1000万円超え! ホンダ「“和製スーパーカー” NSX」登場! 全長4.4mサイズにパカッと開く「リトラライト」×高性能V6ユニット&5速MT搭載! 伝説の“34年落ちモデル”が豪で落札
2025年6月3日、オーストラリアのオークションCollecting Carsで右ハンドル日本仕様の1991年式ホンダ「NSX」が出品され、落札されました。鮮烈なフォーミュラレッドと5速MTを備えるこの1台は、いったいどれほどで落札されたのでしょうか。
鮮烈レッドの初期型「NSX」登場
ホンダが1990年に発売した「NSX」は、量産車として世界初のオールアルミモノコックとV型6気筒DOHC「VTEC」搭載の高性能エンジンを組み合わせ、ミッドシップスポーツの常識を大きく塗り替えました。
今回、オーストラリアのオークションCollecting Carsでは、1991年式「フォーミュラレッド」のNSXが出品されました。NSXの革新性を色濃く残す初期型の個体ですが、いったいいくらで落札されたのでしょうか。
![ホンダ「NSX」1991年式[Photo:Collecting Cars/2025年6月3日落札車両(11万3500豪ドル)]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/07/20250707_honda_nsx_000.jpg?v=1751869020)
NSXの開発はF1の参戦で培った技術を公道へ届ける、という志から始まりました。
エンジニアは世界一過酷とも称されるドイツのサーキット「ニュルブルクリンク」や北欧の氷雪路で試験を重ね、運動性能と快適性を両立させる三軸図のコンセプトを確立しました。
ボディサイズは全長4430mm×全幅1810mm×全高1170mmでホイールベース2530mm。アルミモノコックはホワイトボディ重量210kgを実現し、スチール素材を用いた場合よりも140kg軽くなりました。
前後重量配分は42:58を達成し、ハンドリングは俊敏さと安定性を高い次元で両立しています。
心臓部の「C30A」型3リッターV型6気筒DOHC自然吸気エンジンは、電子制御PGM-FIとホンダ独自のVTEC機構を備え、5速マニュアル仕様で最高出力は280psを発揮します(初期モデル)。
エンジン内部にはチタンコンロッドを採用したことでレッドゾーンは8000rpmに迫り、0-100km/h加速5.7秒、最高速度270km/hを誇ります。
ターボ過給に頼らず呼吸する自然吸気の吹け上がりは現在でも鮮烈で、世界の同時代ライバルたちを驚かせました。
アルミ製ダブルウイッシュボーンサスペンションに組み合わされる四輪ベンチレーテッドディスクは、独自開発の4チャンネルA.L.B.とリミテッドスリップデフが制御し、精密な挙動を実現しました。
これらの高機能装備は現代でも十分に通用する制動力と旋回性能を生み、軽量構造と相まってロードホールディングを確保しています。
2002年に終売したあとも、「国産スーパーカー」として日本車を代表するスポーツモデルのひとつとして根強い人気を持ちます。
そして、今回オーストラリアで落札された車両は1991年5月生産の右ハンドル日本仕様です。
新車時は日本で登録されたようですが、その後は温暖で乾燥したオーストラリアへ渡り、保管環境に恵まれたことで維持の難しいアルミパネルに顕著な腐蝕は報告されていません。
走行距離は9万8652マイル(15万8765km)で数字自体は大きいものの、現地のHonda Careによる整備履歴が残り、2024年11月にはオイルとフィルター交換、下回り点検を受けて新しいタイヤへ換装されています。
2022年6月には冷却系リフレッシュ、2020年7月にはクラッチフルードとプラグ交換も行われており、機関系のケアが継続している点は安心材料です。
外装は鮮烈な「フォーミュラレッド」のボディで、フロント16インチとリア17インチの白いSSR「タイプC」鍛造ホイールが装着される仕様です。
ゴールドキャリパーが足元のアクセントとなり、軽快な印象を強調した仕立てになりました。インテリアは黒とライトグレーのツートーンで、本革の質感が当時のフラッグシップとしての格を物語ります。
純正BOSEサウンドシステムやオートエアコンが残っていますが、社外のRECAROシートとMOMOステアリングが備わるなど、歴代オーナーのこだわりも感じられ、スポーツ走行への準備も万全です。
キャノピーデザインによる水平視界311.8度は日常域での疲労を減らし、ロングツーリングでも快適です。トランク容量154リッターを確保。今回の個体はインテリアもトランクも良好な状態です。
入札は62件と熾烈なバトルを繰り広げ、結果は11万3500オーストラリアドル、日本円で約1050万円で落札されました。
91年の初期型で人気のフォーミュラレッド、右ハンドル、5速マニュアル、良好な整備履歴と状態という条件がそろったことで、市場平均を上回る評価を受けたと考えられます。
電動化と環境規制が進む現在、純ガソリン自然吸気ミッドシップスポーツカーの希少性は高まり続けており、投資対象としての魅力も一段と強まりました。
今回の落札事例も、初期型NSXの価値が世界的に再評価されている証しです。継続的なメンテナンスを続ければ、市場価格と走行体験の双方でさらなる愉しさが期待できるでしょう。
Writer: Peacock Blue K.K.
東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。




































