相次ぐ外国人事故で「外免切替」に注目! 「やっとか」の声も… 国会&警察庁長官が言及で、厳格化! なぜ制度ある? 近年事故は増えてる?
外免切替で日本の免許を取得している国はどこが多い?
外免切替で日本の免許を取得している国はどこが多いのでしょうか。
令和5年に外免切替による日本の運転免許を取得した国別の数は以下となっています。
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1位 ベトナム 15,807
2位 中国 11,247
3位 アメリカ 4,250
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ベトナムと中国が1万人を大きく超えていますが、この2か国が飛びぬけて多いのには理由があります。
運転免許に関してこの2国に共通することは「ジュネーブ条約の締約国ではない」ということです。
つまり日本で有効な国際免許を所有できないことから、外免切替で免許を取得する以外に運転する方法がありません。
ベトナムは「技能実習」や「特定技能」の在留資格で来日する人数も多く、2024年上半期だけで日本へ新規入国した実習生は3万2千人。
一時期より減っているとはいえ現在もベトナムは日本への送り出し国としてその人数は世界最高です。
特定技能には自動車整備士や運送業といった免許必須の業種もあるため外免切替を行って日本の免許を取得するベトナム人が多いと考えられます。
3位のアメリカの中には米軍関係者(米軍を離脱して米軍としての身分がなくなると外免切替で免許を取得)も数多く存在しています。
アメリカはジュネーブ締約国ではありますが、外免切替の際に知識確認・技能試験を免除されるのはインディアナ州・オハイオ州・オレゴン州・コロラド州・バージニア州・ハワイ州・メリーランド州・ワシントン州のみ。※インディアナ州は技能のみ免除
それ以外の州で免許を取得している場合は知識確認も技能試験も受けて合格しなければ日本の免許は取得できないのです。

ところで、外国人運転による事故は日本人に比べて多いのでしょうか。2022年から3年間の推移を見てみましょう
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●日本国籍533万5530件→471万433件→439万305件
●外国籍 11万5241件→12万328件→12万5646件 (警察庁調べ)
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日本人の交通事故件数は年々大きく減っていますが、外国人の事故はその逆に増えています。
人身事故の件数も2022年には6019件→2024年7286件と1200件以上の増加。
外免切替に関する国会質問でも外国人の人身事故は日本人の約1.8倍という結果が公表されました。
これは単に訪日外国人の数がコロナ前を大幅に上回るレベルに戻ってきた結果とも考えられます。
いまや年間300万人の外国人観光客がレンタカーを利用して移動しており各地で実際事故も多発しているからです。
前述したように、技能実習や特定技能で日本での人手不足を解消するための労働力として来日する外国人の数も年々増えている背景があります。
外免切替の制度はホテルの住所で免許が申請できたり、知識確認が10問中7問で合格できたりで「簡単すぎる!」などの問題も確かにあります。
直近で起きた飲酒ひき逃げ事故(中国籍)や高速道路での逆走衝突事故(ペルー国籍)を起こした外国人がいずれも外免切替によって日本の免許を取得していることが報道され注目を集める結果となってしまいました。
実際は国際免許で事故を起こす外国人のほうが圧倒的に多いのです。
なぜなら国際免許は自国で取得し、日本に来て何のチェックもなくレンタカーのカウンターでクルマを借りて運転します。
生まれて初めて右ハンドル車&左側通行を体験する外国人も少なくないでしょう。
日本のように左側通行&右ハンドルの国は意外と少なく世界の国々の3割以下です。
外免切替の制度を厳しくすることも大切かもしれませんが、実際に事故を起こしている数が圧倒的に多いのは国際免許での運転と考えられます。
外免切替のような知識確認も技能試験もなく日本の道交法や交通ルールを学ぶ機会もありません。
外免切替の制度厳格化と同時に、国際免許で運転する場合の安全運転啓発も警察庁はぜひ本腰を入れて行ってほしいと筆者は思います。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。























