国道246号「“地獄”の伊勢原渋滞」解消へ!? 秦野から「圏央道」まで“完全直結”する夢のバイパスが工事進行中! 神奈川西部“完全スルー”の「厚木秦野道路」とは
神奈川県西部に整備される「厚木秦野道路」はどのような道路で、工事はどこまで進んでいるのでしょうか。
厚木〜秦野で246・東名・新東名を接続
神奈川県の県西中部の大動脈といえば、国道246号があります。海老名・厚木・伊勢原・秦野などの都市を抱えていますが、すでにパンク状態です。
そこに今後、新たな「信号ゼロ」の東西軸となる自動車専用道路「厚木秦野道路」が整備されます。一体どのような道路で、工事はどこまで進んでいるのでしょうか。

国道246号は神奈川県の主要道路で、県中部から県西部にかけてはこの246号と国道1号の2本のみが東西軸となっています。
国道1号は相模湾に沿っているので、中部の厚木や伊勢原、秦野エリアにとっては実質的にこの1本のみで賄っている状況です。
しかし国道246号は渋滞ポイントが多く、厚木市内は6車線で比較的走りやすいものの、厚木IC手前で南下する129号と分岐したあとは静岡県内まで延々と2車線区間が続きます。
特に小田急線の愛甲石田駅から伊勢原市内にかけては、地元住民の生活車両と、長距離を走行する大型車などが入り乱れ、朝夕を中心に大混雑となっています。
また、伊勢原市〜秦野市の市境にある「善波峠」では、2024年9月に土砂崩れが発生し、246号が寸断されるということも起きており、災害などが起きた際の代替交通路の確保も必要となっています。
さて、現在整備中の厚木秦野道路は、まさに246号のバイパスとなる道路です。平成10年度(1998年度)から事業化されています。
ルートは、圏央道の圏央厚木ICから西へ分岐し、七沢付近を経由したあと、進路を南にかえて新東名の伊勢原大山ICと接続。そこから南西に進み、246号、東名秦野中井ICとそれぞれ接続し、新東名の新秦野ICまで向かいます。
途中、国道412号を過ぎたあたりで「厚木北IC」、七沢付近で「森の里IC」、新東名との接続部に「伊勢原北IC」、246号との接続部に「伊勢原西IC」、東名との接続部に「秦野中井IC」、中井と渋沢の中間あたりで「渋沢IC」、再び246号との接続部として「秦野西IC」が設けられます(いずれも仮称)。総延長29.1kmで、設計80km/hの自動車専用道路です。
途中、246号とは離れて山側を経由しますが、厚木、伊勢原、秦野エリアにとっては246号の大渋滞をパスして通過できる新たな道路になるとともに、同じく慢性的に渋滞の東名と接続しているため、混雑の分散が期待されます。
下道では仕方なく246号を通らざるを得なかったこれらのエリアにとっては、悲願の新ルートとなっています。付近の清川村にとっても県道を使ってアクセスするしかなかったのが、近道になります。
気になる進捗ですが、メインとなる「伊勢原大山~秦野中井」が事業化。また圏央厚木から412号を超えた厚木市飯山までが事業化しています。
そのほかの工区は事業化すらしていません。
現在事業化済み区間の、工事進捗状況は以下の通りです。
【厚木地区】圏央厚木IC~厚木北IC(3.6km)
用地取得率は2025年3月現在で約94%。昨年では72%だったのが、ここ1年でかなり進捗があったようです。
現在、「中津川橋」の工事が先行して進められ、橋脚がニョキニョキと姿をあらわし、橋桁を架ける準備が整いつつあります。
【伊勢原地区】伊勢原大山IC(伊勢原北IC)~伊勢原西IC(4.8km)
用地取得率は約93%で、3年連続で横ばい。工事がもっとも進展しているのが、新東名のすぐ近くにある「鈴川橋」で、すでに床版の施工が完了し、あとは舗装待ちの状態となっています。
短いトンネル(仮:伊勢原第一トンネル、第二トンネル)が2本あって、順次いよいよ掘削に着手する計画となっています。
【秦野地区】伊勢原西IC~秦野中井IC(5.2km)
2014年に事業化した、もっとも新しい工区です。用地取得率は約31%。昨年は20%だったのが、順調に進展しているようです。
まだ目立った工事は進んでいませんが、秦野市の「246バイパス通信」によれば、井戸水などの影響がないかといった水文(すいもん)調査や地質調査などを行っています。
なお、ここには全線内で最長のトンネル工区(仮:弘法山トンネル)があり、時間がかかることが予想されます。
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