「リッター76km」も走れる!? 発売当時“約6万円”のスズキ「超軽量スクーター」がスゴかった! “企業努力”が産んだ激安スクーター「チョイノリ」とは

ちょっとした移動にぴったりな乗り物「チョイノリ」とは、どのようなスクーターなのでしょうか。発売当時の特徴や進化したモデルを振り返ります。

スクーター界の革命児「チョイノリ」とは

 スズキが2003年に発売した「チョイノリ」は、徹底的なコストダウンとシンプルな構造で話題を呼んだ「スクータータイプの原付」です。「ちょっとだけ乗りたい人」をターゲットに、近距離移動に特化したスクーターとして開発されました。

 一体どのようなスクーターなのでしょうか。

約20年前は6万円でスクーターが買えた!?
約20年前は6万円でスクーターが買えた!?

 2003年2月11日に発売された初代チョイノリは、「走れ。国産。¥59800」というキャチコピーのもと登場。

 国内生産でありながら税抜価格5万9800円という低価格で登場し、バイク業界に衝撃を与えました。

 これは、スズキの企業努力の賜物とも言えます。徹底的に部品点数を減らしたことにより、生産コスト、工数、組み立てに必要な人員、組み立て時間が削減され、低価格を実現していました。

 その後、2003年12月にはスポーティな外観の「チョイノリSS」が登場し、2004年にはセルフスターター付きモデルが追加されました。2004年には「チョイノリII」が登場し、ウインカーの位置変更やバスケット取り付け用のボスが装備されるなどの改良が加えられました。

 ガソリンモデルの生産は、排ガス規制に伴うコスト問題により、2007年8月末で終了しましたが、2023年のジャパンモビリティショーで電動版「eチョイノリ」が発表され、2025年の発売が噂されています。

 チョイノリは、丸みを帯びたフロントカウルとシンプルなボディラインが特徴です。チョイノリSSでは、フロントカウルを取り外し、フレームを露出させたネイキッドスタイルが採用され、フラットなハンドルバーが装備されました。チョイノリIIでは、ウインカーがハンドル位置に移され、前面にはバスケット取り付け用のボスが装備されるなど、実用性が向上しています。

 初期モデルでは、キックスターターのみでセルフスターターは装備されていませんでした。また、燃料計やオドメーターも省略され、必要最低限の装備に留められていました。チョイノリSSやチョイノリIIでは、セルフスターターが追加され、利便性が向上しました。

 足回りには、前後ともにドラムブレーキを採用し、タイヤサイズは前後ともに80/90-10です。初期モデルではリアサスペンションが省略され、リジッド構造となっていましたが、後期モデルではリアサスペンションが追加され、乗り心地が改善されました。

 パワーユニットは、49cc空冷4ストローク単気筒OHVエンジンを搭載。最高出力は2.0PS/5500rpm、最大トルクは0.3kgf・m/3500rpmを発揮します。汎用エンジンをベースに開発され、シンプルでメンテナンス性に優れています。

 燃費性能は、30km/h定地走行で76km/Lと公表されていました。

 チョイノリは、必要最低限の機能に絞ることで軽量化され、乾燥重量は39kgと非常に軽量で取り回しの良さが魅力です。

 カラーバリエーションは、初代モデルでは「オレンジ」「ブラック」「ホワイト」が設定され、その後マイナーチェンジで「トイブルー」「アイボリー」「ライトイエロー」などの爽やかなカラーが追加されました。

 当時の新車価格(5%の消費税込)は6万2790円でした。セルフスターター付きモデルは7万9590円となっていました。

※ ※ ※

 チョイノリは、その徹底したシンプル設計と、当時としては破格とも言える価格設定により、多くのユーザーに親しまれ、スズキ製スクーターの象徴的存在として記憶されています。

 2025年に噂されている電動版「eチョイノリ」の登場によって、再び注目を集めているチョイノリシリーズ。原付一種クラスの電動バイクとして、今後の展開に期待が高まります。

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Writer: くるまのニュース編集部

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