クルマが好きならサウンドにもこだわりたい! 三菱×ヤマハの本気のコラボからパイオニアが目指す究極のハイエンドモデルまで「OTOTEN 2025」で体験してきた
パイオニアが目指す「究極の世界観」を味わえるGR86
パイオニアは、先日新たに登場した車載用ハイエンドスピーカーシリーズであるGRAND RESOLUTION(グランドレゾリューション)を中心に展示していました。
本製品は「音のパイオニア」への原点回帰をテーマに、東北パイオニアが中心となって総力をあげて開発したもので、独自技術である「CST(Coherent Source Transducer)ドライバー」の採用や、ツィーターにはカースピーカーとして世界初となる「蒸着ベリリウム振動板」が使用されるなど、「スピード感に満ちた圧倒的な再生能力により、空間と時間の一致が誘う、異次元のサウンド」の実現を目指したとのことです。

まずは展示室で17cmのセパレート3ウェイスピーカー「TS-Z1GR」(77万円!)を試聴できました。同製品はパイオニアの原点をうたう新製品ということもあり、会場には1937年にパイオニアの創業者が国産初のHi-Fiダイナミックスピーカーとして開発・発売した「A-8」も展示。その思想や技術の継承というパイオニアのGRAND RESOLUTIONに対する意気込みが伝わる展示内容となっていました。
実際にサウンドを聴いてみると、車載スピーカーとは思えないその臨場感に圧倒されました。いくつかのLive音源を聴いたところ、複数ボーカルの曲ではその歌い手それぞれの位置までがしっかりと聞き取れ、まるで目の前にいるかのようなカチッとしたサウンドを届けてくれます。
また曲が終わったあとの観客の拍手が収録されている部分では、目をつむるとそこからまるで部屋の奥に会場が広がり、数百人の拍手がホール全体を包み込む場面に居合わせたかのように錯覚してしまうほどです。
これがホントにクルマのなかで聴ける音なのか! 驚愕(きょうがく)の臨場感
続いてトヨタGR86のデモカーに乗り換えて試聴をすると、その臨場感の高さをさらに実感できました。
担当者によると「2ドアのFRスポーツカーであるGR86は、音楽を聴くという意味ではデモカーに仕立てるのはハードルの高い車種」ではあったものの、「だからこそあえてこの車種でどこまで狙えるかに挑戦する意味合い」もあって、あえてGR86を選んだとのこと。

また、スピーカーには先ほど紹介した「TS-Z1GR」システムが搭載されていますが、このスピーカー商品単体を訴求するというよりも、パイオニアが目指す究極の姿、GRAND RESOLUTIONのコンセプトを体現すべく、スピーカー以外にもさまざまな手を加えて製作された車両とのことです。
曲は6種類から選ぶことができ、今回は先ほどの展示室で受けた印象をより体感してみようと、藤井風さんの「満ちてゆく」を選択して試聴してみます。この曲は1番のAメロ、Bメロからサビにかけてはピアノの伴奏とボーカルというシンプルな構成から始まり、後半にかけて伴奏やバックコーラスが徐々に増えてきて大きく盛り上がりを見せて、最後にシンプルなピアノ伴奏に戻るという構成となっています。
前半はボーカルの息遣いを鮮明に、かつピアノを弾きながら歌っている姿が目の前に浮かぶようなしっかりとした定位の良さと音響空間で、良い意味でスピーカーがどこの位置にあるのかが分からなくなるような感覚になります。
そこから曲の盛り上がりに合わせてさまざまな音の要素が増えていくなかで、すべての音を逃さずに、かつ着座位置が低く車室内も狭いなかで音楽を聴いているとはまるで思えないような音の空間の広がりを体感。
フロントガラスがはるか遠く向こうに、また天井の低いスポーツカーとは思えない、音楽ホールのなかにいるようなサウンドに包まれる体験は、まさにパイオニアが原点に立ち返り総力を挙げて開発したハイエンドモデルの実力を感じるものでした。
Writer: くるまのニュース編集部
【クルマをもっと身近にするWEB情報メディア】
知的好奇心を満たすクルマの気になる様々な情報を紹介。新車情報・試乗記・交通マナーやトラブル・道路事情まで魅力的なカーライフを発信していきます。クルマについて「知らなかったことを知る喜び」をくるまのニュースを通じて体験してください。


















