトリムや助手席アッパーボックスの素材も簡素で、フロントセンターアームレストは廃止されており、オープントレイとカップホルダー2個が付くシンプルな仕様です。
スピーカーも2個(Z/Gグレードは4個)となります。
シートもファブリック製(Z/Gグレードは上級ファブリック)かつ、ヘッドレスト一体型(Z/Gグレードはセパレート型)と、細かいところまで差がつけられていました。
ただ、マルチインフォメーションディスプレイ(4.2インチカラーTFT液晶)+デジタルメーター(メーター照度コントロール機能付)は最上位のZグレードと共通ですし、7インチディスプレイオーディオも標準搭載され、メーターやディスプレイ関連は満足感の高いものが搭載されています。
また、安全運転に関わる「トヨタセーフティセンス」もしっかりと標準装備されており、レーントレーシングアシスト(LTA)やレーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)、オートマチックハイビーム(AHB)、歩行者(昼夜)や自転車(昼)を検知して衝突回避支援をするプリクラッシュセーフティ、ロードサインアシスト(RSA)、先行車発進告知機能なども含まれます。
確かに贅沢装備や加飾は削がれていますが、安全装備は最廉価のXグレードであっても上位グレードと同じ内容が装備されている点は大きな魅力といえるでしょう。
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価格が安いとはいえ必要十分な機能を備えており、装備が簡素なぶん、燃費性能は全グレードの中でもっとも優れる34.6km/L(WLTCモード)を達成しています。
アクアを検討するのなら、ひとまずXグレードを基準にして、欲しいオプションを足していくという方法もリーズナブルな買い方としてオススメします。
Writer: 吉川 賢一
日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイライン等のFR高級車の開発に従事。新型車や新技術の背景にあるストーリーや、作り手視点の面白さを伝えるため執筆中。趣味は10分の1スケールRCカーのレース参戦、クルマ模型収集、サウナなど





































































