日産の「極秘ガレージ」潜入!“東京の街中”を爆走する「フォーミュラE」開幕! 裏口に置かれていた「謎のボディ」が持つ重要な役割とは?
「2025 Tokyo E-Prix - ABB FIA Formula E World Championship」が開催されるのに先駆けて日産フォーミュラEチームのガレージを見学する機会を得ました。見学のなかでガレージ裏に置かれていた「謎のボディ」の正体とは一体どのようなものなのでしょうか。
緊張感漂うレース前日のガレージを見学!
2025年5月17日から18日にかけて、東京ビッグサイト周辺(東京都江東区)で「2025 Tokyo E-Prix – ABB FIA Formula E World Championship」が開催されます。
その前日、日産フォーミュラEチームのガレージを見学する機会を得ました。
電気自動車レースの舞台裏を間近で体感し、日産の先進的な技術力と情熱に触れる貴重な体験となりました。

日産のガレージは、レース前日の緊張感に満ちていました。
メカニックたちがマシンを調整する姿は、まさに職人技そのもの。
しかし、機密保持のため、ガレージ内やマシンのボディの撮影は禁止されており、カメラを向けることはできませんでしたが、展示されていたパーツやエンジニアの説明を通じて、チームの取り組みを深く理解することができました。
日産がフォーミュラEに参戦する理由について、2025年シーズンから導入される新世代マシン「GEN3 Evo」のパワートレイン開発を担当した西川直志チーフ・パワートレインエンジニアは、次のように語りました。
「理由は大きく3つあります。1つ目は、世界中の日産ファンに向けて、電動化の重要性を実際のレースを通じて示したいということ。
2つ目は、電動化技術を活用して、ファンやお客様にワクワクする体験を届けたいという思い。
そして3つ目は、フォーミュラEで得た技術や知見を市販車に還元し、乗る人を魅了するクルマを世の中に送り出したいからです」
レースでの勝利だけでなく、電動化技術の進化とファンとの絆を重視する姿勢が伝わります。
このGEN3 Evoは、最高出力350kW(約470馬力)で、4輪駆動(AWD)。
フロントモーターは50kW、リアモーターは300kWのスペックを有します。
最高速度は約320km/hで、0から時速60マイル(約96km/h)までわずか1.82秒。
車重は862kgで、バッテリー容量は最大47kWhですが、レースごとのレギュレーションにより変動し、東京E-Prixでは32kWhに制限されます。
このエネルギー管理が勝敗の鍵の1つとなります。
2025年シーズン、日産は新マシンで好調な成績を収めており、モナコE-Prix(第6戦)ではオリバー・ローランド選手が優勝、続く第7戦ではポールポジションと2位を獲得。
東京E-Prixのレース前日のプラクティスでも安定したラップタイムを記録し、ホームレースでの活躍が期待されます。
フォーミュラEでは、コスト抑制と公平性のため、シャーシ、バッテリー、フロントモーターなどのパーツは全チーム共通です。
一方で、リアモーター、インバーター、ソフトウェアなどは独自開発が可能です。
そのため、前述の通り本戦に参戦するマシンの撮影は機密保持のため禁止されていましたが、ガレージ外に展示されていたスペアシャーシは撮影することができました。
このシャーシについて、日産フォーミュラEチームのマーケティング&コマーシャル、ローレンス・ウィルシャー(Laurence Wiltshire)氏は、
「各マニュファクチャラーはスペアシャーシを1台保有できます。
各車両には4人のメカニックが割り当てられ、14人のソフトウェアエンジニアが裏でサポートしています。
もし事故が発生した場合、全メカニックが事故車両に集まり、3~4時間でシャーシを交換し、翌日のレースに間に合わせます」
と説明しました。
また、旧モデルのステアリングも展示されており、西川エンジニアは
「ステアリングは共通ですが、ボタンの機能配置やモニター表示はチームが自由に設定できます」
と語り、チームの個性が戦略に反映されることを明かしました。
※ ※ ※
今回のガレージ見学では、電気自動車レースの舞台裏で、職人技のようなメカニックの作業や新マシンGEN3 Evoの技術力を体感しました。
日産は、電動化の重要性を伝え、ファンにワクワクする体験を提供し、技術を市販車に還元することを目指して今シーズンも参戦。
エネルギー管理が鍵となる東京E-Prixでの活躍が期待されます。
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